ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

バック・トゥ・ザ・フューチャー (Back To The Future)

2005年10月31日 | 映画


 これ、もう掛け値なしに面白い
 最初に見た時からこの作品のファンです
 ストーリーにも、登場人物にも、めっちゃ親近感を覚えてしまいました。


 
 ドク(左)とマーティ


 大ヒットした作品なので、ご存知の方も多いでしょうね。
 高校生のマーティは、友人である科学者のドクが作ったタイム・マシーンで1985年から1955年の世界へ行くハメになってしまいます。そこで自分の両親になるはずのロレインとジョージに出会いますが、はからずもマーティはふたりの出会いを邪魔してしまい、さらに困ったことに、ロレインはマーティに恋してしまうのです。
 このままではロレインとジョージは結ばれず、そうなると未来の世界に自分は出現しないことになってしまうので、なんとかロレインとジョージを結び付けようと悪戦苦闘しながら、1955年のドクの協力で未来に戻る方法を見つけようとするのです。

 
 ジェニファー(左)とマーティ


 出演者をはじめ、スタッフのみんなが遊び心たっぷりに楽しみながら作ったような雰囲気がいいですね~。
 タイムマシーンを扱う作品は、パラドックスの処理に頭を痛めるところでしょうけれど、この映画は、少々の矛盾なんかどうでもいいと思えるくらい面白かった!
 浮世離れした科学者ドクのトボケた味や、内気なジョージ、乱暴者だけどどこかぬけているビフなど、脇役のキャラクター設定もなんともいえずハマってますね。


 
 ビフとその子分たち 左から マッチ、ビフ、スキンヘッド、3-D


 
 左から スキンヘッド、マーティ、ビフ、マッチ、ジョージ、3-D


 ストーリーの展開がテンポよく計算され尽くしている感があるので、とても小気味よく、わかりやすいです。
 それとなく張り巡らされている伏線が後半になって回収されていくときの気持ち良さときたら
 画面から伝わる雰囲気が明るいのも、観ているうちに自分の気持ちがオープンになっている理由です。
 また、「大根役者のレーガン」がのちの大統領になると聞いた時の反応、ヴァン・ヘイレンの曲を異星人の操る武器に見立てたところなどなど、小さなギャグが満載なのも楽しい。


 
 ジョージ(左)とロレイン


 主題歌「パワー・オブ・ラヴ」を歌っているのはヒューイ・ルイス。
 この曲の大ヒット(全米1位)で、彼とそのバンド「ザ・ニュース」は世界的な大ブレイクを果たします。
 ちなみにヒューイは、冒頭のオーディションの場面で審査員役としてカメオ出演もしています。


 音楽好きのぼくにとっては、後半のダンス・パーティの場面は目を離せないところです。「ジョニー・B・グッド」を演奏するマイケル・J・フォックスの、まるで実際に弾いているかのような熱演ぶり、お見事です!
 これはチャック・ベリー、ジミ・ヘンドリックス、エドワード・ヴァン・ヘイレンなどの、歴代の名ギタリストの演奏ぶりのオマージュにもなっているところがニクいですね~。


 


 手をケガしてギターを弾けなくなっているメンバーのひとりが、マーティの演奏に興奮していとこに電話をします。
 「おまえ新しいサウンドを求めてただろ?こいつを聴けよ!」と。
 そのいとこというのが、なんとロックン・ロールの元祖であるチャック・ベリーだった、という設定にはウケました。もう降参、って感じです。
 ちなみに、チャック・ベリーのトレード・マークともなった内股(ダック・ウォーク)での演奏、そもそもあれはブルース・ギタリストのTボーン・ウォーカーが始めたとか、あまりの熱演でチャック・ベリーのベルトが切れてしまい、ズボンがずり落ちないようにするための苦肉の策だった、などの説があるそうです。


 


 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」はパート3まで製作されましたが、数年前には「パート4が制作される」という噂が飛び交ったこともあったようです。
 現在マイケル・J・フォックスは難病と闘いながら著述活動などを行っているようですね。
 彼が再び本格的な俳優活動ができるよう祈っています。


◆バック・トゥ・ザ・フューチャー/Back to the Future  1985年アメリカ映画
  ■公開
    アメリカ1985年 日本1985年
  ■配給
    UIP
  ■監督
    ロバート・ゼメキス
  ■脚本
    ロバート・ゼメキス、ボブ・ゲイル
  ■製作総指揮
    スティーヴン・スピルバーグ、キャスリーン・ケネディ、フランク・マーシャル
  ■音楽
    アラン・シルヴェストリ
  ■主題歌
    「The Power of Love」 ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース
  ■撮影
    ディーン・カンディ
  ■出演
    マイケル・J・フォックス (マーティ・マクフライ)
    クリストファー・ロイド (エメット・"ドク"・ブラウン博士)
    トーマス・F・ウィルソン (ビフ・タネン)
    リー・トンプソン (ロレイン・ベインズ・マクフライ)
    クリスピン・グローヴァー (ジョージ・マクフライ)
    クローディア・ウェルズ (ジェニファー・パーカー)
    ジェームズ・トールカン (ジェラルド・ストリックランド先生)
    ウェンディ・ジョー・スパーバー (リンダ・マクフライ)
    マーク・マクルーア (デヴィッド・マクフライ)
    J・J・コーエン (スキンヘッド)
    ケイシー・シーマツコ (3-D)
    ビリー・ゼイン (マッチ)
    ドナルド・フュリラブ (ゴールディーが働くカフェの主人ゴールディ・ウィルソン)
    ノーマン・アルデン (ルー・カルザース)
    ジョージ・ディセンゾ (サム・ベインズ)
    フランシス・リー・マッケイン (ステラ・ベインズ)
    ハリー・ウォーターズ・Jr (チャック・ベリーのいとこ、マーヴィン・ベリー)
    ウィル・ヘア (農場の持ち主オーティス・ピーボディ)
    ヒューイ・ルイス (審査員の教師)
                     ほか
  ■上映時間
    116分

