貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

家康への褒め詞

2021-11-22 15:31:40 | 日記
令和3年11月22日(月)
 さて、出立の日。
 3月27日のうちに、草加の宿に着く。
 出発早々、重い荷物を背負って歩き、
疲れ果てて宿に到着する。
 紙子(渋紙製の防寒着)、浴衣、雨具、
墨、筆、餞にもらった物は捨てるわけ
にもいかぬ荷厄介である。
 これら重い荷物が痩せた体を苦しめた。
 鳥木の室の八島明神(歌枕)にお参りする。
 神道に詳しい曽良が
「この祭神は、木の花さくや姫と申し、
富士山の浅間神社の祭神と同じ方です。」
と教えてくれる。
 三月三十日、日光山のふもとに泊まる。
 四月一日、日光山にお参りする。
 家康が天下太平をもたらしてくれたと
感謝している。
 そして、次の文章、最大限の家康褒め
である。
 私は芭蕉の褒める詞の累積に驚く。
「千歳未来を悟りたまふにや。
 今この御光一矢にかばやきて、
 恩沢八荒にあふれ、四民安堵の住みか
穏やかなり。
 なほ、はばかり多くて、筆をさし置きぬ。」
 そして一句。
あらたうと 
   青葉若葉の 
       日の光

 つづく。