早朝からお弁当を作って、夫と夫の姉と三人で三重は松阪まで出かける。
せっかくだから山越えで、七月に行った松阪の山奥香肌峡『命のみず』ちょうど無くなったしね。
奈良から三重の県境あたりへ来たら雨が降ってきた。 (えー!雨なんて聞いてない!)
「行こうぜ」 「ええよ」(自然の中で初秋の写真が撮れる・・)と密やかな期待に喜んだ私は裏切られた。
山道にはコスモスや山萩や葛の花、名も知らぬ花たちが雨に濡れひっそりと咲いている。
実った黄金の稲穂の上をとんぼの群れが行き交う。 川では雨の中アマゴ釣り。
本日の目的は松阪に住む義姉の友だちに、一年分のお米を分けて頂きに行く毎年の行事なのだ。
それだし義姉は写真には興味がないから、当然ながら後部座席の私の気持ちなんぞ知る由もなし。
(写真が撮れないよ~♪ 写真が撮りたいよ~♪)カメラをいじりながらぼそぼそと私は歌う、心の中で。
夫なら、(コスモス!)って言えば車を止めてくれるに違いないが義姉のいる手前言えない。
香肌峡に着くと多くの人が水を汲みに来ていた、それもたいていが夫婦連れ、かなり年齢層は高い。
今や、いい水を飲むことは健康の為にも不可欠と言っても過言でないポイントでもある。
ましてや時間がある人達には、良いと言われれば遠方でもドライブ方々一石二鳥でもあろう。
得意先の方の体験からお勧め、お付き合いながら、私の肝臓や健康にもいいかも知れないという、
願いとささやかな賭けで『命のみず』なるものを、時間をかけて汲みに来てくれるのだ。
それにしても何かと言うと雨やね、お父さん。
写真は撮れなかった大きな残念はあるけれど、夫の気持ちに免じて良しとしちゃえ。