☆時間がないので、寸評ですまん。
・・・予告編を見て、田舎の純朴な6人の子供たちが歌う姿が印象的で、吉永小百合演じる主人公が、北海道の大自然の中でなにやら悩む姿が、テーマミュージックのバイオリンの音色と重ねられていたので、なんとも格調高い物語が展開しそうだな、などと考えてもいたが、
原作が湊かなえと知り、「ああ」と思いつつ見たら、案の定、「俗」な物語であった^^;
しかし、ミステリーとしては、それがなかなか良かった。
あまりにも、苦悩密度が濃すぎて辟易もするのだが(特に、作中現在の、とある教え子と再会した元教師の主人公、と言うシーンに、その成長した教え子の浮気相手の妻が乗り込んできたところなど…)、登場人物のそれぞれが「良心の呵責」に苛まれた20年があり、それが明らかになっていく展開は、『藪の中』を見るようだった。
何よりも、恐ろしいのが、吉永小百合のアンチエイジング振りである。
この人、『母べぇ』の時も思ったんだけど、「美魔女」とは異なり、でも、なんか、70歳を前にして、作中現在で定年退職の年齢を演じ、更には、それから20年も遡り、仲村トオル演じる男と、秘された逢瀬を重ねると言う展開を、見る者に違和感を感じさせず、あくまでも自然に、なんとも可愛く演じている。
そのキスシーンなんかには、見ているこちらもグッとくるものがあるのだ。
なんなんだ、この女は!^^;
だって、しまいには、作中現在で、20代後半に成長した子供たちと一緒に画面に収まると、下手すると、もしかして、みんな、同年代? などとも思わせてくれるんだぜ。
果たして、吉永小百合は、何歳まで恋を演じられるのか・・・。
(2012/11/05)