最近よく聞く
「トイレの神様」という歌。
今日初めて通しで聞きました。
身につまされました。
私の家には、私が生まれる前に田舎から出てきた、おばぁちゃんがいました。
二歳になっていた姉よりも、
生まれたばかりの私を可愛がり、
なぜか私びいき。
いつでもどんなに私が悪い時でも私の味方でした。
そんなおばぁちゃんの口癖は、
「トイレを綺麗にすると美人になれる」でした。
そう、この歌「トイレの神様」は
まるで自分のことが歌われているのでは??と思ったほど、
私と私のおばぁちゃんの関係にそっくりなのです。
母が働いていたので、私はおばぁちゃんに育てられていました。
「鴨南蛮」ではなく「醤油らーめん」を買い物帰りによく食べました。
やがて家族との生活を嫌い
家を出て独り暮らしを始めた私でしたが、月日は過ぎ
おばぁちゃんの介護をするために、実家に戻りました。
けれど、どんどん状態が悪くなっていくおばぁちゃんの自宅介護には
限界があり、施設でお世話になることになりました。
決断できずにいた父に代わり、
おばぁちゃんを施設に送っていったのは私でした。
施設に入るとおばぁちゃんは記憶を急速に消し始め、
けれど、私の名前だけは最後の最後まで忘れずにいてくれました。
おばぁちゃんの旅立ちは突然で、
誰も最後の時に間に合うことはできませんでした。
葬儀が一段落し、がらんとしたおばぁちゃんの仏間に、
ご近所のおばぁさんがお焼香にきてくれました。
「この家だけが、私をおいてくれるんだょ」
そのおばぁさんが教えてくれたおばぁちゃんの生前の口癖…。
わがままで気が強かったおばぁちゃんは
息子や娘の家を転々とし、我が家に落ち着きました。
亡くなって初めて、
私たち家族に遠慮していたことを知りました。
おばぁちゃんの存在はあまりにも当たり前で、
たくさん喧嘩もして遠慮なんてなかった私。
最後まで「ありがとう」と伝えたことはありませんでした。
でも、おばぁちゃんが教えてくれたたくさんのこと、
どうやら私の中に摺り込まれているようです。
畳のヘリは踏まない、
お箸の先は湯飲みで洗う、
お茶碗にご飯粒を残さない、
そしてトイレの神様を大事にすること。
私はべっぴんさんになれたのかしら(苦笑)
この歌を聴いて、
おばぁちゃんのことが大好きだったことを思い出しました。
そしておばぁちゃんも、私を大好きでいてくれたことを…。
もうすぐおばぁちゃんの七回忌です。