ゴルフ場で撮った夫の写真。
夫は6時、迎えの車で丹波方面にゴルフに出かけた。 前の晩ゴルフ場の気温などを調べ、荷物を詰めるとき服装の調整をした。
ネットが出来なかったら私はどんな今を送っていただろうか、時々思う。 どれだけ生活の中に役だって、活かされているだろうか。
迎えの車を待つ間、雨がぱらっとした。 ん? 現地はまさか・・今日は雨予報はなかったぞ?
長女と出かける。 今日姉が晴れて退院するのだ。
千葉の妹の提案で、因島の妹と3人で花束をしようと近所の花キューピットさんに頼んでいた花を取りに行った。
姉が頑張ったのはもちろんだが、それ以上に頑張った姪っ子に送りたかった。
山城を過ぎると田園風景は今まさに黄金色、刈り取られた稲が干してあったり、子供の頃の田舎での家族の稲刈りを快く彷彿とさせる。
12時半、何度か食事したことのある姉の近所のお店が待ち合わせ場所。
「車かなぁ・・歩いて来るかなぁ」少し早く着き過ぎ、長女とそう言いながら待っていた。
姪っ子の後を、杖をつきながら姉が歩いてきた。
「歩いてる~! すご~い!」 春の手術前に励ましにと長女と出向き、このお店で食事をした。 帰りは長女の車で送ったのに。
足がO脚を越えた状態で、5分も歩けなかったのに。 カメラを向けながら、涙がぽろぽろ出てきた。
「おばちゃんが先に泣いてどうすんのよ」 姪っ子に笑われた。
長かった入院生活からの大きな解放感と、歩ける事の喜びで、有難うみんなのお陰やわ・・を何度も繰り返した。
「119日や、長かったなぁ」 食事をしながら義兄が言った。 「117日かと思ってた!入院日数を数えてメッセージカードに書いたわ」
4月の手術日に行ったので、入院した日からだと2日足りなかったのだ。 長かったので、調べて書いたつもりだったが、数えていた義兄。
(義兄さん数えてたんや・・) 胸がいっぱいになった。 入院の姉の長さもそうだろうが、家で待つ義兄は姉以上に長く感じられただろう。
しっかり治して帰ったらいい、ゆっくりしたらいいと言っていた義兄だったが
食事のお世話には姪っ子が通っていたが、仕事から帰った時、家庭で待っているべき妻は病院、延べにして4ヶ・・長い、本当に。
姉もしみじみと長かった・・と何度もつぶやく。 主婦にとっては家をあけることはどれだけ辛いことか、自分の為に動く家族を思うと尚更。
暑いとき、家や病院へと自転車で通った姪っ子。 母親と言えども細やかに両親の面倒をみていた。
食事の後姉の家に場所移動。 言わなくてもいいのに、「花を枯らしたので今朝買って来たん」 姪っ子は玄関に花で姉を迎えたのだ。
3人からの花束、姪っ子と。 姪っ子には”頑張ったで賞”
古い写真の整理をしていると言って私も知らない子供の頃の昔の写真をいっぱい出してきて、懐かしさで盛り上がった。
そんなとき、千葉の妹からFAXが入った。 姪っ子が恭しく読みあげ、姉もきょうつけして聞いた。
お礼の電話を千葉や因島にかけている。 長女は懐かしい写真をスマホで撮って千葉や因島へと送ったりして笑いが止まらない。
「いい退院の日になったわ」姉が嬉しそうに言った。
姉が最初の入院から5月退院した時、犬のコムギちゃんは実家であるお隣のペットショップであずかってもらっていた。
姉が夜中おトイレに起きたらコムギも起きて、ベッドで姉が戻って来るまで待っていたと言う。 姉が戻ると安心して自分の籠に入って寝るそうだ。
さすがだね・・そのコムギの散歩に義兄が行くようになったのだから人生変わった。
洗濯もしたことが無かったのに、洗濯は義兄の仕事になったようだ。 退院してまた8月入院するまで姉はお茶碗も全部義兄が洗ってくれたらしい。
洗濯だって、お茶碗洗ったことも一度もない義兄、どちらかと言うとむつかしめの義兄なのに。
ピンチはチャンス、何か出来湧くことがらは決して不幸では無く、その解決の為の日々は絶対何かをいい方向に替える、そう思っている。
義兄もだが、姉のことで息子たちも本当に兄弟が心を合わせている、感心するほどに。
私も、何度もお見舞いにきては兄弟たちに写真を撮って経過報告をした。 夏の入院は長く千葉と因島とお見舞いに行こうと、私と長女も加わり、
病院では4姉妹が揃った写真が撮れて、それを見た母が喜んだのは言うまでもない。
お世話をした姪っ子も結婚して間が無いが、変わったと言う。 義兄の家事た犬の散歩はリタイヤ後に活かされることだろう。
何よりも気難しいめの旦那さんがこれだけ変わったと言う事は、これからの夫婦の人生共に支えあい助け合う意味で大きな価値があると思う。
長かった・・みんなが心を寄せた。 歩ける・・これほどの感激があるだろうか。
紅葉の季節、秋を愛でる姉夫婦の姿がきっとある。
一番に実家の母に会いに行って、見せてあげたいと言う。 まずはめでたしめでたし。
さて、身内への姉のレポートは今日を編集して終わる。 最後の写真報告だ。
帰路はもう、感激いっぱい喜びいっぱい。