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「初心」

2005年10月30日 | 自分のライブで
♪六甲ライナーの先頭車両から見る景色。運転席がないので前がよく見えます。神戸には何十回も行っていますが、これには初めて乗りました



 今日は神戸市の六甲アイランドにある、「アートカレッジ神戸」の学園祭へ行ってきました。


     
      賑わってます。


 たこ焼き、喫茶、焼きおにぎりなど、いろんな種類の出店や、フリー・マーケットなどでたいへん賑わっていました。美術系の学科があるだけに、ペイントしてオブジェ風に飾ってあった車などにも目を引かれました。人・人・人でごった返す中を歩いているだけで、学生時代に戻ったような気分です。


     
      ペイントされた車。カラフル!


 といっても、きょうこの学園祭に来た目的は、ボーカル科の学生たちが作ったオリジナル曲の伴奏をするためなのでした。
 みんなとても明るくて元気が良い。さすがに青春の真っ只中にいるだけのことはあります。それに素直でカワイイんですよ~ 
 バンドは、最近ご一緒させて頂くことの多いギタリストのryoさんが中心となっています。ぼくはひそかにryoさんのギターのファンなんですが、今回は彼のアレンジのセンスの良さにも感服させられました。


 これが最後の学園祭となる人もいるので、伴奏するこちらも気合いが入ります。今日のステージをみんなの楽しい思い出にしてもらえるように。
 気後れなどせず、みんな全力を尽くして歌っていました。そういうステージって、すがすがしいものがありますね。ボーカル科で学んでいるだけあって、表現もしっかりしていましたし。
 歌っている姿を、伴奏しながら見ていると、「初心」という言葉が頭をよぎります。「あ~、自分もこんな時があったんだ」・・・


     


 確かに、今日歌ったみんなは、まだキャリアも浅いし、発展途上かもしれません。伴奏したぼくらは、彼ら・彼女らからすると、彼ら以上の経験とか技術などがあるように見えたかもしれません。でも、逆にぼくから彼らを見ても、今のぼくにはないもの、忘れかけているものがあるような気がしたんです。それが、「初心」や、「がむしゃらな気持ち」です。


     
      みんなハツラツとしてました。


 自分たちのそれぞれの思いを込めて歌を作り、ステージの上で「今の自分」を出し切ることだけに集中しているその姿、ほほえましくもあり、うらやましくもありました。
 今の自分は、年齢を重ねていろんな物が見えるようになっている反面、純粋に何かを追いかけることを忘れてるな~、なんてことを考えたりしました。
 自分から発するエネルギーが小さくなったり、迷路に入り込んだような気がしている時こそ、「初心に戻る」べきなんですよね。


 そういうことを考えさせてくれただけでも、今日伴奏した甲斐があった、というものです。一生懸命歌っていた皆さん、感謝いたします。


     
      六甲ライナーから見た六甲アイランド大橋。


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小林万里子ライヴ

2005年10月29日 | 自分のライブで
          ♪小林万里子(左:vocal)&鷲尾悠持郎(右:guitar)



 今夜は箕面市在住のシンガー・小林万里子さんの岡山ライブに、サポート・メンバーとして参加してきました。


 ジャニス・ジョプリンに心酔している、と言う小林さんは、カルト的なブルース・シンガーとして、地元関西のライブ・ハウスを中心に活動を続けています。
 小林さんのメジャー・デビューは、あの杏里さんとほぼ同期だそうです。


     


 強烈なメッセージをギャグでくるんだ過激なオリジナル曲を、良きパートナーである鷲尾悠持郎さんの朴訥で温かいギターにのせて歌い、叫ぶ小林さんのステージ、限りなく熱いです。
 社会の偽善にキツい突っ込みを入れ、権力や有名人をものの見事にぶった切った歌詞は抱腹絶倒、客席を笑いのウズに巻き込みます。


 バックを務めるのはサックスの赤田晃一さん、ドラムスの竹本洋朗さん。
 赤田さんは、岡山を拠点として、サックスによるフリー・インプロヴィゼイションなど、独自の世界を展開している素晴らしいサックス奏者です。


 ステージでは、予想どおり熱く、濃い世界が繰り広げられました。
 ジャズのスタンダード・ナンバーをブルージーに歌い、雰囲気を盛り上げてから繰り出す、強烈な「ネタ」を散りばめたオリジナル曲の数々。ぼくも弾きながらウケるやら、噴き出しそうになるやら。
 曲と曲の間のしゃべりがまた関西風味全開で、とってもオモロイ!


