ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

祝4周年!

2009年05月27日 | Weblog~雑記
 
 5月になってからまたもや記事の更新頻度が下がってきてたんですけれど、どうにかこうにか5月26日を迎えることができました。
 そう、この日をもって即ちブログを開設してから丸4周年が経ち、5年目に突入するんですね~ これもひとえに訪ねてくださる皆様のお陰です。どうもありがとうございます(^^)


 記事を書く気力がなくなってちょいちょい間が途切れることはありましたが、その間もひたすら音楽だけは聴いてました。
 また、自分が感じたことを記事にするだけではなくて、親しくさせていただいているブログにお邪魔してコメントのやりとりをするのも大きな楽しみのひとつですよね~


 拙い記事の連続ですが、毎日のようにここを開いて下さっている皆様には感謝感激雨あられ、です~
 ぜひ今後も変わらず遊びに寄って欲しいと思います。あ、もちろんこちらからもお邪魔させて頂きますのでどうぞよろしくお願いいたします~(^^)


 ひとまずは来年のこの時期に「祝!5周年」の挨拶記事を書くのが大きな目標となっております。今後とも皆様あっての当ブログですので、どうぞ今まで通りにご贔屓によろしくお願いいたします~(^^)



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グレン・ミラー物語 (The Glenn Miller Story)

2009年05月20日 | 映画
 
 ぼくがグレン・ミラー・オーケストラを聴きに行ったのは高校時代でした。もちろんその頃はすでにグレン・ミラーはこの世にはおらず、後進がバンドをまとめて積極的に活動していました。いわば「若手の登竜門」的な存在のバンドになっていたように思います。
 題名は知らなくとも、聴いたことのあるナンバーがたくさん出てきて、とても満足して家路についたのを覚えています。
 それから何年かして、映画「グレン・ミラー物語」の存在を知ったのでした。

■グレン・ミラー物語 (The Glenn Miller Story)
 監督…アンソニー・マン
 音楽…グレン・ミラー
 編曲…ヘンリー・マンシーニ
 公開…1954年
 出演
  ☆ジェームス・スチュワート(グレン・ミラー)
  ☆ジューン・アリスン(ヘレン・ミラー)
  ☆ヘンリー・モーガン(チャミィ)
  ☆チャールズ・ドレイク(ドン・ヘイネス)
  ☆シグ・ルーマン(質屋のオーナー)
  ☆ジョージ・トビアス(シュリブマン)
  ☆ハートン・マクレーン(アーノルド将軍)
  ☆ルイ・アームストロング
  ☆ジーン・クルーパ   
  ☆グレン・ミラー・オーケストラ   etc・・・

*以下はネタバレが含まれています*

 物語はグレンが不遇の時代から始まります。グレンは大事なトロンボーンを質屋に預けては糊口をしのぐ、という生活を送っていたのですが、そんな時期に大学の同窓生であるヘレンに唐突とも言えるプロポーズを行い、見事に花嫁と幸せな生活をスタートさせます。このへんの強引さも一途なグレンの人柄を表しているようで、とても興味深かったですね。この頃からグレンは、個性を持った独自のサウンドを追求しようと躍起になっています。


     
     ジェームス・スチュワート


 安定したショウバンドの伴奏者としての職を得てからのグレンは現状に満足しますが、妻ヘレンは音楽の勉強に時間を割くことを強く勧めます。また、初代グレン・ミラー・バンドの設立費用を内緒で貯め込んであったり、グレンにさまざまなアドバイスを送ったりして、「個性の際立ったグレン・ミラー・バンドの設立」に向けて夫を励まします。まさに内助の功があってのグレン・ミラーだったわけですね。ある意味夫唱婦随といった感じも受けますが、決してヘレンは陰の存在ではなく、積極的にグレンに協力しているのが清清しい感じを受けます。いつもニコニコしているヘレン、女性としての魅力にもあふれていると思います。


 グレンが習作として作った「ムーンライト・セレナーデ」を自己のアレンジで大ヒットさせたのを皮切りに、彼は次々とヒットを飛ばします。ヘレンを強引にニューヨークへ連れて来たときに教えた自分の電話番号「ペンシルヴェニア6-5000」をモチーフにした曲を発表するシーン、不遇時代にはイミテーションしかあげられなかった「真珠の首飾り」の本物を誕生祝いにプレゼントするシーン、ヘレンが昔から愛聴していた「茶色の小瓶」をアレンジするなど、過去のシーンを仕掛けとして散りばめて置き、のちにその曲たちを劇中で披露するなど、演出の工夫が見られますね。


