昨年から続いている、ちょっと昔の映画をレンタルしてみようキャンペーン(笑)中学くらいのときにテレビで少し見た気もするけれど・・・ちゃんと見たのは初めてです。ロビン・ウイリアムスの映画は結構好きだったんですがね。
【あらすじ】
いまを生きる - goo 映画より引用。
ネタばれがあるので注意してください。
59年、バーモントの全寮制学院ウェルトン・アカデミーの新学期に、同校のOBという英語教師ジョン・キーティング(ロビン・ウィリアムス)が赴任してきた。ノーラン校長(ノーマン・ロイド)の下、厳格な規則に縛られている学生たちは、このキーティングの風変わりな授業に、最初はとまどうものの、次第に行動力を刺激され、新鮮な考えに目覚めてゆくのだった。ある日生徒のニール(ロバート・ショーン・レナード)は学校の古い年鑑に、キーティングが学生時代に『デッド・ポエッツ・ソサエティ』というクラブを作っていたことを見つけ、ダルトン(ゲイル・ハンセン)やノックス(ジョシュ・チャールズ)らと共に、近くの洞窟でクラブを再開させる。ニールの同室である転校生のトッド(イーサン・ホーク)も、誘われるままそれに加わった。そして彼らは自らを語りあうことで自分がやりたいものは何か自覚してゆくのだった。ノックスはクリス(アレキサンドラ・パワーズ)という娘との恋を実らせ、ニールは俳優を志し『真夏の夜の夢』の舞台に立った。しかし父親(カートウッド・スミス)に反対され、陸軍士官学校に転校させられることになったニールは自ら命を絶った。この事件を捜査する学校側は、退学処分を切り札にデッド・ポエッツ・ソサエティのメンバーに証言を強要し、やがてそれは煽動者としてキーティングの責任問題に結びつけられ、彼は退職を余儀なくされる。キーティングが学院を去る日、トッドたちは校長の制止も聞かず机の上に立ちキーティングを見送る。それは彼らのせめてもの抵抗の証しであった。
よかった!なんでもっと若いときに見なかったんだろう。でも、今は今で・・学生目線でも共感できることもありますが、いろいろな目線から見ることができた気がします。映画は、さわやかすぎるし、心が痛くなるくらいに青臭い。そんなさわやかなところも暗い部分も、とてもよかった。規律が厳しい全寮制の男子校。そんな厳しい規律をかいくぐって(?)「死せる詩人の会」を結成し、活動するわけですが、その学校の規則には反しているかもしれませんが、詩の朗読の活動をするなんて、多少のおイタ(寮から抜け出したり、タバコ吸ったり)はあっても、なんて高尚な会なんだ!と思ってしまいます(笑)(もともとの頭が良いから、できることなんでしょうけどね)映画はこの後に悲劇が待ち受けているけれど、厳しい規則の中で、勉強や青春を謳歌する・・・素敵だな~と思いました。(私の場合は、歴史はあるけど地区トップ校というわけでもないし、ほかの学校よりは少し厳しかったかもしれないけれど、そこまでガチガチに厳しかったわけじゃない、「ほどほど」な学校だったしね~)
物語は、父親の反対を押し切って演劇に参加した一人の生徒ニールが、親に連れ戻されたときに自殺してしまうところから、一気に影の部分へと突入します。この劇だって、私(自称まじめ)からみれば「健全ではないか!」と思ってしまうのですが・・・。ニールの父親も、彼のことを思って、厳しくしてしまうのは、憎たらしいというわけではないというのもわかります・・・。けれど・・・なんであそこで少しでも褒めてあげないんだろう?認めてあげないのだろう?抱きしめてあげないのだろう?と思ってしまいます・・・。時代も国も違いますが・・・ニールと同じような子たちは日本にもたくさんいるんじゃないだろか?サインを強要する・・・似たような学校もあるのではないか?父親のことで相談されたキーティング先生も、学校が「扇動した」なんていう落ち度はないとは私は思いますが、それでも、もしかしたら防げたかもしれません。「死せる詩人の会」の友達も彼を助けてあげられたかもしれません。そしてニール本人にあと少しのガッツがあれば・・・とはいえそれも苦悩ゆえでしょう。誰も悪くないかもしれないし、みんなが悪かったのかもしれません・・・けど私はニールが自殺した一番の原因は、父親だとは思います・・・。息子の自殺の原因を学校や教師の責任にして、自分のことを省みないのか?!と思ったり・・。
もし、私が人の親になるという立場になることがあれば・・・規則や秩序を守ることも大事ですし、勉強ができないよりはできたほうがよいですが・・・もし自分の子供ができたなら自分の子供、あるいは私が関わった子供たちには、あのような立場にあったら、最後に机の上に立っている生徒の一人であってほしい・・・そう思います。(教室にいる全員が皆立っているわけじゃないのがリアルなんですよね・・・)
そして、ロビン・ウイリアムスはやっぱり良いな~と改めて思いました。コメディが一番彼が本領発揮をする分野だと思いますが、少し型破りだけれど生徒たちを暖かく見守り、本当の“知”というものを授けてくれる先生・・・こんな先生に会いたかったという先生ですし、ユーモラスがありつつもシリアス・・・そんな役が彼にはぴったりですね。若き日の(幼き?)イーサン・ホークもよかった!気弱なんだけど言うときは言う!という感じに成長していった転校生・・・彼が最後に勇気を振り絞って発した言葉と行動には涙が止まらなかったです。
邦題の『いまを生きる』とは、キーティングが生徒たちに語りかける詩の一部
Carpe diemというラテン語の英訳
seize the day(その日をつかめ)からきているのでしょう。原題は
Dead Poets Society・・生徒たちが復活・結成した
死せる詩人の会です。英語の題名がそのまま訳された題よりは、この邦題の方が良いかな~と思います。キーティングの名言はほかにも多かったので、一度原書にチャレンジしてみようと思います!