最近は、好きな女に告白する時に、
「愛してる」とは言わないらしい。
「愛させてほしい」と言うらしい。
なんだか、つまらない。
人を好きになるにも誰かの所為にしてしまわないといけないらしい。
片思いなんてもってのほか・・・らしい。
そんな気分での最中に読んだのが、
カズオ・イシグロの「日の名残り」。
「私を離さないで」以来の一冊。
ひどく落ち込む訳ではないけれど、
どこかで僕を呼んでる声が聞こえるんだ。
この人の小説を読むとね・・・・。
私を離さないで・・・を読み終えた後もそうだった。
私を離さないで!
そんな声が聞こえた。
存在を無視されることが最も怖い。にも関わらずにどんどん人から離れて行こうとする僕。
寂しさ、哀しさも、知っていながら、なをも離れていくココロ。
距離が大切。
冗談じゃない!意味、わかんない?
誰もが距離を縮めるために話をし抱き合い、罵り合ったりもしているというのに。
僕は・・・・抗い続ける。
それは、ホントの寂しさや大切さを知りたいだけなのかもしれない。
全てが終わらないと感じたりできない・・・って思ったからなんだ。
この二つの物語も回想で書かれている。
20%の肯定と80%の後悔。
比率など役には立たない。
過ぎ去った“時”は取り戻せないからだ。
償いもできない。
背負っていくしかないわけで、その辛さを持ちこたえられるかが
優しさになれば・・・それに越したことはない。
老いてもなを、“今”はある。
明日はない。
だから、考えてはいけない。
「感じる」のだよ。