 派手なシーンこそありませんが、自分の音楽に賭けるひとりの人間の努力と執念が窺える秀作ではないかと思っています。


 古き良き時代の、アメリカン・ドリームを実現したグレンの成功物語、とも言うことができるでしょうが、やはりここは、個性的な自己のサウンドを目指してついにはそれを確立するグレンの苦心の物語と見たほうがしっくりくると思いますね。またヘレンとグレンとの夫婦愛も見逃すことができないポイントだと思います。


 第二次世界大戦が始まると、グレンは志願して陸軍の音楽隊に大尉(のち少佐)として入隊します。ところが行軍訓練中に音楽をありきたりの退屈なマーチから急遽「セントルイス・ブルース・マーチ」に変更、直上官の大目玉を食らいますが、アーノルド将軍からは認められ、グレン自身は楽団を組んで慰問に出かけることを提案、快く受け入れられます。


 前線では、空襲中にひるむことなく「イン・ザ・ムード」を演奏し続けて大喝采を浴びるシーンなどが印象深かったですね。


 1944年の12月、グレンはクリスマスの特別放送のためパリに飛びますが、その途中ドーバー海峡で遭難、行方不明になります。同月18日には公式に戦死と発表れました。
 ラスト・シーンはそのパリからの特別放送を聴いているヘレン、やチャミィ、シュリブマンの旧友たちですが、オープニングの「ムーンライト・セレナーデ」に続いて、あの思い出深い「茶色の小瓶」が流れるところなど、グレンの想い出にひたるヘレンの悲しみがよく伝わってきました。


     
     ジューン・アリスン


 楽団の個性を大切にしていたグレンの音楽はこれからも生き延びるだろう、とチャミィやシュリブマンはヘレンを勇気づけます。そしてその言葉通り、グレンの音楽はこの21世紀でも愛され続けているんですね。
 結末は悲しいですが、将来の夢を忘れない、前向きなセリフも心に残りました。
 ジャズ好きな人、1950年代の健康的なアメリカ映画が好きな人にはお勧めしたい作品だと思います。



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ジャズ・イン・ザ・ガーデン (Jazz In The Garden)

2009年05月08日 | 名盤


 通販の広告で見た一枚の写真。
 あの人気ピアニスト、上原ひろみの文字が大々的に踊っているが、実質のボスはあの超絶ベーシストであるスタンリー・クラークではないですか!
 ろくに広告コピーも読まず、ポチッとクリックしてしまいました。なにしろドラムがレニー・ホワイトという超大型ピアノ・トリオなんですから。


     


 上原ひろみ個人の音楽は、純ジャズというよりも、プログレッシヴだったり、ロックに近かったりするイメージがあります。スタンリーとレニーはチック・コリアの「リターン・トゥ・フォーエヴァー」というフュージョン・グループに参加していたということから、このアルバムは「リターン・トゥ・フォーエヴァー」や、上原のバンド「ソニック・ブルーム」の延長線上にあるものだと予想していたのです。
 
 
 ところがいざ聴いてみると、ストレート・アヘッドのジャズも多く含まれていて、なかなかバランスのよい好アルバムだと思ったのが正直な感想です。
 上原は相変わらず軽快に跳ねているような印象で、ブチ切れた姿も垣間見えるが、おおむねスタンリーの楽想に添った、ある意味スタンリーのサイドマンに徹している部分も多いと思います。彼女がリーダーの時のエキセントリックな演奏も良いけれど、サイドマンとしての上原にも一聴の価値があるように思います。逆に、そんなブチ切れたひろみ嬢の音楽にもスタンリーは期待していたのかもしれませんね。


 対するスタンリーは、なんとこれが生涯初のフル・アコースティック・ベース・レコードだということですが、もともとの原点はやはりバップにあるのではないでしょうか。やや硬質ながらも伸びのあるベースは相変わらずスタンリーらしい。曲調を優先させているためか、ベースが弾きまくるスペースは限られていますが、それでもあくまで三人で音楽を作り上げていこう、という姿勢がそこかしこに見受けられるようです。


     
     
 
 
 このふたりのそれぞれのスペースでのはっきりした自己評価をニコニコしながら温かく包み込んでくれているようなのがレニー・ホワイトのドラムではないでしょうか。
 メンバーがそれぞれ卓越したテクニックで弾き倒す人ばかりなので、三者三様の壮絶なバトルが繰り広げられることと思いきや、案に相違してゆとりのある演奏で、三人で独特の空間を作り上げた、しごくまっとうなジャズ・アルバムだという気がしました。


