戦時中の生活の苦しさを伝え、平和の大切さを訴える「戦時生活資料展」が、7月7日(金曜日)から9月6日(水曜日)まで、箕面市立郷土資料館(箕面6-3-1)で開催されています。
「戦時生活資料展」では、戦時中の新聞や雑誌のほか、国民服やもんぺなど、当時の生活の様子が伝わる資料93点が展示されており、その全てが戦時中に実際に使用されていたものです。
資料は、開戦から終戦までの時間の流れに沿って展示されています。開戦の証書や赤紙(臨時召集令状)に始まり、戦時中の服飾品や防火用品、最後は終戦を知らせる当時の新聞紙が展示され、資料展が締めくくられています。
また、展示室中央には軍事郵便が展示されており、当時の検閲制度を知ることができます。
今回は、資料と一緒に、戦時中に撮影された写真も展示されています。資料と写真をあわせて見ることで、当時の様子をより具体的にイメージすることができます。
この他にも、生徒が出征した兵士に宛てて書いた慰問文の下書きや、疎開の受け入れ書類など、今回初めて公開する資料も展示されています。
また、7月7日(金曜日)から8月23日(水曜日)までは、国宝級の至宝である「中尊寺経(紺紙金銀字交書一切経)」の特別公開も同時開催されています。
「中尊寺経」は、平安時代、奥州藤原氏が岩手県平泉町の中尊寺に奉納した写経で、一部が国宝にも指定されている貴重な資料です。中でも、箕面山瀧安寺に古くから伝わる「紺紙金銀字交書一切経」は、1126年に藤原清衡が奉納したものと言われており、その名のとおり、紺色の紙に銀で罫線を引き、一行おきに金字と銀字で交互に書写され、表紙の見返りには金銀の鮮やかな仏画が描かれている、豪華絢爛な経典です。
同資料館企画担当員の小川紗弥子(おがわさやこ、35歳)さんは、「展示している資料は全て、戦時中に実際に使用されていたものなので、汚れや傷跡などが生々しく残っています。これらの資料を近くで見ていただき、今、私たちが過ごす日常の平和について、見つめ直すきっかけにしてほしいです」と話しました。
(箕面公園に投下された米軍機の燃料タンク)
また、見学に来られていた古川よし(ふるかわよし、91歳)さんは、「資料と戦時中の写真をあわせて見ることで、当時の生活が厳しく制限されたものであったことを、改めて実感しました。戦争について考える良い機会になったので、1人でも多くのかたにこの企画展示を見てもらいたいですね」と話しました。
●企画展示「戦時生活資料展」
【期間】7月7日(金曜日)~9月6日(水曜日)※毎週木曜日休館
【時間】午前10時~午後5時
【場所】郷土資料館(箕面6-3-1、みのおサンプラザ1号館地下1階)
電話:072-723-2235 FAX:072-724-9694
【費用】無料
<平和について考える良い機会になるね!