     
      鷲尾悠持郎(左:guitar)&赤田晃一(右:sax)


 過激なステージとは正反対に、おふたりともとても気さくで温かい人柄です。音楽に打ち込んでいる姿にも頭が下がります。個人的に、ぼくはふたりのファンでもあるんです。


 小林万里子&鷲尾悠持郎さんのライブ、もしお近くで開かれているようでしたら、ぜひ一度覗いて、小林ワールドを体験して見てください。 


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プロ野球の健全な発展とは

2005年10月28日 | 随想録

♪なにはともあれ、ロッテの優勝、見事でした。31年は長かったでしょうね。


日本シリーズが終わると、野球シーズンの終わりを感じます。
今年はロッテが31年ぶりに優勝、
日本シリーズでもわがタイガースを一方的に蹴散らして、日本一となりました。
バレンタイン監督の手腕、これは見事というほかはありません。
前回の来日の時も、低迷続きだったチームを即2位に躍進させましたから。
もちろん監督の采配に応えた選手たちも称えられるべきでしょうね。
とくに西岡、今江両選手のハツラツとした活躍、素晴らしかったです。


昨年の近鉄解散騒動から変革が叫ばれているようですが、
どうも球界の理念がまだ見えてきません。
球団は親会社のためにあるのか、またはファンのためにあるのか。
「偉い人」たちは、球界の発展とは何を意味することと捉えているのか。


例えば、プレーオフなどという制度、
これは長いペナント・レースを無意味にしかねないものだと思うのですが、
どうなんでしょうね。
山場のないペナント・レースを危惧するむきもあるのでしょうが、
そういう年があるのはもう仕方のないことで、
なるべく一方的なシーズンにならないよう、
戦力の均衡を図る目的のドラフト会議があるわけですから。


最近の、株の売買と球団経営のからんだ話を見聞きすると、
経営者側・出資者側には、
ほんとうに野球が好きで、球界の健全な発展を願う人がいるのかどうか
心配になってきます。
(もちろん少数ながらそういう方はいらっしゃるようですけれどね)


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オペラ座の夜 (A Night At The Opera)

2005年10月27日 | 名盤


  今、クイーンが20年ぶりに来日公演を行っていますね。
 といっても、ボーカルは、若くして亡くなったフレディ・マーキュリーの代わりとしてポール・ロジャース(元バッド・カンパニーetc)が参加しています。
 このニュースを知ったあとで、ちょっと聴いてみたくなってCD棚から出してきたのが、「オペラ座の夜」です。


 ぼくがクィーンをはじめて聴いたのは中学生の頃でした。友達が「キラー・クィーン」を聴かせてくれたのがそもそもの始まりだったんです。そして、その曲が入っているアルバム「シアー・ハート・アタック」を借りて聴きました。1曲目の「ブライトン・ロック」で繰り広げられるブライアン・メイのギター、ホレボレしてしまいました。
 それで買いに行ったのが、「オペラ座の夜」です。



     

 よく言われていることですが、「ボヘミアン・ラプソディ」などで聴かれるクラシカルで重厚なコーラスにはビックリしました。ロックを聴いていてそんな音に出会うとは思っていませんでしたから。もうこれですっかりクイーンにマイってしまったわけです。





 「スウィート・レディ」などで聴くことのできるブライアン・メイのギター、ワイルドでありながら、ただ弾きまくるだけのものではなく、非常にメロディックです。いろんなロック・ギターを聴きましたが、今考えても、ブライアンのギターは非常に美しく、個性的だと思います。





 曲調も多彩で、ヘヴィーな「デス・オン・トゥ・レッグス」「アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー」、ポップな「マイ・ベスト・フレンド」「'39」、美しいバラードの「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」、ボードビル調の「うつろな日曜日」などなど、とてもバラエティに富んだラインナップになっています。





 よく考えると、もう30年も前の作品なんですが、「クイーンのカラー」、しっかりと伝わってきますし、何よりいまだにみずみずしく聴こえてくるのです。
 今さらながらですが、本当に素晴らしいグループだったんですね~。



 
 
 
       
◆オペラ座の夜/

  ■歌・演奏
    クイーン/Queen
  ■リリース
    イギリス1975年11月21日、アメリカ1975年12月2日
  ■プロデュース 
    ロイ・トーマス・ベーカー & クイーン/Roy Thomas Baker & Queen
  ■収録曲
   Side-A
   ① デス・オン・トゥー・レッグス/Death On Two Legs (Dedicated To…) (composer:Mercury, vocal:Mercury)
   ② うつろな日曜日/Lazing On A Sunday Afternoon (composer:Mercury, vocal:Mercury)
   ③ アイム・イン・ラヴ・ウイズ・マイ・カー/I'm In Love With My Car (composer:Taylor, vocal:Taylor)
   ④ マイ・ベスト・フレンド/You're My Best Friend (composer:Deacon, vocal:Mercury)
   ⑤ '39/'39 (composer:May, vocal:May)
   ⑥ スウィート・レイディ/Sweet Lady (composer:May, vocal:Mercury)
   ⑦ シーサイド・ランデヴー/Seaside Rendezvous (composer:Mercury, vocal:Mercury)
   Side-B
   ⑧ 予言者の歌/The Prophet's Song (composer:May, vocal:Mercury)
   ⑨ ラヴ・オブ・マイ・ライフ/Love Of My Life (composer:Mercury, vocal:Mercury)
   ⑩ グッド・カンパニー/Good Company (composer:May, vocal:May)
   ⑪ ボヘミアン・ラプソディ/Bohemian Rhapsody (composer:Mercury, vocal:Mercury)
   ⑫ ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン/God Save The Queen (Trad. Arr:May)
  ■録音メンバー
    フレディ・マーキュリー/Freddie Mercury (piano, lead-vocal①②④⑥⑦⑧⑨⑪, backing-vocals, operatic-vocals⑪)
    ブライアン・メイ/Brian May (electric-guitar, acoustic-guitar, koto⑧, harp⑨, ukelele⑩, lead-vocal⑤⑩, backing-vocals, operatic-vocals⑪)
    ジョン・ディーコン/John Deacon (electric-bass, double-bass①⑤, electric-piano④)
    ロジャー・テイラー/Roger Taylor (drums, percussion, electric-guitar③, lead-vocals③, backing-vocals, operatic-vocals⑪)
  ■チャート最高位   
    1976年週間チャート  アメリカ(ビルボード)4位(1976年4月4日)、イギリス1位(9週連続1位)、日本(オリコン)9位
    1976年年間チャート  アメリカ(ビルボード)8位、イギリス12位、日本(オリコン)22位   



