雨の夜と下弦の月

毎日を静かに、穏やかに生きていきたいと思う日々。
そのわりにはジタバタと暮らすワタクシの毎日を綴っております。

フィリップ・マーロウに惨敗。

2010-09-20 15:04:24 | books&magazine
先週の金曜日の夜から村上春樹訳「ロング・グッドバイ」を読み始めたのですが、未だ半分にも満たず、3連休のうちに読了する目論見はあっけなく潰えてしまいました。しかも、ワタクシ的に非常に悔しいのは、いくら20年前に読んだっきりとはいえ、普通半分近く読み進めてきたら話の筋を思い出しそうなものですが、結末がどうなる話だったか全く思い出せないという事実です。当時、このフィリップ・マーロウシリーズはまとめて読んだという記憶だけはあるのですが、中身を全く覚えていないというのは、本格的にボケ始めているのかもしれないなぁと思ったりもします。その当時、ワタクシの周囲でハードボイルド小説がちょっとしたブームになり、みんなでこぞってチャンドラーを読んだ記憶だけはあるのですが。ギムレットの作り方とか、数々の名台詞は覚えているのに、肝心の話を覚えていないってどうよ?と自分にツッコミを入れております。

チャンドラーのテキスト自体は不変のものですから、訳者が変わったからといって本の内容が変わるわけもなく、我ながら、何故こんなに話を忘れてしまったのか不思議で仕方ありません。この600ページを読了して少し落ち着いたら、再度、清水俊二訳の「長いお別れ」にチャレンジしてみようかと思う次第。ついでに言うと、野崎孝訳の「ライ麦畑でつかまえて」も、もう一度読み直してみようかと思っております。お2人が訳した時代と村上春樹が訳した時代では、ビミョーに時代背景は違うしテキストそのものに対する評価も違っているわけで、それを読み比べてみるのも面白いかなと思っております。「グレート・ギャツビー」は村上春樹の訳が素晴らしかったので、他のものを読み直す気はあまりないのですが。それにしても、クールでタフでカッコいいフィリップ・マーロウみたいな男性が、今の日本のどこを見渡してもいそうもないのは、個人的には極めて残念です。男子諸君、かっこいい男になりたかったら、一度このシリーズを読んでみることをお勧めします。ワタクシも、これから続きを読む所存にて。