正統派と異端派
平成30年8月31日(金)
葉月も大晦日だ。
近辺の小学校は、今週月曜日から
始まっている。今朝も既に30度越え。
8月を「葉月」という。以前から
なぜ葉という字をと疑問を持っていた。
ついつい解明もせず・・・時は過ぐ。
葉月の由緒は?
「葉が黄色く色づく頃だから『はづき』が
有名という。
落葉が始まるから「葉落ち月」を縮めて
「葉月」になったというのもある。
また、稲穂が実る時期であるから「ほはり
(穂張/穂発)づき」とか、南海上から
「(南風)はえ」をもたらす台風が多くくる
から「南風月(はえづき)」がもとになった、
という説もあるそうだ。
さらに、雁(かり)が飛んで来始める時期
だから、「初雁月(はつかりづき)」が
「はづき」となった、というものもある
そうだ。
諸説紛々。
葉が落ちる前に、梢の上を季節が通り過ぎ
ていくのを「つくつく惜し」と叫ぶ蟬も
いる。
子どもの時から、この合唱は、夏休みの
終わりを告げているようで、さみしさ半分と
新たな学期の開始の歓び半分の気分を味
わわせるものでもあった。
旅先で死んだ筑紫の人が蟬に姿を変え、
「筑紫恋し」と鳴いているのだという説も
ある。
ツクツクボウシの描写は、
『城のある町にて』。
「<文法の語尾の変化をやっているよう
だな>ふとそんなに思ってみて、
聞いていると、不思議に興が乗ってきた。
<チュクチュクチュク>と始めて
<オーシ、チュクチュク>を繰り返す。
そのうちに、それが<チュクチュク、
オーシ>になったり、<オーシ、チュク
チュク>に戻ったりして、しまいに
<スットコチーヨ><スットコチーヨ>に
なって、<ヂー>と泣き止んでしまう。
中途に横から<チュクチュク>と始める
のが出てくる。するとまた一つのは、
<スートコチーヨ>を終わって<ヂ->
に移りかけている。三重、四重、五重にも
六重にも重なって鳴いている。」
と。子ども時代の光景が追憶される。
東京の法師ゼミの正統派は、
「ツクツクホーシ、ツクツクホーシ・・・
ツクツクイヨー、ツクツクイヨー」
と鳴き、
「ヅクヅクエイジ、ヅクヅクエイジ・・・
ヅクヅクイヨー、ヅクヅクイヨー」
と濁音、低温で鳴く異端派がいると、
作家の梶井基次郎さんは主張したそうな。
もう少しの間、つくつく法師で残暑を
楽しむことにする。