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宿泊先で読む本には気をつけねば・・・

2005年10月26日 | 随想録

♪今日の昼は、またもや「四ツ橋駅」付近のカレーの店、「ラクシュミ」。またもや内臓から火を吐きました。でもまた行きたくなるのです。


 昨夜は大阪泊りでした。
 いったん宿に着いたあとで、近くの本屋さんに行き、ブラブラしながらその夜読む本を決めるのが好きなんです。


 きのうの夕方も、早めに夕食を済ませたあとでブラリと本屋さんに寄ってみました。
 目にとまったのが、「嫌煙権は煙草の害を説いているものではなくて、差別が別な形で現れている場合がある」という趣旨の本です。少し立ち読みしてみたんですが、害があるから喫煙に反対するのではなくて、何らかの差別できる対象を見つけたいために嫌煙権を主張している、と説いてあるところは結構同意できるものでした。(ちなみにぼくは煙草をやめて10ヶ月たちます)
 興味をそそられたんですが、きのうはあまり頭を使わないものが読みたい気分だったのでパス。


 次に目にとまったのが平山夢明氏の書いた怪談集。テンポがよくて、表現は少々グロテスクではあるけれど、怖さということにかけては群を抜いていると思っているので、買おう、と思いました。
 思ったところで、ハタ、と本を取る手が止まります。
 よくそういう本に出ているのが、ホテルにまつわる怪談。8階や9階の部屋の外から誰かが覗いていた、とか、ふと気づくとベッドの下から手が覗いていた、とか、凄い形相の女性がドアのところから迫ってきた、とか・・・ 
 あ~あ、ホテルに泊るっていうのになんでそんな話を思いだしてしまったのかな~
 

 いっぺんに怖くなったので、その本は買わずに(怖いもの見たさで欲しかったんですけどね)、宿に帰ってからはテレビをつけっぱなしにして、書いておかなければならない楽譜を書き、寝る時は電気をつけっ放しにしておきました。
 クローゼットの天井側とか、ベッドの下とかにお札でも貼ってあったらどうしよう、なんて、考えはじめたら、頭が勝手に怖いことを考えるんですよ~


やれやれ、昨夜は何も起こらなくて良かったです。ホッ。


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かぐや姫

2005年10月24日 | ミュージシャン


 今日は「かぐや姫」を入れてあるMDを何気なくプレーヤーにセットしたんです。
 さらりと聞き流すつもりが、すっかり聴きいってしましました。
 南こうせつの、透明感があって、情感がこもっているやさしい歌声に、久しぶりに気持ちを揺さぶられました。


 「かぐや姫」は、南こうせつ、伊勢正三、山田パンダの三人からなるフォーク・グループです。
 1970年代前半にたいへんな支持を得ました。
 南こうせつの「しゃべり」のうまさ面白さにも人気がありましたよね。


     


 「70年代フォーク」の香りがいっぱいのメロディー、いま聴くととても懐かしく感じました。
 しかしそれ以上に歌詞が心にしみ入るんですよね。
 歌詞をじっと聴いていると、思わず涙が出そうになるんです。
 なかでも、嫁いでゆくたったひとりの妹を送り出そうとする兄の心情をしみじみ歌った「妹」、大好きです。


     
     かぐや姫『さあど』(1972年)

       
 戦場へ行った愛する人のことを歌った「あの人の手紙」、若いふたりの同棲生活を回想する「神田川」、ほかにも「なごり雪」「22才の別れ」「ぼくの胸でおやすみ」「うちのお父さん」「好きだった人」などなど、好きな歌がいっぱいあります。
 その歌詞の内容は、だれしも経験するようなできごとを題材にした、優しく、せつなく、そして物悲しいものです。


     
     かぐや姫『三階建の詩』(1974年)

       
 そういえば、少しギターが弾けるようになった頃、よくかぐや姫の曲を弾きながら、そっと歌ってみたものでした。
 

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ファミリー・タイズ (Family Ties)

2005年10月23日 | 見る聴く感じるその他

                                      ♪キートン家の面々。


 アメリカのテレビドラマによくある、シチュエーション・コメディの形をとったホーム・ドラマです。
 テレビ東京系列の局で1986年10月から1987年9月まで放送されていました。
 なんとなく合わせたチャンネルで偶然このドラマを観たんですが、たちまちファンになりました。


 アメリカでは1982年から1988年までの7シーズン、全176話が放映されて、大ヒットしました。
 マイケル・J・フォックスはこのドラマで一躍スターになり、エミー賞のコメディー部門主演男優賞を1986年から3年連続受賞していますね。


     


【出演者】

☆キートン家

 マイケル・グロス(父:スティーブン) 
 Michael Gross (Steven Keaton)
  地元のテレビ局に勤務している。ママとは大学時代に知り合った。
  皆の良き理解者。

 メレディス・バクスター・バーニー(母:エリス) 
 Meredith Baxter Birney (Elyse Keaton)
  建築士。自他共に認める自立した女性。とっても家族を愛している。

 マイケル・J・フォックス(長男:アレックス)
 Michael J. Fox(Alex P. Keaton)
  成績優秀な大学生。自信過剰のうぬぼれやで、お金が命。
  両親とは正反対の超保守派。将来はエリート銀行マンが夢。

 ジャスティン・ベイトマン(長女:マロリー)
 Justine Bateman (Mallory Keaton)
  勉強は苦手だが、何とか高校を卒業して女子大生に。
  ファッションと買い物が大好き。将来の夢はファッション業界。芸術家の彼・ニック一筋。

