【Live Information】
週末夜のジャズ・バー。
生粋のジャズ好きであるママがひとりで切り盛りするこのお店には、
ディープなジャズ・ファンがどこからともなく現れ、集います。
持参した何枚ものLPレコードをカウンターに広げ、
夢中になってジャズ談義を繰り広げている人生の大先輩方おふたり。
ああだこうだと、話は尽きそうにありません。
カウンターの中では、これまた目を輝かせながらママがなにか作っています。
そんな雰囲気のそばにいるだけで、
こっちまでなぜか嬉しく楽しくなってしまいます。
【Live Information】
ミュージシャンの伝記映画やドキュメンタリー映画が花盛りな感のある昨今です。
この数年で観たのは、メガ・ヒットを記録した「ボヘミアン・ラプソディ」(クイーン)をはじめ、「エイト・デイズ・ア・ウィーク」(ビートルズ)、「ロケット・マン」(エルトン・ジョン)、「12小節の人生」(エリック・クラプトン)などなど。
そして去年観にいった「オールウェイズ・ラヴ・ユー」(ホイットニー・ヒューストン)。
「オールウェイズ・ラヴ・ユー」の中で取り上げられていたエピソードのひとつに、「スーパーボウルでの国歌独唱」があります。
このできごとは知ってはいましたが、実際はどんな歌いっぷりだったかは恥ずかしながら知りませんでした。
あとで動画投稿サイトでその映像を見直してみました。
凄い。
トリハダものです。
「圧巻」という言葉が安っぽく感じられるくらいです。
「伝説的な」「神がかった」「スーパーボウル史上最高の」といった、数々の、そして究極の賛辞は、みな言葉どおりのものだったんですね。
第25回スーパーボウルは、1991年1月27日にフロリダ州タンパにあるタンパ・スタジアムで行われました。
ホイットニーは、試合開始前にフロリダ管弦楽団の演奏をバックに、「星条旗」を歌いました。
この歌唱は歴史的な名唱として絶賛され、今に至るまで語り継がれています。
ホイットニーの歌った「星条旗」はこの年シングルとしてリリースされ、ビルボード20位までチャートを上昇しました。
10年後の2001年起きたアメリカ同時多発テロ事件の直後にもリリースされ、この時はビルボード6位の大ヒットを記録しています。
「星条旗」は、アメリカ国歌です。
米英戦争真っただ中の1814年9月、フランシス・スコット・キーは捕虜交換のためメリーランド沖のイギリスの軍艦に乗り込みました。
捕虜交換の話はまとまりましたが、作戦上イギリス艦隊はボルティモアのマクヘンリー砦を終夜砲撃し続けます。
激烈をきわめた夜間砲撃が終わった9月14日(ちなみにぼくの誕生日です)の夜明け、キーたちは曙の中で砦に星条旗が翻っているのを目にするのです。
アメリカ軍が苦難に耐え切って砦を死守したことに大きく感動したキーは、すぐに砦の防衛を題材とした詩を書きあげます。
この詩は、当時人気のあった歌「天国のアナクレオンへ」のメロディに合わせてアレンジされたのち、この年10月14日に初披露され、のち「The Star-Spangled Banner(星条旗)」として出版されました。
国歌として正式に採用されたのは1931年3月3日。時の大統領はハーバート・フーヴァーでした。
アメリカン・フットボールは、野球、バスケット・ボールと並ぶアメリカの三大スポーツです。
アメリカン・フットボールのふたつのリーグの覇者がそのシーズンの優勝をかけて激突するスーパー・ボウルは、国をあげての一大イベントといっても過言ではないでしょう。(ちなみにボウルは「ボール(ball)」ではなく、ボウル(bowl 鉢。フットボール・スタジアムの形状から。)」です)
試合前に歌われるのは「国歌」(星条旗)と決まっています。
ごまかしはきかず、純粋に歌い手の力量のみが問われる重要なパフォーマンスで、マイクを持つことができるのはアメリカを代表するシンガーだけです。
1991年の晴れ舞台に国歌独唱を指名されたのは、ホイットニー・ヒューストン。彼女が27歳の時です。
ホイットニーは、「どれだけたくさんの砲弾やロケット弾が飛んで来ようとも折れることなく翻り続けた星条旗」にゴズペルのフィーリングを取り込んでみたいと感じたそうです。
ホイットニーの音楽スタッフであるリッキー・マイナーは、もともと3拍子のこの曲を4拍子に変えることを提案します。その方がさらにソウルフルな歌になると考えたからです。
ただ、湾岸戦争が勃発したばかりのこの時期、ホイットニー側が準備しているサウンドが「戦時中なのに不謹慎」とする向きもあり、実際ナショナル・フットボール・リーグからは、アレンジをもっと質素にするような要望が出されたということです。しかしこれはスーパー・ボウルのエンターテインメント部分を担当するプロデューサーによって却下されました。(大英断!)
