もともとが理論などと言うものとほど遠いところ、そんな処に身を置き、日々を過ごしてきた。
理屈に合わなくても特に不便ではなかった。
整然と理に適った事柄に出会うと・・・・「ウソだろ?」
とりあえず、思った。そんなはずはない・・・・。
大概にその通りだった。
理屈や理論はすべからく、割り切れなくてはならない。
端数が出ない様に初めから仕組まれているものなんだ。
一か月ぶりにバンド練習。
正直に言えば音楽理論などなくても楽しめる。音楽はね。
バンドもやっていけるのだ。
しかも、存分に楽しめる。
しかし
メンバーが4人ともなればそうは行かない。
世代も違うし、それぞれの暮らしの環境も違う。
一番年下。やっと40歳代に突入するギターリスト。
存在感は希薄。当たり前なのだ。
練習後の飲み会で、最近は音楽理論を振りまく。
はた迷惑な話なんだけれど・・・・それに付き合う。
しかしながら、その理論が正しいかどうかなんて問題ではないのだ。
練習曲をどれだけ聴き込むかどうかが問題なんだ。
別にこのバンドはオリジナル曲を作って売りだそうなんて思っているわけではない。
あくまでアマチュアバンドでありたいと思っている。
それは生活を維持するために懸命になって働きながらも好きな音楽を気の合う仲間とやっていこう
そんな意味なんだ。僕のアマチュアと言うのはね。
楽器の演奏スキルや歌の技術には当然のように落差がある。
その落差を埋めるべく彼は理論武装をしてしまう。
多分に誰からも責められるのが嫌なのだろう、間違っていると言われるのが怖いのだろう。
いくら理論を構築したってギターはうまくならない。
うまくなるにはどうすればいいのか?
馬鹿になればいいのだ。
馬鹿になって練習するしかないのだ。
考えてはダメ。想像するのだ。感じるのだ。
まずはペンタトニックで泣かなくてはいけない。
と、ベーシストが言った。
世の中にはいい見本が山のようにあるのだ。
かっては、ステージを観なければわからなかったことが、DVDで知ることができる。
音を見ることができるのだ。
時代は飽きれるくらい合理的にしかも陳腐に進んでしまっている。
真似事、模倣、すべてはそこから始まるのだ。
誰にも負けたくないから・・・・勝ちたいと思うには
まだ早すぎる。