歳を重ねると楽しいとか賢くなるとか・・・・みんな戯言なんだよ。

感じるままに、赴くままに、流れて雲のごとし

ホテルで過ごす日々は・・・・

2015-10-19 | 旅行

非日常が心を柔らかくする。

決まりきった直線の日々はカラダを硬直させてしまう。

神戸の定宿。

このホテルの客担当の動きは、なごませてくれる。

僕の客としての扱い方にだ。

 

そう、例えばチェックインの時、すでに2回目ぐらいの宿泊のとき、

フロントへ近づく僕に対して、アクションは起こさない。

いきなり荷物を持とうとやって来る客室担当。

僕としては嫌な気分になる・・・・。

そんな大荷物でもないのに・・・・。これ見よがしに、サービス満点でしょ!なんて声だかに叫んでいるようだ。

大切なものが入っているバッグを誰が他人に委ねたりするものか。

そんな客の気持ちなど想像できぬのだ。

 

彼女は違う。

カウンターに近づく僕をジッと観察している。

声を掛けるタイミングを見極める。

必要がないと判断したらじっと待っている。

 

部屋に案内する時も無駄口はない。

天気の話も、宿泊人数の話も・・・・尋ねれば、最小限の答えは返ってくる。

やがて、部屋の入り口に立ちカードキーを差し込む。

説明はない。2度目だからだ。

常連客だと判断した彼女の態度に僕はどことなく優越感を覚える。

部屋に入る。

 

前回の部屋と変わっていれば説明はするかもしれない。

今回はない。

 

日本旅館のように夕食時間の確認などはない。

当たり前。ここはホテルなのだから・・・・。

 

そう、僕はできるだけ構われたくない。

しかし、少しだけ寂しい気分も味わいたいのだ。

 

彼女の働くホテルが気に入っている。

軽やかに動き回り、周囲を観察しつくし、邪魔にならぬように、自分のサービスが相手に負担にならぬように

気配りをする。

 

そうなんだ。

最高のホスピタリティは客に負担を掛けぬ気配りを言うのだろう。