ちょっとした勢いで、ポール・マッカートニーのベスト・アルバム『夢の翼 ~ヒッツ&ヒストリー(Wingspan)』を買ってみました。
ビートルズ解散以降のポールのヒット・ナンバー19曲と、ポール自身がセレクトした22曲の、2枚組CDです。
ビートルズ時代を含めて、ポールの作品は今までに何度も何度も繰り返して聴いてきたので、多少飽きがきたかもしれないと思っていたのに、こうして年月をおいて聴き返してみると、やっぱりカッコよく聴こえます。改めて、ポールの曲は素晴らしいものばかりだということを再認識しました。
『夢の翼 ~ヒッツ&ヒストリー』
(Wingspan Paul McCartney Hits And History)
言うまでもないことですが、ポールは本当に優れたメロディー・メイカーですね。彼の書くメロディー・ラインは、起伏に富んでいて、非常に美しいものばかりです。
そしてポールの作品には、聴き手が思わずハッとさせられるような、効果的な「仕掛け」が多いですね。曲の中にシャレっ気と遊び心にあふれているのがよく分かります。サービス精神旺盛なポールのことですから、リスナーを思い切り楽しませようとしてくれていることの表れなのかもしれません。
ぼくは、ポールの作曲能力は、20世紀に現れたポピュラー音楽界の数多い作曲者の中でも10指に入るんではなかろうか、なんて勝手に思っているのです。
バラードには、品の良いほどよい甘さと、センチメンタルなムードが湛えられています。
ハードな曲では、R&RやR&Bをルーツとしているのがよく分かるノリの良さがあります。
アコースティックなフォーク調の曲では、ほんのりとした温かみがあります。
また、曲にクラシカルな味付けを施すこともしばしばです。
そして、これだけ多様な曲を書いても、「ポールの色」が損なわれることはありません。
ベーシストとしては、メロディックなベース・ランニングとノリのいいプレイには定評のあるところだし、ベース以外にも、ギター、ドラムス、ピアノなどをこなして、マルチ・プレーヤーぶりを発揮しています。
また、ヴォーカリストとしても超一流ですね。
甘いバラードからヘヴィなハード・ロック、ブルージーなナンバーまで幅広く歌い上げています。とくにぼくが好きなのは、ビートルズ時代の「オー!ダーリン」です。この曲の物凄いシャウトで、ぼくは「ヴォーカリスト・ポール」のファンになってしまったんです。
成功を手中に収めても、それに固執して保守的になってしまうことはなく、いつも新しいスタイル、新しいツールを積極的に取り入れようとしてみる貪欲さも伺えます。好奇心が旺盛で、つねにクリエイティヴなのでしょうね。
ポールの作品の根底には、聴き手を明るく、ハッピーにさせる何かがいつも流れているような気がします。聴いているうちに、部屋がポカポカと暖かくなってくるような錯覚に陥るほどです。
ぼくの好きなポールの作品は、ビートルズ時代は別にすると、
「あの娘におせっかい」、「レット・ミー・ロール・イット」、「グッドナイト・トゥナイト」、「バンド・オン・ザ・ラン」、「ジェット」、「ハイ・ハイ・ハイ」、「ヴィーナス&マース~ロックショウ」、「メイビー・アイム・アメイズド」・・・、きりがないですね。(^^;)
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