ダムの功罪
集中豪雨になり大きな被害が出るとダムの放流が問題になる。ダムの管理側と住民が裁判になってきた。最近では西日本豪雨で、愛媛県西予市の野村ダムの放流で、死者や家屋の倒 壊や浸水で係争している。今年の球磨川の氾濫では瀬戸石ダムのゲートに木材などが引っ掛かり流れを堰き止めた。ダムの上を越流して変電所や発電機も水没した。
水位が上昇しているところに、ダムが放流すると土手を越流、決壊する。
事前放流するケースが増えてきた。夜間に放流すると情報が伝達確認しにくい。
豪雨は圧倒的に深夜に起きる。気温の低下で雲が低くなる。湿った空気と冷たい寒気がぶつかると積乱雲ができ豪雨になる。
ダムの役目は1.貯水 (農業用水、工業用水、生活用水.) 2.治水 (豪雨時にダムで貯水)、3.発電(設備投資は大きいが原料いらずで長年、発電出来る)
ダムの一番の目的は貯水であろう。渇水の年はダムが無いと生活ができない。山に植林すれば水源になると言う人がいる。ブナを植えて緑のダムにするとアホな事をいう人がいる。
ブナは水の豊富な所でないと育たないと言うのならわかるが、ブナを育てると分かるが水が切れるとすぐ葉が枯れる。広葉樹は降った雨の3割使う、気孔から空中に放出して乾燥を防いでいる。美人の肌は資生堂でなく広葉樹が作ると言っても過言でない。
降った雨は山の岩石に沁み込み保水する。
治水は、ダムの目的には必ず書いてある。しかし、昨今の豪雨には治水効果は望めない。
九州は600mmから800mm降った。ダムは流域面積に150mm降れば満水になる。
空のダムが4か所ないと吸収できない雨量だった。
しかも、梅雨に入っていてダムレベルは80%あった。貯水代は20%しかない。降った雨は全量流すしかなかった。球磨川沿いはV字型の渓谷で鉄道と国道が走っている。日本の各地で見られる光景だ。渓谷部は狭窄部で流れが抑制され上流が吐ききれないので土手が越流決壊した。千曲川、球磨川
渓谷部を拡幅するのは景観も悪くなり山を崩さないといけない。
水力発電は電力会社、電源開発(J-POWER)や企業、都道府県、市町村が持っている。
東京都もダムと発電所がある。小池知事が出川哲郎の充電させてくださいの番組にでて奥多摩のダムと発電所は東京都が所有、管理していると言っていた。
私の勤めていた会社も5ケ所水力発電所を持っていた。(発電所は無人で遠隔操作、監視)
昔は環境問題や立ち退き補償も企業で出来る金額だったのであろう。
降雨量と被害、避難の目安
1. 100mm-150mm 内水氾濫起こす。床下浸水 低い所は車が浸かる前に避難
2. 150mm小さな川氾濫 道路冠水、氾濫してから避難は難しい。ダム放流開始
3. 200mm.-250mm大きな川も弱い箇所は氾濫、決壊 家屋浸水
4. 400mm-450mm.堤防越流決壊、家屋1階水没 山際土砂崩れ。流木で橋破壊
5. 600mm各地で甚大な被害 道路、橋、電気、水道インフラ壊滅
今はダムも観光資源でダムマニアも多い。山奥まで車で尋ね歩く。
ダムカードが発行されるので集める。 ダムの写真、放流写真、ダムカレーを食す。
私のお気に入りの中にもダム好きがいる。女性のようだ。
アルフィの坂崎氏が30年前にダムが好きだと言っていた。あの頃から愛好者はいたのか?