☆悪くない。
面白い。
むしろ、小気味良くまとめた良作だと思う。
私が全幅の信頼を寄せて、その新作を待ち望む、ネイティブの「スタニスラフスキー・システム」の具現者である綾瀬はるかも、自分のパートをそつなくこなしている。
でも、もはや、邦画って、こんな作品形式でしか作っていけないのだろうか? と、一抹の不安を覚える。
◇ ◇
『おくりびと』の時に限らず、私は(この手の作品を見るといつも書いているが)、これらは伊丹十三や周防正行の作品と同じ<カタログ作品>だと考えている。
私がネーミングし定義する<カタログ作品>とは、「一般の人が知り得ない世界を舞台にして、その世界の<ハウツー>を語っていくことで、その物語性を成り立たせているもの」を言う。
この作品も、作り手は綿密にリサーチしているのが分かる。
私は成田空港で数年働いていたのだが、物語の途中で、自分がミスをしたと思い込んだ整備士が、私服で整備地区を駆けずり回る、という、国際空港を舞台にしているにしては言語道断のシーンがあったが、それは「物語上のリアル」として構わない^^
そして、今回の飛行機トラブルの原因も、惑星(空港)から衛星(航空機)の範囲を逸脱してない(Uターンフライトのトコなんか^^;)、通な内容で良かった。
にもかかわらずの、このせせこましさは何なのだろう?
◇ ◇
そこには、ハリウッド映画的な骨太なストーリー性がないからである。
原因は、細かなエピソードの4コマ漫画化からくる。
・・・この作品は、空港やフライトにおいての「人間群像」を描こうと目されている。
故に、
・機長昇格試験として、乗客を乗せた実機操縦に臨む副パイロット。
・その教官として同乗する厳しい機長。
・国際線フライトに発搭乗の新人CA。
・新人泣かせの鬼チーフパーサー。
・乗客のクレーム対応に追われるグランドスタッフ。
・離陸時刻が迫り必死にメンテナンス中の整備士。
・ハイテクに疎いベテランオペレーション・ディレクター。
・ディスパッチャー。
・管制官。
・バードパトロール。
・飛行機オタク。
・空港見学小学生軍団。
・お客さんたち。
色んな側面から人物が描かれ、それらの人物が緻密に相関関係を持つ。
ただ、それらの関係が全て「起・承・転・結」の4コマで完結できるような希薄さなのである。
つまり、それぞれの「起・承・転・結」を分解して、
「起起起承起起承承承承転転転転結転結結結結」
として一本作品を作り上げたような手応えなのである。
皆さんは、どう思いましたか?
◇ ◇
また、新人スチュワーデスのお客さんとのトラブルの「尻拭い」をチーフパーサーが二度三度と行なうのだが、その接客対応がどうしても私には納得が出来なかった。
まあ、シナリオがそうなっているんだから納得するしかないんだけど、どうにも、万人が納得できる対応とは思えなかった。
(2008/11/16)
面白い。
むしろ、小気味良くまとめた良作だと思う。
私が全幅の信頼を寄せて、その新作を待ち望む、ネイティブの「スタニスラフスキー・システム」の具現者である綾瀬はるかも、自分のパートをそつなくこなしている。
でも、もはや、邦画って、こんな作品形式でしか作っていけないのだろうか? と、一抹の不安を覚える。
◇ ◇
『おくりびと』の時に限らず、私は(この手の作品を見るといつも書いているが)、これらは伊丹十三や周防正行の作品と同じ<カタログ作品>だと考えている。
私がネーミングし定義する<カタログ作品>とは、「一般の人が知り得ない世界を舞台にして、その世界の<ハウツー>を語っていくことで、その物語性を成り立たせているもの」を言う。
この作品も、作り手は綿密にリサーチしているのが分かる。
私は成田空港で数年働いていたのだが、物語の途中で、自分がミスをしたと思い込んだ整備士が、私服で整備地区を駆けずり回る、という、国際空港を舞台にしているにしては言語道断のシーンがあったが、それは「物語上のリアル」として構わない^^
そして、今回の飛行機トラブルの原因も、惑星(空港)から衛星(航空機)の範囲を逸脱してない(Uターンフライトのトコなんか^^;)、通な内容で良かった。
にもかかわらずの、このせせこましさは何なのだろう?
◇ ◇
そこには、ハリウッド映画的な骨太なストーリー性がないからである。
原因は、細かなエピソードの4コマ漫画化からくる。
・・・この作品は、空港やフライトにおいての「人間群像」を描こうと目されている。
故に、
・機長昇格試験として、乗客を乗せた実機操縦に臨む副パイロット。
・その教官として同乗する厳しい機長。
・国際線フライトに発搭乗の新人CA。
・新人泣かせの鬼チーフパーサー。
・乗客のクレーム対応に追われるグランドスタッフ。
・離陸時刻が迫り必死にメンテナンス中の整備士。
・ハイテクに疎いベテランオペレーション・ディレクター。
・ディスパッチャー。
・管制官。
・バードパトロール。
・飛行機オタク。
・空港見学小学生軍団。
・お客さんたち。
色んな側面から人物が描かれ、それらの人物が緻密に相関関係を持つ。
ただ、それらの関係が全て「起・承・転・結」の4コマで完結できるような希薄さなのである。
つまり、それぞれの「起・承・転・結」を分解して、
「起起起承起起承承承承転転転転結転結結結結」
として一本作品を作り上げたような手応えなのである。
皆さんは、どう思いましたか?
◇ ◇
また、新人スチュワーデスのお客さんとのトラブルの「尻拭い」をチーフパーサーが二度三度と行なうのだが、その接客対応がどうしても私には納得が出来なかった。
まあ、シナリオがそうなっているんだから納得するしかないんだけど、どうにも、万人が納得できる対応とは思えなかった。
(2008/11/16)