 ティナ・ヨーザーズ(次女:ジェニファー)
 Tina Yothers (Jennifer Keaton)
  スポーツ万能で成績優秀な高校生。変わり者揃いの家族が悩みの種のクールな次女。

 ブライアン・ボンソール(次男:アンディ)
 Brian Bonsall (Andrew 'Andy' Keaton )
  アレックス待望の弟。アレックスに溺愛されている。第3シーズンで誕生。

★キートン家周辺の人々
 
 トレーシー・ポラン(エレン・リード)
 Tracy Pollan(Ellen Reed)
  アレックスの恋人。

 コートニー・コックス(ローレン・ミラー)
 Courteney Cox(Lauren Miller )
  アレックスの新しい恋人。第6シーズンから登場。

 マーク・プライス(スキッピー・ハンドルマン)
 Marc Price (Erwin 'Skippy' Handleman)
  アレックスの友人。少々ドジなところあり。

 スコット・ヴァレンタイン(ニック・ムーア)
 Scott Valentine(Nick Moore)
  マロリーの恋人。ちょっとパンクなところがあるが、ナイスガイ。アートの才能がある。


     
     左からスキッピー、ローレン、ニック、エレン



 テレビで放映されていた頃は、土曜夜ということもあって(やっぱり遊ぶのに忙しかったですから笑)そんなに見る機会がなかったけれど、だいぶあとになってレンタルショップでビデオを見つけてからは、次から次へと借り続けましたね。


     
      初期のキートン家のメンバー。みんな若い!


 典型的なアメリカの中流家庭・キートン家の日常が舞台です。
 60年代のムーブメントに染まった青春時代を送ったパパとママ。成績優秀ながら保守的で、ちょっとズレているアレックス。ノーテンキで勉強はまるでダメだけれど、流行にはとても敏感なマロリー。皮肉屋だけれど成績優秀で、アレックスのライバル的なジェニファー。マセているけどしっかり者のアンディ。この6人に、幼馴染のスキッピー、マロリーの彼氏ニック、アレックスの彼女エレン(のちローレン)などが加わってドラマは進んでゆきます。


     
 

 どの国のどの家庭にも起こりそうな出来事をユーモアたっぷりに描いていて、笑いの中からタイトルの「家族の絆」にスポットを当てています。
 時にはシリアスなテーマも織り込まれていてホロリとさせられるし、毎回登場するゲストも見ものです。


     
      アレックス(マイケル・J・フォックス)とローレン(コートニー・コックス)


 初めて発した言葉が「Mammy」ではなく「Money」(笑)だったという、「金の亡者」という設定のアレックスのズレっぷりがとってもおかしい!
 ズレているといえば、未だに60年代の熱い血をたぎらせているパパや、「買い物好き」がキーワードのマロリーのボケっぷりにも大笑いです。


     


 とにかく、笑えて、泣けて、考えさせてくれるドラマで、今ではぼくはこのドラマに見事にハマっちゃっています。
 DVD欲しいです~


     


 この作品がマイケル・J・フォックスの本格デビューで、マイケルは、このドラマと「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の大ヒットによって、全米のアイドルとなりました。
 また、このドラマで共演したトレイシー・ポランと実生活でも結ばれています。


     
     トレイシー・ポラン、マイケル・J・フォックス


 現在マイケル・J・フォックスは、パーキンソン病のために闘病生活を送っているけれど、いつの日か復帰してほしいなぁ。
 またあのユーモラスで明るい姿が見たいです。


     

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夢から生まれた曲

2005年10月22日 | ネタをたずねて三千里

                                 ♪ジュゼッペ・タルティーニ(1692~1770)


 人間は眠っている時に「夢」を見ます。
 夢や眠りのメカニズムに関しては、解き明かされていないことも多いんだそうですね。まだまだ未知の分野、ってことでしょうか。
 だからこそ、「正夢」とか「予知夢」の話を聞くと、いっそう神秘的な気分になるわけですが。


 「夢」からヒントを得て何かを発明した、という話もありますね。
 有名なのが、蒸気機関を発明したことで知られるジェームス・ワットにまつわる話です。
 当時、猟銃に使われる鉛玉の製造作業はとても面倒で、しかも不完全なものだったそうです。
 ワットがこの製造法に頭を悩ませていた頃、一週間続けて同じ夢を見ました。激しい雨の中を歩くワットに降り注ぐものが、実は小さな鉛玉だった、という夢です。この夢に従って、溶けた鉛をある高さから水の中に注ぎ込んだところ、見事に理想的な丸い玉になりました。
 この日以後、すべての鉛弾は、溶かした鉛を水中に落として作られるようになったそうです。


 夢の中で聴いた音楽を再現した曲、というものもあります。それがジュゼッペ・タルティーニ(1692~1770)の作曲したト短調バイオリン・ソナタ ト短調「悪魔のトリル(Devil's Trill sonata)」です。
 こういう話が伝わっています。


     


 1713年のある晩、タルティーニは夢の中で悪魔に「お前の魂を売ってくれ」と言われました。
 恐ろしさのあまり同意してしまったタルティーニですが、悪魔が「お礼になんでも願いを叶えてやろう」と言うので、悪魔がどういうふうに演奏するのか見たいと思い、悪魔にバイオリンを渡してみました。
 悪魔は超人的な技巧で、人間世界ではとうてい聴くことのできないと思われる美しい音楽を奏でました。そしてタルティーニは、悪魔の妙技に心を奪われてしまったのです。
 悪魔の演奏に魅了されたところで目が覚めたタルティーニは、すぐさま夢の中で聴いた音楽を楽譜にまとめようとしますが、悪魔が演奏したとおりの曲を書くことはついにできませんでした。それでもその時に残した曲は、タルティーニの書いた作品の中でもひときわすぐれたものとして評価されています。
 タルティーニは自ら、この曲に「悪魔のトリル」というタイトルをつけました。
 (注:近年の作風研究により、この曲は実際には1740年代後半以降に作られたのではないかと言われている)