 「テイク・ザ・コルトレーン」「スリー・ロング・ノーツ」「アイソトープ」「ソーラー」など、バップ系の曲ではスタンリーの原点回帰が見られます。とくに「スリー・ロング・ノーツ」はバードの「コンファーメイション」を思い起こされるものだったし、「ソーラー」はとてもホットで、このあたりは聴いてても楽しかったですよ~
 スタンダードの「いつか王子さまが」は、スローなワルツとルバートの境目あたりでのベースとピアノとのデリケートなインタープレイが魅力です。
 上原ひろみも選曲からしてはっきり自己主張をしているようで、オリジナルの美しい「シシリアン・ブルー」のほか、「ソーラー」、「アンダー・ザ・ブリッジ」を提供しているほか、スタンリーとの即興曲「グローバル・トゥイーク」などにも参加しています。日本のトラディショナル・ソングである「さくらさくら」などもひろみ嬢の提案なのでしょうか。
 
 
     
 
 
 ベーシストとしての腕を存分に振るっているのはドラムとのデュオ「テイク・ザ・コルトレーン」に、ソロで演奏した「ベース・フォーク・ソングNo.5&6」ですね。自由なスタンリーの世界が広がっていて、一種の爽快感を覚えます。


 それぞれがかなり高水準での演奏なのですが、それが鼻につくこともなく、むしろ確固たるテクニックを背景にして歌い上げる、ゆとりのある演奏だという気がします。


 選曲は、スタンリーの作曲が3曲、日本のトラディショナル1曲、上原の作曲が2曲、デューク・エリントンが1曲、ジョー・ヘンダーソンが1曲、マイルス・ディヴィスが1曲、スタンダードが1曲、スタンリーと上原の共作が1曲、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのカヴァーが1曲、レニーの作曲が1曲、の計13曲です。スタンリーのアルバムながら、彼自身の選曲では固めてなくて、上原の可能性にも期待していることが窺えますし、またそれに応えている上原の力量も素晴らしいのではないでしょうか。


     


◆ジャズ・イン・ザ・ガーデン/Jazz In The Garden
  ■演奏
   スタンリー・クラーク・トリオ ウィズ・上原ひろみ & レニー・ホワイト/Stanley Clarke Trio With Hiromi & Lenny White
    スタンリー・クラーク/Stanley Clarke (acoustic-bass)
    上原ひろみ/Hiromi (piano)
    レニー・ホワイト/Lenny White (drums)
  ■プロデュース
    スタンリー・クラーク & デイヴ・ラヴ/Stanley Clarke Dave Love
  ■録音
    2008年12月13、14日  マッド・ハッター・スタジオ (カリフォルニア州ロサンゼルス)
  ■リリース
    アメリカ2009年6月29日  イギリス2009年5月12日  日本2009年4月15日
  ■収録曲
    ① パラダイム・シフト/Paradigm Shift <Election Day 2008> (Clarke)
    ② さくらさくら/Sakura Sakura (Traditional Japanese Folk Song)
    ③ シシリアン・ブルー/Sicilian Blue (Hiromi)
    ④ テイク・ザ・コルトレーン/Take The Coltrane (Duke Ellington)
    ⑤ スリー・ロング・ノーツ/3 Wrong Notes (Clarke)
    ⑥ いつか王子様が/Someday My Prince Will Come (Frank Churchill, Larry Morey)
    ⑦ アイソトープ/Isotope (Joe Henderson)
    ⑧ ベース・フォーク・ソング No.5 & 6/Bass Folk Song No.5 & 6 (Clarke)
    ⑨ グローバル・トゥイーク/Global Tweak <Improvised Duet> (Clarke & Hiromi)
    ⑩ ソーラー/Solar (Miles Davis)
    ⑪ ブレイン・トレーニング/Brain Training (Hiromi)
    ⑫ アンダー・ザ・ブリッジ/Under The Bridge (Michael Balzary, Anthony Kiedis, Chad Smith & John Frusciante)
    ⑬ エルズ・バップ/L's Bop (White)
  ■チャート最高位
    2009年週間チャート  
     アメリカ(ビルボード)・コンテンポラリー・ジャズ・アルバム・チャート5位
     アメリカ(ビルボード)・ジャズ・アルバム・チャート12位
     日本(オリコン)23位



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ラプソディー (Rhapsody)

