Lander Configurations - Of Smoke And Fire

圧倒的に暗いけど、同時に圧倒的に美しくもある、
死ぬ時/死に際に覚悟を決めて潔く受け入れてるような雰囲気さえ感じる、
ゴシックメタル風味があり、時にドリーミーでもあるポストロック作品。


◆Lander Configurations - Of Smoke And Fire
曲の後半でへヴィなパートが出てくるとはいえ、
この手の音楽としてはコードを掻き鳴らすパートが比較的少ない、
クリーントーンのアルペジオと情緒的なメロを弾く軽く歪ませたギター主体の、
ゴシック風味がある叙情的なポストロックなんですが、
曲によっては歌もありますし
ギターが単独でメロディーを弾くパートも多いので、
全体的にメロディアスで分かりやすく、
音数自体は少なくシンプルですが、
演奏が丁寧で繊細で巧みに組み立てられており、
洗練されていて説得力があり、
圧倒的に暗いけど、圧倒的に美しい…

いつもの変な例えをするならw、
雪山で遭難してそのまま力尽きて、
運命に逆らうことなく死ぬ事を潔く受け入れ、
天国の幻想見ながら浄化されていくような雰囲気の音楽でw
暗いのは間違いないですが、
同時にここまで美しいと形容出来る音楽も少ないと思うし、
諦めや悲しみから来る暗さではなく、
悟りから来る暗さ…一種の潔ささえ感じる暗さで、
全てを受け入れたような覚悟的な力強ささえあり、
死というものに、ただただ真っ直ぐに向き合ってるような雰囲気や、
天国に近づいて来てるようなドリーミーな雰囲気や尊ささえ感じますし、
演奏は感情/表情豊かで、強弱の付け方や演奏のアレンジも多彩で、
音数の多い/少ないとへヴィなパートとクリーンなパートとのコントラストの付け方など、
演奏面やアレンジの面は、いろいろ`巧さ`に溢れてます。

この手の音楽では分かりやすい方だとは思いますが、
人によっては暗過ぎたり、難解に感じたり、インパクトに欠けるかもですし、
一曲一曲が長くて似たような雰囲気の曲多いので、途中でダレる人も居るかもですが、
聞けば聞くほど深みに嵌っていくような、
独特の美しさがある素晴らしい作品だと思う。
Mogwaiのクリーントーン主体の曲が好きな人は勿論、
Lander Configurationsの方が洗練されていて繊細でシンプルでポストロック寄りだとはいえ、
One Second辺りの頃のParadise Lostに通じる聴後感がありますので、
ポストロック好きでゴシックメタルも好きな人なんかにもお勧めです。