声の美しさはもちろん、なんと優しく、柔らかい歌声なのか。
7万人を超す大観衆の中で、とてもリラックスして歌い始めている(ように聴こえる)ことに驚かされます。
途中でアレンジがストリングス中心になりますが、そこでのホイットニーの声は、まさに慈愛。
そのあとの「And the rocket' red glare」からは一転、伸びやかな高音でソウルフルに歌い上げます。
クライマックスに向かうホイットニーとオーケストラが放つエネルギーが一体となって、感動を生み出しています。
ホイットニーの表情は実に豊か、そしてとってもチャーミング。
「Oh, say does that star-spangled banner yet wave(ああ星条旗はまだたなびいているか)」の部分では不覚にも目が潤んできます。アメリカの国歌に大きく感情を揺さぶられてしまっている自分が少し照れくさくもありますが。
敬礼している軍人を映像に入れるという演出が、またアメリカらしいというか、ツボを心得ているというか。
さらに、要所要所でズシンとくる打楽器群が実に効果的なんですね。
そして「O'er the land of the free」で繰り出すハイトーンに気持ちを鷲掴みにされます。感動はもちろん、清々しい気持ちにさえなってしまうのです。
「口パク」だという説もあるようです。
でも、この歌を聴かされると、そんなことはどっちでもよくなります。
それくらい素晴らしすぎる歌声だと思います。
映画の中では「ホイットニーには当日(前日だったかな)譜面を渡した。体調も良くなく、不機嫌だった。」との証言があったと記憶していますが、それでいながらこの物凄いパフォーマンス。
ホイットニーが、決してヒット・ソングを量産するだけの美人ポップ・シンガーではないことを、改めて骨の髄まで思い知らされました。
[歌 詞]
■星条旗/The Star-Spangled Banner
◆リリース
1991年2月12日
2001年9月26日
◆歌
ホイットニー・ヒューストン/Whitney Houston
◆プロデュース
ジョン・クレイトン/John Clayton (music arrangement)
リッキー・マイナー/ Rickey Minor(music coordinator)
◆作詞
フランシス・スコット・キー/Francis Scott Key (1814年9月)
◆作曲
ジョン・スタフォード・スミス/John Stafford Smith (1780年)
◆週間チャート最高位
1991年 アメリカ(ビルボード)20位、ビルボード・アダルト・コンテンポラリー・チャート48位
2001年 アメリカ(ビルボード)6位、ビルボード・R&B・チャート30位、カナダ5位
「星条旗」 歌・ホイットニー・ヒューストン 1991年1月27日 タンパ・スタジアム
【Live Information】
※お越しの際はマスクをご持参ください。
また、状況によっては中止にせざるを得ないこともありますので、お店にご確認ください。
諸々よろしくお願いします。
12月4日(金)
岡山 ピアノ・バー
岡山市北区野田屋町1-11-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)
【出 演】 美淋つゆ子(piano)、皆木秀樹(bass)
【料 金】 1000円(飲食代別途)
【演 奏】 21:00~、22:00~ (2回ステージ)
※セッション可
12月15日(火)
岡山 ピアノ・バー
岡山市北区野田屋町1-1-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)
Live & session
【出 演】 古山修(guitar)、池田拓史(drums)、皆木秀樹(bass)
【料 金】 1000円(飲食代別途)
【演 奏】 21:00~、22:00~ (2回ステージ)
※セッション可
12月17日(木)
岡山 ピアノ・バー
岡山市北区野田屋町1-11-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)
