映画「神々の山領」を観た。
エベレスト登頂に命をかけた登山家のお話。
ずっと前、FBで僕が書いたコメントに対して友人が返信した内容が
夢枕獏のこの映画の原作を読んだらいいです。と、書き込まれていて
ずっと、気になっていたからだ。
小説は読む気がしなかったので、映画を観ることにした。
がっつんと胸を打たれる内容の映画ではなかった。
でも、登山家の心の奥に潜む得体のしれぬ狂気を垣間見たような気がした。
山の所為にしては申し訳ない。
人間の山に対する狂気が存在するということだろう。
それがちょっとだけわかったような気がしただけなのかもしれない。
人の欲望。野心。
他の誰よりも優れていたい。
僕が一番なのだ・・・・優越意識。
どこまで行っても、見下したいのか・・・・だれを・・・・みんなを・・・
それで満足なのかい?
そんな疑問が湧き起ってしまう。
自然に対する畏敬の念。
ただ、眺めているだけでは満足できない。
それが人間なのだろうか・・・・
ただただ眺めて楽しめばいいじゃない。なんて思ってしまう。
いちどでも快感を味わうと、もっともっと素晴らしい快感か゜あるに違いない。
そして、そこに生死の境目が挟み込まれると快感度は加速されてしまう。
さらに、人の眼・・・注目が集まるとさらに倍増されてしまうようだ。
快楽は人間を弱くも強くもするものなのだろう。
最も困難、人には登れぬと断言された登山ルートを選択するのもその為かもしれない。
達成感などではない。征服感なのかもしれない。
どうしてか・・・・・仕事にしか達成感などというものはないからだ。
プロの登山家もいるだろうけれど・・・・登山に生産性は見当たらない。
この主人公もエベレスト登頂難攻ルートに憑りつかれ
世間の当たり前さに無関心になっていく。まるで悟りを開いた僧侶のようにだ。
達観したから幸せとはかぎらない。
生臭くドロドロと生きていくのが・・・やっぱりいい。