2009年05月03日 | 名盤

 
 昨日のニュースで「ボス」こと忌野清志郎さんの訃報を知りました。
 ある過去の体験から、生あるものの寿命は必ず尽きる、とあきらめているのですが、そうは言っても人ひとりが亡くなることはとてもとても寂しいものです。
 実は普段はこのブログには、なるべく逝去のニュースは書かないようにしているのです。音楽に関連した訃報ならどの方も平等に扱いたいのですが、そうするとこのブログは「訃報ブログ」になってしまいかねないからなのです。ですから、それぞれ心の中でお別れさせて頂いているのですが、「ボス」に関してはその病との闘いぶりと持ち前の反骨精神に敬意を表し、ひとつの時代が終わったと思えることから、追悼の意を込めて過去記事を再録してみます。


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 1978年から80年頃にかけてメンバーを入れ替えたRCサクセションは、ロック・バンドとして再生しました。ロック・バンドたるRCサクセションの実質的なデビュー・アルバムが、この「ラプソディー」です。
 「ラプソディー」、辞書を引いてみると、『形式にとらわれない、はでな器楽曲』とあります。まさにこのアルバムにピッタリの言葉ではないでしょうか。


 チャボこと仲井戸麗市が加わった1978年頃から、RCサクセションはライヴ・ハウスなどで人気を高めてゆきます。80年1月には、渋谷のライヴ・ハウス「屋根裏」でのギグを4日間にわたって満員にし、大成功を収めました。
 そして迎えたのが、1980年4月5日、東京・九段の久保講堂での、このライヴです。
 当時のRCサクセションは、なぜかレコーディングではおとなしくまとまってしまっていたため、何とかライヴ時の迫力が伝わらないものか・・・と考えた結果、ライヴを収録してそれをレコードにしよう、ということになったんだそうです。


     


 「ラプソディー」は、『日本ロック史上最高のライヴ・アルバムを選べ』と言われると、真っ先にその名が出てくるもののひとつだと思います。ライヴ盤がスタジオ盤を超えた数少ないアルバムとも言っていいでしょう。とにかく、一番ハジけていた時の彼らの姿が垣間見えるんです。メンバーのふてぶてしい面構えが見られるジャケット写真もカッコいい。
 オープニングで観衆をあおる清志郎、のっけからエンジン全開です。1曲目の「よォーこそ」ですぐ音の渦の中に引きずり込まれます。最高のウェルカム・ソングですよ、これ。


     


 ソウルとブルーズとが絶妙にブレンドされた骨太のロックが飛び出してきます。RCサクセションはまさに「KING OF ROCK」。
 R&Bの洗礼を受けている清志郎の音楽観と、従来のJ-ポップ(ニュー・ミュージック)の概念から逸脱した反骨精神旺盛で率直な歌詞が気持ちいい。ギラギラした輝きを持つこのバンドの精神、ロックンロールでパンクですね。
 ソウルフルなボス・清志郎の圧倒的な存在感は、例えていうならミック・ジャガーとか、御大JBらを彷彿とさせるものがあります。


 当時、「最強のライヴ・バンド」と言われていただけあって、スタジオで加工されていることを割り引いても、素晴らしく臨場感のあるアルバムに仕上がっています。
 バックの演奏は堅実で、ホットで、非常にパワフルです。不良っぽくて、エネルギッシュ。ローリング・ストーンズを思わせるところがありますね。サポートの小川銀次の驚異的テクニックのギターと、サックスの梅津和時の少々エキセントリックなサックスがバンド・サウンドに大きく貢献しています。


     


 全9曲、どれもステキです。中でもぼくのお気に入りは「よォーこそ」、ピーター・ガンに似たイントロを持つ「ボスしけてるぜ」、「雨上がりの夜空に」、そして清志郎が奥さんとのことを唄った曲「ラプソディー」です。~バンドマン歌ってよ/バンドマン今夜もまた/ふたりのためのラプソディー~という一節、泣けますね。


     
     『ラプソディー・ネイキッド』


 最近、このライヴの未発表9曲とDVDがついた「ラプソディー・ネイキッド」が発売されて好評を呼んでいるようです。MCまで含めた、このライヴの全貌を聴くことができますよ。


◆ラプソディー/Rhapsody
  ■歌・演奏
    RCサクセション/RC Succession
  ■リリース
    1980年6月5日
  ■録音
    1980年4月5日(東京 久保講堂)
  ■収録曲
  ■録音メンバー
   [RCサクセション]
    忌野清志郎(vocal)
    仲井戸麗市(guitar, vocal)
    小林和生(bass)
    GONTA-Ⅱ(keyboards)
    新井田耕造(drums)
   [Guest Musicians]
    小川銀次(guitar)
    梅津和時(sax)
  ■チャート最高位
    1980年週間アルバム・チャート オリコン47位



RCサクセション 「よォーこそ」

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