【出 演】 山本博之(piano)、皆木秀樹(bass)
【料 金】 1000円(飲食代別途)
【演 奏】 20:00~、21:00~ (2回ステージ)
※シットイン可
12月23日(水)
倉敷 アヴェニュウ
倉敷市本町11-30 (tel 086-424-8043)
【出 演】 古山修(guitar)、丹文音(drums)、皆木秀樹(bass)
【料 金】 1000円(飲食代別途)
【演 奏】 20:00~、21:30~ (2回ステージ)
※シットイン可
12月24日(木) 中止になりました
岡山 プラザ・ホテル
岡山市中区浜2-3-12 (tel 086-272-1201)
【出 演】 山科賢一(piano)、河本ゆり(violin)、皆木秀樹(bass)
12月26日(土)
岡山 GROOVY
岡山市北区田町2-5-23 (tel 086-221-7721)
【出 演】 山本博之(piano)、皆木秀樹(bass)
【料 金】 2000円(飲食代別途)
【演 奏】 20:00~ (2回ステージ)
※シットイン可
12月27日(日)
岡山 ピアノ・バー
岡山市北区野田屋町1-11-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)
【出 演】 さいとういずみ(vocal, key-harmonica)、笹倉明子(piano, key-harmonica)、皆木秀樹(bass)
【料 金】 1500円(飲食代別途)
【演 奏】 20:00~、21:00~ (2回ステージ)
※シットイン可
【Live Information】
倉敷ジャズ・ストリート、今年も無事終わりました。
昨今の「コロナ騒ぎ」のためいったんは中止がアナウンスされたものの、主催者側の「リモート配信という手段を使おう」との決断でなんとか開催される運びになったのです。
いつもながら、いや、慣れないリモート配信ということで、いつも以上にスタッフの皆さんにはたいへんお世話になりました。感謝感謝です。
どうもありがとうございました。
さて、ぼくは倉敷ジャズの日は朝早めに倉敷に行きます。
「荷物(コントラバス)があるので駐車場を確保したいから」という理由もありますが、懐かしの鶴形山に上るのが慣わしのようになっているからなんです。
鶴形山中腹にある観龍寺の静かな境内から、倉敷の街と青空を眺めます。
清々しい気分になったあとはふもとの商店街にある喫茶ウエダ(高校時代、ウエダさんのお向かいにあった食料品店でこっそりアルバイトをしておりました。またぼくの姉がウエダのお嬢さんと同級生、そのお嬢さんの旦那さまがぼくの同級生だったという)でお茶しながら本番でのセット・リストのおさらいを。
今年のぼくの出番は11月1日の日曜日。
共演させていただくのは、福山市在住のシンガーソングライター、さいとういずみさんと、倉敷市在住のピアニスト、笹倉明子さん。
まあふたりともコロコロケラケラよく笑うこと。
そのふたりの穢れなき笑顔の写真をいくつかupしておきましょう。
彼女たちのこの笑顔が、皆さまの心の平安となりますように。
まあ、ぼくなんかには過ぎたおふたりでございました。
きっと思い出に残るであろういい一日でした。
左から さいとういずみ(vocal, piano)、皆木秀樹(bass)、笹倉明子(piano, key-harmonica)
この、さいとういずみ・笹倉明子・皆木秀樹のトリオは、また一緒に音を奏でることになりそうです。
この切り子提灯は、倉敷ジャズストリートのスタッフ須山恭安さんの奥様の手作りだそうです。風情あるなあ。。。
昼間見ても目を引きますが、日暮れ以降に見てみたかったです。
【Live Information】
年に一度、10月の下旬に、用事で吉備中央町というところへ行きます。
吉備高原にある静かな町で、景色のとてもいいところです。
用事が済むと、帰り道にある鳴滝ダム、そして鳴滝森林公園に寄って、あたりをぶらぶら歩くのが楽しみなのです。