     


 ぼくは、ワットにしてもタルティーニにしても、あることに没頭し、ひたすら考え続けたからこそ、ひらめきが「夢の中」で起きたんじゃないかな、と思うんです。
 こういう不思議な話は、理屈ではなくて、心惹かれるものがあります。「夢で発見した」というほうが話としては面白いですからね。
 いずれ「夢」が科学的に解明される時がくるでしょうが、それでも「あんな話、デタラメです」なんて頭ごなしに無粋に否定されないでほしいものです。科学的な正誤は別にして、こういう話が残っているほうが世の中面白いですからね。



     
      Angel With Violin




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コジカナツル Live!

2005年10月21日 | 名盤


 ネットで注文しておいた「コジカナツル」のセカンド・アルバムが今日届きました。
 こういう小さなことで嬉しくなれる単純な自分が、ちょっと好きです。


 話はすこしそれますが、「指折り数えて待っている」時というのが実は一番楽しい時なのかもしれませんね。
 「楽しいことが起こる日」というのは、ぼくは少し寂しいんです。だって「楽しいことの終わり」が近づいているんだもん。


 注文したのが一昨日だったかな。
 届くのを待つのも楽しかったけれど、包装を解くのも楽しいし、CDをトレイにのせるのも楽しいし、聴いてるのも楽しかったです





 いや~、ゆとりとヤンチャと豪快さと遊び心が一体になっているような雰囲気は相変わらずです。
 それでいてバラードなんかは人間臭さと美しさが同居していて、とっても味わい深いのです。
 とにかく、子供の心をそのまま持ち続けた大人が音で遊んでいるみたい


 三人の個性が際立っているサウンドがまた面白いんです。お互いがお互いのプレイを信頼したうえで三人とも必ず何事かを主張している。それがてんでバラバラなんじゃなくて、ある地点を同時に目指しながら、それぞれが「自分」というものを出しているように聴こえるんです。だからサウンドはスリリングかつエネルギッシュ。とにかく熱くて厚いんです(シャレてるわけじゃないんですけどね・・・)。





 ぼくの好きなベーシスト・金澤英明氏のサウンド、相変わらず力強くてふくよかで温かくて、ベースだけを聴いていても飽きないなぁ。とくに4曲目の「Truth In Your Eyes」のベース・ソロ、しみじみと聴きました。泣けますね~
 ピアノの小島氏、ドラムスの鶴谷氏のプレイももちろん大好きなんですけどね


 彼らは、「日本が世界に誇るピアノ・トリオ」と言ってもいいんじゃないかな~
 しかも、ボーダーレスというか、コジカナツルの音楽をジャンル分けしようと思ってもどれにも当てはまらない。
 いや、どのジャンルからもはみ出す、と言ったほうがいいのかも。
 ロックのワイルドさ、ジャズの深みと熱さ、クラシックの美しさ。これらが溶け合ったものが彼らの音楽からにじみ出てやまないのです。
 こうなったら、最近出たばかりの、彼らのサード・アルバムも買わねば!






◆Live!
  ■演奏・プロデュース
    コジカナツル
  ■リリース
    2004年9月15日
  ■録音
    目黒ブルース・アレイ・ジャパン (2004年4月2日)、京都RAG (2004年4月7日~8日)
  ■収録曲
    ① Blues Everywhere (Shirley Scott)
    ② "U" (小島良喜)
    ③ Resurrection (鶴谷智生)
    ④ Truth In Your Eyes (小島良喜)
    ⑤ In A Mellow Tone (Duke Ellington)
    ⑥ Let's Meet Again (金澤英明)
  ■録音メンバー
    小島良喜 (piano)
    金澤英明 (bass)
    鶴谷智生 (drums)
  ■レーベル
    RAGMANIA




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東京奇譚集

2005年10月20日 | 見る聴く感じるその他
 村上春樹氏の短編集です。
 

 怪談好き、不思議な話好きのぼくにとっては、このタイトルはとってもそそられるものでした。でも、いわゆる「怪談・奇談」を期待して読むと、ちょっとがっかりするかもしれません。
 帯には『不思議な、あやしい、ありそうにない話』とありますが、不思議な話はあくまで物語の入り口にすぎないような気がします。


 導入部の「自分のリクエストしたい曲と、ピアニストの選曲が偶然にも一致した」、というエピソードが肩に入った力をほぐしてくれ、あとはすんなり物語に入ってゆけました。


 登場人物たちは、「とるにたらないけれども不思議なできごと」を端緒として、心にそっと置いたまま向き合うのを避けていた事柄に視線を向けるようになります。彼ら・彼女らの心の内を読み解いていくと、自分の価値観を再確認できるのかもしれないですね。ちょっと抽象的かな・・・。


 ぼくはもともと村上春樹氏の文章が好きで、とくにエッセイは愛読してきました。ほのかにユーモラスなところ、知的な雰囲気のする適確な言葉の選び方、適度に力が抜けているところ(リラックスはしているが、決して行儀の悪い座り方はしない、というような)などがぼくの好みに合っています。


