【わんちゃんの独り言】

毎日の生活の中で見たこと、聞いたこと、感じたこと、思いついたこと等々書き留めています
(コメント大歓迎デス・・・・・)

戦争を詠む 朝日新聞朝刊朝日歌壇より(毎週日曜日掲載)

2024-08-25 | 日記
朝日歌壇の入選歌(選者は馬場あき子さん、佐佐木幸綱さん、高野公彦さん、永田和宏さん)より、戦争を詠んだ歌を、わんちゃんが独断で選り抜きを。
☆⇒共選作
2024年8月掲載分より

馬場あき子選
薄暗い広島原爆資料館子の握る手が熱くなりゆく(川崎市)小林 美佐
【評】原爆資料館での親子の体験。無言の感銘が伝わる手の温度。
ガザ地区の瓦礫の山に人形や小さき靴がまた増えている(行方市)額賀  旭
戦友の墓参も絶えて娶(めと)らずに戦死せし叔父の墓洗ふなり(前橋市)荻原 葉月
弾痕の跡が腕(かひな)にしぼみをる父91歳入棺の日に(山形市)佐藤 豊子
☆校庭はガソリン芋の畝だった吾の記憶の終戦記念日(取手市)武村 岳男
 ガソリン芋とは?
 わが国のサツマイモは長年、農家の自家用の作物としてひっそりと作られてきた。 
 それが1931年 (昭和6年)以来の「15年戦争」の中で「重要国策作物」の一つになり、国の音頭で大増産されることになった。
  ただ用途は食糧としてではなかった。 当時の合言葉に「ガソリンの1滴は血の1滴」があった。
  軍国主義時代の日本の悩みは近代戦に不可欠なガソリンの極度の不足だった。
  そこでサツマイモとジャガイモから燃料用の無水アルコールを作り、ガソリンに混入することになった。

佐佐木幸綱選
丁字橋の袂(たもと)の祖父の印刷屋を映画「ひろしま」が記録していた(光市)永井すず恵
【評】今年も広島被爆の日の八月六日が近づいてきた。「丁字橋」は米空軍の標的になったという相生橋のこと。
ミサイルを撃たれし病院次つぎと白衣の医師が瓦礫を運ぶ(観音寺市)篠原 俊則

高野公彦選
七割の基地の負担を沖縄に負はせ享受すあやふき平和(嘉麻市)野見山弘子
遊船のときどきよぎる沖遠く愛されず来る原子力空母(三浦市)秦  孝浩
【評】遊覧の船ならいいけれど、ときおり来る原子力空母は、はた迷惑。
退却を転進といふ論法でミサイル作る「防衛産業」(東京都)上田 国博

永田和宏選
被爆地と被曝地のあるこんな国ほかにないこと幼に教える(対馬市)神宮 斉之
6時間がウクライナとの時差なれば夜半(よわ)過ぎて知る今日の死者数(五所川原市)戸沢大二郎
豆単になかったlethal意味は「致死」例えばlethal autonomous weapons(自律
 型致死兵器)(大和郡山市)四方  護
☆校庭はガソリン芋の畝(うね)だった吾の記憶の終戦記念日(取手市)武村 岳男

【寄り道①】
★「ひばく(被爆)」とは、広く「爆撃を受けること」を意味することもありますが、一般的には原子爆弾や水素爆弾など、核兵器の爆発による被害を意味します。
特に「被爆者」と言う場合の「被爆」は、ほぼ核爆発による被害を意味します。実例としては、米国による1945年の広島市と長崎市の原爆投下による爆風や熱線、放射性物質による被害などがあります。
★「ひばく(被曝)」とは、人体が放射線にさらされることです。ニュースなどでは「被ばく」という表記の方がおなじみかもしれませんね。「曝」が平仮名で書かれるのは、常用漢字ではないためです。
「被曝」にあたるのは、原子力発電所の事故、核爆発、医療機器から出る放射線を直接浴びること、または放射線を浴びて放射性物質となったものを体内に取り込むことです。

【寄り道②】
朝日川柳 山丘春朗選2024-8-06
☆ゲンは今八十路(やそじ)を超えて胸におり(京都府 音羽豊)
【評】広島忌