昨年は来ることができなかったから、今回は2年ぶりでした。
いつもならここで夕陽を眺めてから帰るのですが、今回は真昼に用事が終わったので、近くのお店で買ったお弁当がわりのサンドイッチを持って、鳴滝へ行きました。
まったくひと気のない、秋晴れの静かな午後。
昼の、明るい鳴滝も素敵です。
美しい景色を眺め、きれいな空気で呼吸していると、自然に気持ちが穏やかになるものですね。
👇鳴滝ダム
👇鳴滝森林公園
【Live Information】
最近、男同士で話し込むことが多いのです。
たまたまなんですが。
偶然会ったり、居酒屋に行ったり、焼肉に行ったり、BARに行ったりで、ずっと語り合う。
7割は人生論や音楽談義で、3割はバカな話。
アツく語って、大笑いして。
改めて思いました。男同士って、やっぱりいいもんだな、と。
最近連れて行ってもらったBAR。壁掛けにジョン・レノンの「Love」の歌詞。
そんなことをしみじみ感じた、先月のとある週末の夜。
19時半くらいだったか、約束があったので、暗くなった街をひとり歩いておりました。
雨が降りそうな感じだったので、商店街と並行して南北に走るひと気のない道をやや急いでいると、うっかりすると通り過ぎてしまいそうな小さな喫茶店があるのに気づきました。
通りに面した窓からは店内が見えるのですが、なんと!若くて可愛らしい女子がひとりカウンターの中にいるのが見えるではないですか!
ちょっと場違いな感じがしなくもなかったのですが、もしかして頑張って夢だった喫茶店を開いたのかもしれない、という妄想が頭に芽吹きまして、違和感は消し飛びました。(その時にはそう思えたんです。単なる妄想です)
まだ時間には少し早かったので、時間つぶしがてら思い切ってお店に入ってみました。(ドキドキ)
ガチャ
ぼく「・・・あの~、まだいいですか?(オズオズ)」
女子「!」「ちょ、ちょっと待ってくださいね」(なぜかダッシュで奥へ)
しばしの静寂。
そして待てども奥からは誰も出て来ない。
待つこと3分、いや5分?
どうしよう、やっぱり閉店時間なんだなんか気まずいな~、と思っていたら、ようやく奥から人の気配です。
すると、さっきの娘さんではなく、代わりにヨッコラショと高齢のご婦人が。
あら意外な展開。
せっかくなのでコーヒーを頼み、約束の時間まぎわに席を立ちましたが、店を出るまで先ほどの娘さんは二度と現れませんでした。
ぼくがヨコシマな考えに至った時なんて、得てしてこんなものなのです。
どこらへんが「男同士はいいもんだ」なのか。
神さまごめんなさい
でも、その高齢のご婦人がイヤだったわけではありませぬ。
品のある、感じのよいご婦人だったことはせめて最後に付け加えておきます。
お世話になっているジャズ・クラブで仲良しのピアニストと偶然。そこから始まる熱い会話と深夜のセッション。
ベース仲間と居酒屋で語らう。おでんをつつくぼくを撮ってくれました。
【Live Information】
人間にはもともと自然治癒力というものが備わっているといいます。
ぼくも、今ではすぐに薬に頼ったり病院へ行ったりしないようにしています。
たとえば熱を出したり膿が出たりするのは、自分の体が細菌と戦っている証拠なんですね。
これが過剰に薬に頼るようになると、体は自力で病と闘う必要がなくなり、持って生まれた自然治癒力が低下するといいます。
悩みや質問を受けた時、気づくと聞き役の人が相手の問題を解決しようとしていることがよくあります。
あっと気づくと、ぼくも時々そうなっていたりします。
「一緒に悩む」「寄り添う」、今はそんな言葉をよく耳にしますが、悩んでいる人より先に答えを見つけ、それを相手に提示することって、果たして寄り添うことになるんでしょうか。
もしかすると「解決してあげる」ことで、「自分は役に立つ人間」であると思いたいだけなのではないかな、と思うんです。
そして、それは相手の心の自然治癒力を奪っていることになっているのかもしれない。
そして、誰かに見つけてもらった答えは、体に染み渡りはしない。
相手より先に答えを見つけて優越感めいたものに浸るのではなく、ただ「聞くこと」を心がけていこうと思います。