明乳争議 人権回復にまったなし 都労委で全面解決を!
会場いっぱい 埋めつくす仲間が集う「5・10総決起集会」大きく成功
「人権回復にまったなし 都労委で全面解決を!」。明治乳業争議が集大成にむけ待ったなしの重要な局面となっている5月10日、全労連会館(湯島)で開かれた「5・10総決起集会」は会場を埋め尽くす人たちが参加し大きく成功させることができました。
集会は、プリマベラ合唱団(市川)とシンガーソングライター大熊啓さんが歌う明乳争議団団歌「星霜」で幕が開き、松本悟・同争議支援共闘会議議長が、この集会は「日本一長い争議を解決させるために開きました。今日を起点に大きな運動で早期解決を」と主催者を代表して挨拶しました。
竹下武・全労連事務局次長が「明治も経営方針に人権尊重を掲げるのなら争議を解決するべき」と訴え、笹渡義夫・農民連副会長からは酪農危機の現状が訴えられ「農民連の闘いと争議解決は一つ、供に連帯しましょう」と、両者から力強い連帯挨拶がありました。
弁護団を代表して金井克仁・事務局長は、明乳争議の闘いと到達点を、38年の歴史をひも解きながら解説。さらに現在闘われている「第3次」都労委闘争の意義と基本方針が報告され「「最後の闘い。必ず勝利しましょう」と訴えました。
小関守・争議団団長からは「この争議の全体像は典型的な不当労働行為である。厳しい現実だがこのまま人生終われない。必ず解決局面を切り拓く」と争議団からの決意が述べられました。最後、共闘会議幹事の福島圭さんから「全面解決に向け直ちに話し合いに応じることを強く求める」とする決議文(案)が力強く読み上げられ、大きな拍手で採択されました。
参加者からは、「真実の労働運動の元祖の闘いだと改めて感じた」などの声が寄せられました。
オープニング・大熊啓と合唱団プリマベラ
【動画を視聴ください】
主催者挨拶 明治乳業争議支援共闘会議・松本悟議長(千葉労連顧問)
【動画を視聴ください】
連帯挨拶 全労連・竹下武事務局次長
【動画を視聴ください】
連帯挨拶 農民連・笹渡義夫副会長
【動画を視聴ください】
明治乳業争議弁護団事務局長・金井克仁弁護士(東京法律事務所)
【動画を視聴ください】
「朗読劇」に感動と怒りが・・・
朗読劇・青年劇場俳優(中谷源)(高山康宏)(塚原正一)
【動画を視聴ください】
多くの参加者が、青年劇場の俳優陣による「朗読劇」に酔いしれました。ナレーターの説明のなか、明治乳業のすさまじい職場の実態と非人間的行為が、いくつかのエピソードを交えながら演じられました。また申立人・故嶋崎(大阪)さんの奥さんの手紙の一部が紹介され、差別に抗した人生などが構成詩風に語られました。最後、出演者全員による「私たちは人間なんです。何ものにも屈しない人間。そこに正義があるから闘う。勝利の日まで!」の絶唱のなか、BGMが大きく盛り上がって終わりました。
会場からは「朗読劇の後の小関団長の話は、本当に切実さと怒りがあわさり、目頭が熱くなりました」の声が。またユーチューブでの視聴者から「劇は泣けましたね」のコメントが届きました。
争議団決意表明・小関守団長
【動画を視聴ください】
決議文(案)提起採択・明治乳業争議支援共闘会議・福島圭幹事(新宿区労連常任幹事)
【動画を視聴ください】
【決議文 採択され(株)明治と明治HDに届けました 5月16日】
明乳争議 「労働組合つぶし・賃金差別許さない 5・10総決起集会」
決 議 文 (案)
株式会社明治(旧明治乳業)において、1960年代後半から続いた「労働組合活動への支配介入及び昇給昇格差別」の是正を求める明治乳業争議団の闘いは、市川工場32人の都労委申立てから38年、全国9事業所32人の申立てからでも29年であり、「日本一長い差別争議」となり人道上も放置できない闘いとなっている。
本日、「5・10総決起集会」に結集した私たちは、明治乳業争議の闘いの歴史と到達点を共有し、全面解決への道筋を「待ったなし」で切り拓く決意を確認した。
明治乳業争議は、大企業における典型的「不当労働行為・差別事件」である。
明治乳業は1960年代後半から企業間競争激化などを理由に、8000人の生産体制から一気に2000人を削減する生産効率5倍化の大「合理化」を動機に、全国主要工場の旺盛な組合活動を敵視し、大企業労働組合の右傾化に暗躍していた反共労務屋組織と結びつき、主要工場に「インフォーマル組織」を一気に結成した。
そして、労働者を「赤組・白組・雑草組」に分断し、赤組の烙印を捺した申立人ら集団に「マル共・民青、生産阻害者」等のレッテルを貼り、昇給昇格差別や仕事差別など人権侵害の限りを尽くす攻撃を、停年退職に至るまで継続したのである。
これまでの明治乳業事件は、「組合間・潮流間差別事件」の審査方法として定着してきた、各年度追加事件の併合を前提とする「大量観察方式にもとづく集団間比較」の審査方法ではなく、市川工場事件では2年度分3事件、全国事件では1年度分1事件だけの単年度審査の指揮が強行されてきた。その結果、年々拡大しながら累積する格差の実態や年度を超えて継続する不当労働行為の全体像が正確に認定・判断されず、異常・不当な命令・判決が続いた。争議団・弁護団・支援共闘会議は、都労委に残留する39事件の闘いを「敗訴の連鎖を断ち切る集大成」と位置づけ、労働委員会に対し差別事件本来の審査方法に基づく指揮を強く求め奮闘している。
さらに、明乳事件の事実認定には重要な到達点がある。2017年1月の全国事件中労委命令は、各事業所の不当労働行為を認定した上で「付言」を特記し、賃金格差の存在は「紛れもない事実」と認め、組合活動を嫌悪する様々な行為も「会社は非難を免れ得ない」と厳しく断罪した。その上で命令は、「当事者双方の互譲による合意をもって紛争の全面解決を目指すべきことは自明の理である」と明記し、殊に会社に対して、「より大局的見地に立った判断が期待される」と強調したのである。
「5・10総決起集会」に結集した私たちは、都労委残留39事件を「敗訴の連鎖を断ち切る」決意で奮闘する争議団を全力で支援し、同時に、株式会社明治及び親会社明治HDに対し、都労委審査を待つまでもなく第三者機関での到達点を真摯に受け入れ、全面解決に向け直ちに話合いに応じることを強く求めるものである。
2023年5月10日、上記、決議する。
閉会の挨拶と行動提起・明治乳業争議支援共闘会議・諸井武志副議長(埼労連事務局次長)
【動画を視聴ください】
5・10総決起集会全編
【動画を視聴ください】
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます