歳を重ねると楽しいとか賢くなるとか・・・・みんな戯言なんだよ。

感じるままに、赴くままに、流れて雲のごとし

アメリカらしい映画だ・・・・

2014-10-25 | 映画

クリントイーストウッド。

好きな俳優。歳とってからの彼が好きだ。

どうしてかって?

そりゃあ・・・・男前だからだ。

「グラン・トリノ」「硫黄島からの手紙」「ミリオンダラーベイビー」「人生の特等席」・・・

80歳を超えてから、元気になって、ヤリたいコトを思いっきりやってる気がするんだ。

 

で、「ジャージーボーイズ」彼の最新作。

この映画は、一人で観たくなく、最もすきなひとと一緒に見たいと思っていた。

気持ちが伝わったのか、奇跡的に一緒に見ることができた。

ストーリーは大体、察しが付いていたし、なんだか安心して見られる映画だと思っていたのかもしれない。

 

でも、要所要所で・・・裏切りがあって、ふたりで顔を見合わせることのできた映画だった。

「予定調和」は基本的に好きではない。

でも、思いっきりハズされるとハラがたつ。

そんな訳だけれど、渋谷で観たんだ。

御多分に漏れず、アメリカ、1950年代の音楽業界でトップに立ったグループの話。

 

ニュージャージーの若者。野心的で無い奴の方がおかしいと思われた時代にこんなグループが存在しえたのだろうか・・・

普通はそんなはずはない!なんてリアリティに欠けてるとすべき映画なのに

そうは問屋が降ろさないのがイーストウッドの真骨頂。

 

成功と崩壊は、嫉妬心と金銭欲。

それをいかにクリアするか・・・・難問だ。

しかしこの映画はそれを見事にクリアした者たちを描いた映画なんだ。

ニュージャージーの田舎の暮らしぶりの描き方がいい。

時は1951年ごろ。

床屋の風景とクルマの存在感。

誰でもが夢を描いていたなんて嘘っぱちだけど、

いつの時代でも若者が明るい未来を描いて生きていたなんてありえない。

二十代の頃なんて絶望に打ちひしがれてわけで・・・明るい未来なんてどこにだって転がっていなかった。

芸能界デビューするためにはお金が必要。今も昔も変わんない。

このグループも同じ、金を工面するのは決まって見栄っ張りのリーダーやりたがるバカ。

そしてコヤツが全ての原因となる火種。

ここまでは見え透いた貧弱シナリオライターの書いた脚本。

 

ここからが、クリントイーストウッドの真骨頂なんだ。

今の若者は「自己主張」より「和」を選択するらしい。

チームワークだいじなんだよね。なんて言いながら逃亡するんだ。まあ、絶対に問題解決の方法の決定者にはなろうとしない。

みんなが賛成して失敗したんだから仕方ないよね・・・なんて、失敗することを恐れてなんかいやしないんだ。

いや、もう失敗することを最初から理解してやってるだけなんだろう。

 

この映画はそんな馬鹿でなまけものな若者にガツンと言っているだけの映画なんだ。

 

この歳より親父を感動させたりできる若者よでてこいって言ってる。