正月早々に八戸へ行った。
仕事。
なんて言っても大した仕事ではない。
協賛するイベントの立ち合い。
暮れの26日から愚妻と一緒に過ごす時間が多かった。
だから、なんて言うつもりはないけれど、良いタイミングで独りになれる口実ができた。
独りの時間を自分と向き合う時間。
そんな、大それたことを言うつもりはない。
自分自身の発見の旅・・・などとJR東海のコマーシャルに易々と乗っかるつもりなどない。
自己など発見できた試などないからだ。
ただ、誰にも気を遣わずに過ごせる時間は尊いのだ。
でないと窒息死してしまうからだ。
社会との関わりは必要なんだと思う。
他人がいて自分がいる。それで安心できるのだから。
良い意味でも悪い意味でも・・・・
そんなことはどうでもよくて、空気を換えないと気分が変えられない。
単調な日々は安息をもたらす代わりに、煮詰まりすぎる危険も孕んだりする。
東京駅から東北新幹線に乗り込む。
ダウンジャケットを羽織るには暑すぎた。
マフラーもしていたけれどどうにもこうにも、汗が流れ始めた。
汗は嫌いだ。
正月4日だったから空席が目立った。
仙台すぎると僕しかその車両にはいなかったぐらいだ。
実に快適だった。
盛岡まで約2時間半。
ここから先は未開の地だった。
雨が降り始めて、八戸に到着。
そこから二駅行かなければならなかった。
しかし、
「青い森鉄道」なんて電車があるとはついぞ知らなかった。
時刻表には1時間に1本のペースしか走っていない。
八戸が終点なのだ。そして、青森まで行くJRの在来線はない。
第3セクターの経営のようだ。
40分の時間を駅の周りを徘徊。時間を潰した。
それなりの街のように聞いていたが何もない。
見事に何もない。新幹線の停車場だけのために作った駅なんだろう。
そして目的地へ行く列車がやってきた。
雨はいつの間にか雪に変わっていた。
午後の4時少し過ぎたばかり。でももう、闇に包まれようとしている。
空気が澄んでいるのか音の響きが良い。
ホームに入ってくる列車の警笛が耳をつんざく。
どことはなしに、遠くへ来たんだ・・・なんて思った。
凍えた空気は身体を引き締めてくれる。
そして、何よりも人を恋しくさせる。
何も満たされてはいないのに、
満たされてしまっているかのように誤解をする。
そんなに自分を、
雪降る空を見上げて
情けないなぁ~
と、思った。