読売新聞 2016年10月9日朝刊から転載
明治さん企業活動100年 そして労働組合潰しからの労働争議も50年
10月9日、100周年を迎えたとして新聞紙上を賑わし、都心を中心に「明治100年」一色の歓迎ムードが描かれていますね。
テレビコマーシャルなどでもキャンペーン張って賑わしていますが、実際の職場では何が起きているのか皆さんご存じですか?
記念すべき100年間の約半世紀にわたって、現在までも労働者イジメが横行していることです。
同業他社との熾烈を極める競争の中で、2000名におよぶ人員削減の大合理化を押し進めることは、労働条件の低下と生活破壊は免れない大きな問題を含んでいることから、全国の市乳工場を軸に反対の声が強く上がりました。
会社は、その様な組合に対する対策として、本社人事部長の指揮の下で、全国に一斉に「インフォーマル組織」をつくりあげ、労働組合役員選挙に支配介入し、会社の意のままになる労働組合に変質させ仕事や賃金・昇格差別の攻撃が横行してきました。
その様な労務政策によって、この半世紀に、解雇事件3件(4名)、外国人労働者労災・解雇事件、不当労働行為差別・思想差別事件4件(現在も係争中含め69名)、ビラ配布事件(施設管理権乱用)、損害賠償事件など10件も発生し、現在も差別事件2件(64名)が係争中です。
労働者の権利を剥奪し、ないがしろにする明治の経営姿勢は、食の「安全・安心」に対する危機管理の欠如で心配される事態です。
2000年に入ってからの不祥事・不正、食品衛生法違反など33件も繰り返す無能ぶりです。不正の中に、明らかに行程異常が明白にも関わらず生産を続行させた責任者の見識は、消費者・取引先に解らなければそれでよしという正に、「生産優先」「もうけ本意」精神が常に貫かれている現れです。
これでは、食の「安全・安心」を求める国民・消費者はたまったものではありません。
いまひとつ、職場の「安全・安心」に対する危機管理に於いても同様です。設備や機械動作における「安全教育」の欠如から、関連企業(婦人労働者1名)ふくめ7名の尊い命が現場で死亡災害が起きています。これら一つ一つ見ても、「安全配慮義務違反」に相当する重大事故にも関わらず、誰一人たりとも経営者の責任が問われていません。すべてが内密に金銭(金額は不明)でもって処理しています。
記念する100周年の半分の歴史の中で、①労働争議が切れ目なく絶えない。②異常な生産環境からなのか不祥事が多発。③人の命を余りにも軽く扱っていませんか。
この様に、消費者の皆様方に支えられ発展し100周年を迎えることができました。さあ~これから100年へめざしますと述べていますが、「ブラック的な企業」姿勢と職場環境から見て、手放しで祝福する気持ちには到底なり得ません。
この間、2009年に明治製菓と経営統合し持ち株会社「明治ホールディングス株式会社」を設立にあたって、明治乳業が抱える「負の遺産」を精算し身ぎれいになって発展する企業をめざすことを求めて来ましたが、それらを抱えたまま「100周年」を迎えたとしても、晴れやかな姿勢で迎えることはできないでしょうと絶えず訴えてきたことで、非常に残念でなりません。
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