 ちょっと不思議な空気を感じながらも、肩から力を抜いて読むことができた短編集だったように感じます。


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好きな喫茶店

2005年10月19日 | 随想録

♪こういう外観のお店、すぐ入ってみたくなります。これは神戸の「にしむら珈琲店」。


 喫茶店でコーヒーをのんびり楽しむのが好きです。
 ぼくは、コーヒーは夏でもホットのアメリカン党です。インスタントを含めると平均して毎日5~6杯は飲んでるかなぁ・・・。
 日曜日には本屋さんとレコード屋さんをハシゴするのがお決まりになっていた頃がありました。買い物が終わると必ず喫茶店に寄って、ちょっと行儀悪いけど、コーヒーを飲みながら、買ったばかりの本や、レコードのライナー・ノートを読むのが楽しみでした。


     


 そういう時は、「コーヒー・ショップ」じゃなくて、看板には「茶房」とか、漢字で「珈琲」などと書いてある「喫茶店」で過ごしたいものなんです。
 木とレンガの雰囲気がして、テーブルなんかも木の重厚感があるもので、適度に薄暗い、そういうお店がぼくは好きです。
 ぼくの住んでいる街にも「スター・バックス」なんかができているけれど、一人で立ち寄って本なんかを広げるような気分にはなれないですね。もっとも、恋人同士とか友達同士でおしゃべりするのにはいいでしょうけれど。


 今日、友人のシンガー「BABY」さんと打ち合わせがてらお茶してきました。
 気に入って時々行っていた、そういうウッディなお店に行ってみたんですが、あれれ、ピザ&コーヒーのお店に変わってる~
 以前に比べて喫茶店に入ることが少なくなっているので、ほかにどんなお店ができているのかちょっと疎くなっているんですが、もう一軒気に入っている喫茶店が近くにあるので、そこでコーヒー飲みながらおしゃべりしてきました。


 いくら忙しくても、時には喫茶店でコーヒーを飲みながらいい音楽を聴いたり、本を読んだりする、くつろいだ時間を確保するようにしておきたいな~、などと思った今日の午後でした。
 

 ポップな感じのお店もいいですけど、ひとりで本を読みながら過ごせるようなお店、また開拓しておかなくては。


     


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10月16日、クタクタだけどちょっと達成感

2005年10月17日 | 自分のライブで

                           ♪「問題児」ことデヴィッド・パブリナのステージ。ワタクシは左端。


 この日は昼は加古川市のショッピング・モール内でのイベントで演奏、夜は大阪市内でライブです。
 自分の中で、この日の結果にある高さのハードルを設定しているため、少し緊張していたんですが、朝から天気も良く、なにやらいい予感さえします


 昼前に加古川市内に入りました。天気に恵まれた日曜日、家族づれ、恋人同士、友達同士で現場のショッピング・モール内はごった返しています。
 1時間ほど店内をウロウロ。CDショップでは山中千尋のニュー・アルバムを、本屋さんでは「月刊メジャー・リーグ」「東京奇譚集(村上春樹)」を買いました。


 本番近くなってステージ付近に戻ってみてちょっと安心。かなりお客さんが集まっている。なんとなく動物園のゴリラの気分がわかります。


     
      ステージの周りはこんな感じ。
      あまりの混雑に上から2、3人こぼれ落ちてました(ウソですよ 笑)

 無事ステージを終えて、今度は大阪市・梅田界隈に向けて出発し、1時間ほどで到着。ちょうど今夜共演するギタリストのryo君が、「パシフィック・コースト・ハイウェイ」のゲリラ・ライヴにサポート参加しているらしいので、ちょっと覗きに行ってきました。いや、すごくカッコいいバンドでしたよ!


 夜は鳥取を拠点にユニークな活動を続けている「問題児」ことデヴィッド・パブリナ君のライヴのサポートです。共演のryo君、YAMATO君ともすご腕のミュージシャンです。それに底抜けに明るいデヴィッドがハジけまくりで歌うというので、緊張半分、楽しみ半分、といったところです。


     
      本番前のひととき。左からryo、デヴィッド、YAMATO。


 本番はホットに押しまくりました。お客さんの反応も上々!


 とにかく緊張感の高いステージを一日2度務めると、さすがに疲労感も濃いのですが、クタクタにならなければ味わうことのできない「達成感」も心地よく感じることができました。
 ま、「苦あれば楽あり」ってとこですね。昔のひとはうまいこと言ったもんだなぁ(笑)


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ここ数日、こんな感じで過ごしてます

2005年10月12日 | 随想録

                                             ♪たくさんのお客さん。ありがたいです。
 
 

 昨日は深夜になってウッド・ベースの弦を換えてみた。ついでにエレクトリック・ベースの弦も換えてみた。新しい弦に張り換えるということはやはり気持ちいい。新しいパンツに穿き換えるようなもんですね。



■なにせ雑用が多い今日この頃。忙しい時に限って雑用も増えるのはどうしたわけだろう・・・。楽器を扱うということは、同時に付属品も扱うということで、昨日の夕方は電池とか、指板潤滑剤とか、五線紙とか、そういうこまごましたものを買いにでかけました。いつもならついでに本屋さんとCD屋さんも回るのに、時間に追われててさっさと次の用事に向かったのですが、うーん、気忙しいのは二度とないこの一日がなんとなくつまらなくなるからイヤだなー。時間に追われるのではなくて、時間を追うようになれ、と昔先輩に教わりましたっけ。


□近頃、楽譜書きをサボっていたのです。今は専用ソフトも出ていて、簡単にキレイな楽譜がプリントされますが、ぼくはガンコに手書きを通してます。書くことによっていろんなことを勉強できたり、覚えられたりするからです。キーの読み替えも(例えばキーがCの曲を1音半上げてE♭に読み替える)スムースにゆくような気がするし。だからもっと楽譜を書く時間を増やさなければ、と思っていたら、三日間で約30曲書かなければならない事態に陥ってしまいました。アレンジも含めてなので、サボッていた自分には結構たいへんかも。神様が「サボッたらあかんよ」と言っているんだ、と思うことにしようっと。



