懐かしい昭和の情景を追って

過去に撮影したネガをフィルムスキャナーで電子化しています。蒸気機関車、古い町並み、茅葺民家を投稿します。

茅葺き民家 カルスト台地の民家

2011年12月26日 | 茅葺き民家
撮影場所 新見市
新見市は市の全土が石灰岩と言っても過言でない。平成の合併で周りの町村を合併したがやはりほとんどが石灰岩の上にある。石灰岩がどのようにして日本に存在するのは諸説があるようだ。地球の海が暖かかった頃に出来た珊瑚礁説と太平洋プレートの沈み込みで珊瑚礁の島が割れて日本の列島に押し上げられ説がある。
石灰岩は石のように固いが珊瑚の化石である。日本は資源の無い国だが石灰岩は潤沢ある。石灰岩はセメントの原料、製鉄には欠かせない。中和用の消石灰や乾燥剤には生石灰、不燃材としての石膏ボード、漆喰などに使われている。昔の農家の土間は土に石灰、塩を混ぜて打ち固めた、それを三和土(たたき)という。
日本の道路や建造物は石灰岩があるから大量のセメントを使い強固なものができたのである。

石灰岩のカルスト台地の農業は厳しいものであった。降った雨は地下に浸透するので川がほとんどない。田を作れない畑は石ころだらけである。掘った石は写真のように脇に積まれ石垣となる。地形も平坦ではない、窪んだ土地、ドリーネや石の露出したカレンフェルトがカルスト台地の特徴、小学校は大きなドリーネの中にある。石ころだらけの土地に作物を植えて生活するのはアイルランドのアラン島を想像させる。ドキュメンタリー映画の代表傑作と言われた「アラン島」は石灰岩の石ころばかり地から土を作った。畑から出る石をうずたかく積み囲いとする。石垣が強風で土が飛ばされるのを防ぐ、そこに主食のジャガイモを植える生活が世に紹介された。代々積まれた石垣に人間の不屈の精神を見たと司馬遼太郎氏は「街道を行く」でも取り上げている。






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