貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

卯の花の晴着かな

2021-11-28 14:33:54 | 日記
令和3年11月28日(日)
卯の花を 
  かざしに関の 
     晴着かな      
          曽良 
 奥羽への入り口に来て、心躍る様を
力ある文章で表現する。
 能因の歌
「都をば
  霞とともに
    立ちしかど
      秋風ぞ吹く
        白河の関」

 源頼政の歌
「都には
   まだ青葉にて
      見しかども
       紅葉散りしく
        白河の関」
の二つの詠みを、
巧みに組み合わせた書き様は
見事というほかなし。
 卯の花を雪に見立てたのもよい。
 古人が冠を正した代わりに、
芭蕉と曽良は卯の花をかざして
晴着にしたのだ。