■忙しいことはイヤではないけれど、そのために余裕がなくなって、身の回りに目が行き届かなくなるのがイヤなんです。だから逆に、忙しい時に休憩がてら部屋の片付けをします。忙しくて散らかったままの部屋が片付くと、気分もすっきりして、いろんなことがはかどるような気がしてくるから不思議です。そういえば小学校の頃、よく「勉強する時にはまず勉強机の上を片付けましょう」と言っていた先生がいたな~。まさにその通りでしたよ、先生。



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太陽がいっぱい (Plein Soleil)

2005年10月10日 | 映画


 子供のころ、年末年始の深夜にテレビで放映される名作映画を見るのが、とても楽しみでした。
 今と違って家庭用ビデオやレンタルショップなんてありませんでした。
 映画を観る機会なんてそうそうあるものではなく、せいぜいテレビで映画番組を観るくらいだったなあ。
 小学校の頃にやっていた映画番組は、月曜(月曜ロードショー)、水曜(水曜ロードショー)、金曜(ゴールデン洋画劇場)、土曜(土曜映画劇場)、日曜(日曜洋画劇場)。週に5日もあったんですね。
 番組がはじまるのは夜の9時からでしたが、9時には就寝、というのは厳しく決められていて、特別なことでもない限り夜更かしは許して貰えなかったんです。


 夜更かしを大目に見られていたのが、年末年始でした。
 その時期になると、連日深夜に名作映画が放送されるんです。
 だから、有名な映画や有名な俳優の名前を新聞のテレビ欄で見つけると、「早く夜中にならないかなぁ~」なんてことを考えたものです。
 夕方以降、時間の経つのがなんと遅く感じられたことか。
 その年末の深夜にテレビで見たのが、「太陽がいっぱい」です。
 意表をついた結末にはとってもショックを受けました。
 そしてだいぶ年を取った今でも、この作品を繰り返し見ています。
 まったく色あせない、素晴らしい映画だと思います。


 
 マリー・ラフォレ(左)、アラン・ドロン(右)


 
 モーリス・ロネ(左)、アラン・ドロン(右)


 色鮮やかに映し出されるナポリ、モンジベロなどの街、真っ青な海、まぶしい太陽・・・。
 風景だけでもとっても印象に残ります。
 ニーノ・ロータによる物悲しさを秘めたテーマ曲も、映像にぴったりマッチしてますね。
 アラン・ドロンを見て、子供心にも「こんなハンサムな人がいるんだ」と驚きました。
 いや、「驚いた」なんて生易しいものじゃなかった。一種の衝撃でしたね。
 そしてマリー・ラフォレの大きくて美しい瞳にもウットリしたものです。
 とっても毅然とした目をしてるんですねぇ、マリーは。
 この時の彼女は、なんとまだ18歳! それであんな雰囲気を出すなんて、これまた衝撃です。
 もし一緒にいたとしても、きっとぼくは気おくれして、アプローチどころか絶対に声すらかけられないと思いますね。


 

 

 
 マリー・ラフォレとアラン・ドロン


 たいへん有名な作品です。
 映画史上に残る名作だと思います。
 ぼくが惹き込まれたのは、フィリップを殺してからのトムの行動です。
 完全犯罪を目論んで一瞬だけ成功の美酒を味わうのですが、同時にそれは破滅へと向かっていることでもあります。
 「才走る」という表現がぴったりのトムを、ドロンが好演していますね。
 第二の殺人を犯した直後、平然とチキンを平らげるところでは、二度と引き返すことができない暗い深みにどっぷりはまるトムの心情、そしてトムの持つ冷酷さがよく出ていたように思います。


 
 完全犯罪成功の美酒に酔うアラン・ドロン。このあと思わぬどんでん返しが。
 

 それから、何もかも見通しているようなリコッティ刑事の目つきも鮮明に記憶に残りました。
 小さい頃ワルイことをして、それがバレるのがこわくて、ウソをついたり隠そうとしたりしますが、内心いつバレるかヒヤヒヤしますよね。ぼく、この映画を見ると、そういう気持ちを思い出すんです(笑 
 ちなみにこの映画の原題「Plein Soleil」の意味は、「お天道さま(神さま)は見ているよ」、つまり「悪事は隠せない」というニュアンスなんだそうです。


 
 左から モーリス・ロネ、マリー・ラフォレ、アラン・ドロン




◆太陽がいっぱい/Plein Soleil
  ■公開
    フランス 1960年3月10日
    日  本 1960年6月11日
  ■製作
    フランス=イタリア合作
  ■監督
    ルネ・クレマン/Rene Clement
  ■音楽 
    ニーノ・ロータ/Nino Rota
  ■原作 
    パトリシア・ハイスミス/Patricia Highsmith 『才人トム・リプリー君』/The Talented Mr. Ripley
  ■出演者
    アラン・ドロン(トム・リプリー)
    マリー・ラフォレ(マルジュ・デュヴァル)
    モーリス・ロネ(フィリップ・グリーンリーフ)
    ビル・カーンズ(フレディ・マイルズ)
    エルヴィーレ・ポペス(ポポヴァ夫人)
    エルノ・クリサ(リコルディ刑事)
    フランク・ラティモア(オブライエン)
    ネリオ・ベルナルディ(ボルディーニ)
    ニコラス・ペトロフ(ボリス)
    ジャクリーン・ドカエ(イングリッド)
    ロミー・シュナイダー(フレディの連れの女性:カメオ出演)
  ■上映時間
    118分

コメント (8)
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