日々雑感 ~写真と思い~

今日と言う日は、二度と来ない。 
だから今日を大切に・・そんな私のデジカメ散歩 

* 雲を追いかけて・・ * 

2010年08月28日 | 風景・お出かけ

 今日はなんて空が青いのだろう。 雲の白さにまるで子供のようにはしゃぐ私。 
猛暑日だけれど忘れさせてくれて、なんか心が大きな深呼吸、(そうや・・雲を追いかけて見よ!)

お盆帰省しないから神戸の夫人の所に伺うつもりが、「暑いし、しんどいから来ないでいいよ」と止められた。
しんどいのに気になっていたが、夫の都合などもあり電話を交わしながら今日になった、12時前に家を出る。

 

中央あたり、京セラドームがチラリ。

43号線

 

(飛行機や!) ピントを合わせる間がない! 

何かに似た形の雲はないかしら・・そう思いながら雲を探した。
ふんわりとした雲の優しさの中に母が見えたような。 お盆は帰省しなかったけれど。 
「今年は暑いね~、毎日保冷剤背中に背負っとるよ」精一杯兄夫婦に迷惑をかけまいと暑さに向い気を奮わせている母。
何かしら急にふわっと涙が込み上げてきた。 (帰ろう・・帰りたい・・会いたい)

雲が魚の様な気がして、まるで道案内してくれているような気がした。 

阪神高速・・

この辺を通る時、阪神淡路大震災をいつも思い出してしまう。 

神戸に来ると、雲の形が変わってきた。

夫人の住む復興市営住宅、 名残りのひまわりが一輪だけ・・ひっそりと迎えてくれた。

昨日作って冷凍していた保存食。 「日付書いとけよ」 夫に言われ、前回もそうしたが料理名と日付をつけた。
いつか帰りに「車の中で食べ」と言ってくれたチョコの箱、半年とっくに消費期限が過ぎていたり、「持って帰り」と、
頂きものの上等なお菓子の詰め合わせ、見ると賞味期限が、過ぎていたり。
仕方ないがこんな事柄に少しづつうとくなっておられる、悲しい気もするが受けとめなければいけない現実である。

4回目かな、最近お昼には回転寿司へ行くことにしている。 84歳にして初めて実現したのだ。
外へ連れ出してあげたいのと同時に、夫人も自分で食べたいネタをとるのが嬉しいみたいで。 結構食欲はありほっとする。
この間転んで腕時計のガラスが破損し買った神戸元町の時計やさんへ行きたいと言っておられたので行く。

夫は車で待ち、私と行ったが何十年来のおつきあいの時計やさんらしく、お店の方と結構話に花が咲いた。
ドイツ製の楕円形で期間がかかるが修理依頼し、新しい時計も買った。
自分からは行けないが、外へ連れ出してあげるとこうして懐かしい方にも出会えたり嬉しそうだ。
ちょこちょこ歩きで杖でないと歩けないがそれでも危ない。 これから外出そんなこともしてさしあげようと思った。 
転ばないようにかばいながら神戸元町商店街を歩く。 ちらっと、母とはもうこんなこと出来ないよねとそう思いながら。
兄嫁さんが、十二分に尽くして下さっていて、それでいいのだと言い聞かせる。
母と歩いても、母を知りつくしている兄嫁さんの普段の気配りにはもうとても叶わないと思うから。

帰ると「今度靴屋さんへ行きたい」「いいですよ」夫は長話が苦手で、いつも近くの温泉へ行き、時間を費やすのだ。 
夫人に呼ばれて寝室へ行った。 ご自分の宝石箱からネックレスや指輪を出して、
「もうしいひんし、誰にもあげる人ないし、あんたにあげる使うて」 (ちょっと驚いて即答できなかった)
(嫌ですそんなん) まるで形見のような気がして。 指のサイズが合わないけれど、複雑な気持ちでいただいた。

帰省するたびに、田舎の2人の母が少しづつ小さくなっているのを感じてはいるが、夫人の顔が少し細ったのに気づいた。
帰りには断っても車のところまでいつも送ってくれるが「いいですよ、もうここで」 「うん」すんなり返事をした。
それでもベランダからいつまでも手を振る姿には、後ろ髪惹かれる思いがして少しの間夫と沈黙になる、それはいつも。

陽が落ちるのが早くなった。 6時を過ぎるともう暮れてくる。 「嫌やな~」こうなると夫は何度もこの言葉を繰り返す。
(また早く行ってあげよう) 日が短くなると寂しいものだ。 しかし顔を見たからほっとした。

猛暑日13日目の大阪である。