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毎年3月下旬から5月上旬にかけての、いわゆる「年度末、年度始め」は、ぼくが一年間で最も忙しい時期です。
夜遅く家に帰って、ハチくんを散歩に連れて行って、ご飯を食べて(作る時間もないのでほぼスーパーの弁当と総菜)、風呂へ入って、1分でも多く疲れを取ろうとヨタヨタふとんに潜り込む。
そうしないと翌日は眠くてもたないのです。
楽器の練習の時間なんてありません。
気づけばベースもどんどんヘタになっている気がします。
仕事中も、トイレと事務連絡で席を離れる以外は、ずっとデスクにへばりつき。
ものの例えではなくて、メールや電話する時間すらないくらい切羽詰まっているのです。
土日も仕事へ行って、できることから片付けていかないと、まわりまわって自分のクビが締まってしまう。
それでもさすがに土日のどちらかは、昼過ぎか夕方前には切り上げますけれども。
本当にクタクタなっちゃいますから。
でも、クタクタになっても休んで寝込むわけにはいかないのです。
それでも今年は、休み前日の4月28日にようやく仕事の進み具合がひと段落しました。
やっと休める❣
連休の天気は、予報だと雨マークや雲マーク続きだったし、押し寄せて来た仕事の数々の締め切りのプレッシャーのせいで気分的にとても疲れていたので、今年のゴールデンウィークは引きこもって楽しく過ごそう、と決めていました。
ところが、案に相違して天気のいい日が続くではないですか。
春爛漫の明るい陽射しを感じていると、やっぱりどこかに行きたくなってしまうんですね。
なるほど、「日光を浴びることでセロトニンが分泌され、鬱状態が改善される」という日光と精神状態の関係はこういうことなんだなあ。
というわけで、一日はひとりでどこかに行こう、と決めました。
さて、どこへ行こう。
ひとがいなくて、
明るくて、
静かで、
景色がよくて、
清々しいところ、ないかなあ。。。
この人出の多い連休中に、そんなところあるだろうか。うーん。。。
と考えていた時にひらめいたのが、熊山遺跡です。
岡山県赤磐市にある熊山は、標高508m。
県南で一番高い山です。
その山頂には石を積み重ねて作られた、「熊山遺跡」があるのです。
同じ県南に住みながら、まだ熊山方面には行ったことがありませんし。
そうと決めたらさっそく出発です!
時は5月5日、出発は午前10時過ぎ。
陽射しは明るく、暑くもなく、爽やかなこどもの日です。
県道96号線から熊山橋を渡ります。
そのまま県道395線を吉井川沿いに東へ進み、右方向へ土手を降ります。
そのまま奥吉原の集落の中を走ると、熊山へ向かって上り坂になります。
山中の道は、舗装しているとはいえ、道幅はほぼ車幅。
木漏れ日が眩しくて、路肩がよく見えなかったりします。
こういう道を運転するのは好きなんですが、さすがにヒヤヒヤです。
途中、車を停めて少し歩いて上ってみました。
静かです。
ときおり山歩きの人に出会うくらい。
山頂には駐車場がありました。
みたところ20~30台は停められそうです。
着いた時に停まっていたのは10台くらいだったでしょうか。
思ったより少なくて、ちょっと安心しました。
静かな山の中では静かに過ごしたいなあ、という願いがあったものですから。
熊山遺跡に向かう途中には熊山神社がありました。
さっそく、きょうはこの地にお邪魔してます、と神さまに挨拶しました。
境内の中には、1336年(建武3年)に南朝の忠臣と讃えられている児島高徳が挙兵した時の、腰掛岩と旗立岩がありました。
山歩きの人もちらほら。
山の中では、自然な感じで「こんにちは」と声をかけてくださる方が多くて、さらに気持ちが潤った気がしました。
もちろんぼくからも「こんにちは」しましたよ
熊山神社から熊山遺跡に向けて歩いている途中に、天然記念物の「熊山天然杉二本」がありました。
樹高38メートル、幹の直径1.5メートル、幹の周囲4.5メートル、樹齢は約1000年だそうです。
熊山遺跡。
石積みの遺構で、全国にも例を見ないものだそうです。
構築されたのは奈良時代前期で、三段の石積の仏塔と考えられているそうです。
1200年以上もこの静かな山の中にひっそり佇んでいるんですね。
とてもミステリアスな遺跡です。
熊山展望台から南(吉井川、長船町方面)が眺められます。
帰路は、上ってきた道ではなく、南方面へ下ることにしました。
すると「大滝山郷土自然保護地域」(備前市大内)に行き当たりました。
車を停めてあたりを歩いてみました。
この福生寺は8世紀半ばに開山されたものです。
少し離れた上の方に見える三重塔は、足利義政の再興によるものだそうです。
山を下り終えると、備前市の香登駅の少し東へ出ました。
すぐに国道2号線に乗ることができたので、あとは慣れた道をのんびり帰りました。
帰宅したのが15時前。
ハチくんはお昼寝しながら留守番してくれてました。