＊ いつもと変らない時間が流れて行った・・ ＊

事故渋滞に合い、いつもよりは二時間も遅く、帰省チームが帰って来た。一人には広すぎた家の中が、
一気に賑やかになり華やかになった。

少し寂しくて、少しは開放感が嬉しくて・・そんな休日が終った。　
そして今日も、今までと変らない時間が流れて行った。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

義母は実家の母よりは四つ年上、八十七歳になる。　一度入院をしたことがあるが今は平常に暮らしている。
寝込む事無く、年を重ねているので有難いな・・と心から思う。
いざと言っても、離れている私達はどれほどの事もして差し上げられないと思うから。
夫が言う。　「おふくろ声にハリがなくなったなぁ、トーンが少し落ちたようや」

実家の母は、いつも手芸で手を動かしている。　寝込んでは兄夫婦に迷惑をかけるからと、
ことさら健康に気をつかい自己管理をしている。　心がけに感心する。
そんな母だけれどお礼の電話をした時「こんなに何もしない夏は珍しい。　毎日ＴＶの子守や洗濯くらいしか」と言う。

一年、一年双方の母親の老いはそこかしこで感じている。　しかしいつも思う、兄夫婦のお陰で、
何の問題も無く仲良く暮らしていると言う事が、どれほど尊いものであるか。
そんな事へのお嫁さんの大変さを思うとき、核家族で緊張感の無い横着者の自分が恥かしく思う。

実家の兄嫁さんが言う。　「もし、例えお母さんがどうにかあっても、お墓参りだけで帰ると言う事はしないで、遠慮なく帰って来て下さいね」と。　色々な思いがあったでしょうに、しっかり座を守っている。

まるで母がしてくれていたように、帰省する者の為にどう喜ばせてあげようかと、思いいっぱいに尽くして下さる。

ハイビスカスが大好きで育てておられる義姉。　そう言えば義姉が笑うとハイビスカスの花の明るさみたい・・。