貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

別離の悲しさの一句

2021-11-20 13:42:05 | 日記
令和3年11月20日(土)
 さて、元禄二年(1689)三月二十七日
の早朝に旅が開始された。
 門人の曽良を供として出立し、
見送りに来た人々とともに、
舟で千住まで行って別れた。
 前途には三千里もの道中が予定されて
おり、上野や谷中の花とも別れて、
いささか心細い気持ちでの出立である。
 この文章、はじめは威勢のよい美文だが、
終わりにくると、別離の寂しさで、
元気がなくなってくる。
行春や 
   鳥啼魚の 
       目は泪
と、添えた一句の意味も涙と心細さである。
 鳥は泣き声で叫び、魚は泪を流し、
行く春を惜しんでいる。
 けだし、別離の悲しさである。