戦争を詠む 朝日新聞朝刊朝日歌壇より2023-5-14~5/28 6/4~6/18
選者は高野公彦さん、永田和宏さん、馬場あき子さん、佐佐木幸綱さんです。☆印は共選作です。
高野公彦選
☆マイナンバーカードが電子徴兵に使われるかもしれない未来(観音寺市)篠原 俊則
★国民を管理し易くする恐ろしい制度であることは確かだ。
有事には標的となる原発をゆつくり隠しゆく海霞(村上市)鈴木正芳
★一首目、物静かに詠みつつ、怖い歌だ。新潟県には柏崎刈羽原発がある。
暖房の無き地下壕に新生児抱きて暖め続けし看護師(観音寺市)篠原俊則
☆南京で何もなかったと言うようにロシアはブチャをフェイクだと言う(光市)松本進
虐殺と破壊の記事の新聞を桃源郷の里に届ける(甲州市)麻生孝
社員募集 高給賞与あり食事付き業務は簡単な戦闘 ワグネル(朝霞市)岩部博道
「剣呑(けんのん)」という字に思うウクライナまたやって来る二年目の夏(寝屋川市)今西富幸
★「剣呑(けんのん)」⇒ 危険だと思うさま
戦中の産めよ殖やせよ思ひ出づ少子化対策と呼称変はれど(志摩市)田畑実彦
馬場あき子選
戦争はこうして静かに忍び寄る学術会議への人事介入(観音寺市)篠原 俊則
砲弾にかわり鳥らがとぶ空を大きく描くウクライナの子(西宮市)澤瀉和子
★ウクライナの子供たちが描いた絵を見た。広い空に夢の明るさがあり、砲火のかわりに鳥が楽しそうに飛んでいる。言葉以上に心に沁(し)みる絵だ。
焼け焦げた軍用車両を縫い歩む老女の髪に四月の氷雨(堺市)芝田義勝
☆戦争は人を殺すと徴兵を拒否したモハメド・アリを思う日(石川県)瀧上裕幸
☆南京で何もなかったと言うようにロシアはブチャをフェイクだと言う(光市)松本進
「ブチャ虐殺」市民の遺体にまで地雷仕掛(しか)けしはプーチンの軍隊(京都市)森谷弘志
五〇円を恥じらいながら義援金まだ見ぬウクライナへ囚徒の列は続く(名古屋市)西垣進
空爆の瓦礫の道のぬいぐるみ撫でたであろう幼い両手(出雲市)塩田直也
石垣の無口なタクシー運転手指さす先に新設の基地(枚方市)細美 哲雄
★観光目的で行ったのかもしれない石垣島で、無言で指さす運転手の視線の彼方(かなた)には真新しい立派な基地。緊張が走る。
五キロで踏むと爆発する地雷ゆゑ四キロの犬ウクライナを救ふ(京都市)森谷 弘志
★地雷が爆発する重量が五キロであることに改めて感銘を覚える。残酷な爆薬がはかりしれないほど埋められているのだ。
佐佐木幸綱選
☆メールにて徴兵をする時代まで開いてしまったこの戦争は(東京都)十亀 弘史
★ロシアでは、電子化した招集令状の通知を合法化する法改正案を可決した、との報道があった。
若き日に訪ねしキエフいまいづこキーウの映像追慕拒みて(西東京市)森岡修一
★昔たずねたのはキエフ。現在、映像で見るキーウはまったく過去とつながらない。
陥落でなく奪還のニュース聞く呼び名がキーウに変わりし都(西条市)丹佳子
★正反対を意味する陥落と奪還。
同胞(はらから)を弔ふ人を狙ひしや遺体に地雷仕掛けし悪魔(東京都)佐藤幹夫
☆戦争は人を殺すと徴兵を拒否したモハメド・アリを思う日(石川県)瀧上裕幸
★モハメド・アリはベトナム戦争に反対し、徴兵拒否をしたヘビー級ボクサー。
永田和宏選
☆メールにて徴兵をする時代まで開いてしまったこの戦争は(東京都)十亀 弘史
★十亀さん、そんな時代がもうすぐそこまで迫っている気がする。
闘うも妻子をつれて逃げるのも生きる道なれ哀しウクライナ(江別市)海老澤基
ハリコフの市民であらばわれはいかに振舞い得るか考えてみた(東京都)野上卓
ハリコフって?ハルキウ⇔こちら
数秒にいのちをかけてあざやかにマリーナ・オフシャンニコワの反戦(新潟市)太田千鶴子
マリーナ・オフシャンニコワ⇔こちら
「ひどいことしやがる」父は戦争を知る者が持つ声でつぶやく(和泉市)星田美紀
戦争もコロナも地震もコメントするタレント族の不可思議テレビ(横浜市)森秀人
日本語を学ぶと避難民たちはまず片仮名で名前を書けり(札幌市)住吉和歌子
カチューシャも黒い瞳もトロイカもあくがれ遠き歌声喫茶(東京都)清水由美子
「戦争」と言ふ季語はなく何どきも季も場所さへ選ぶことなし(香取市)嶋田 武夫
★成程(なるほど)、戦争は季語にはなり得ない。
バフムトの塹壕(ざんごう)戦の攻防を見つつ今宵も晩酌をする(五所川原市)戸沢大二郎
★戸沢さん、生と死の現場を、毎晩晩酌と共に見ているこの平和とは一体何なのだ、と。
ロシアにもウクライナにもいるだろう教え子の死を知りし教師が(観音寺市)篠原俊則
☆マイナンバーいつかはきっと徴兵の手段に利用される日のくる(宮崎市)木許裕夫
朝日歌壇の舞台裏こちら
うっとおしいこの季節に「こんなん届いたよ」と、さわやかな絵手紙見せてくれはりました。
👆 キッカワさんのお友だちからキッカワさん宛に。
👆 裕美子さんから
選者は高野公彦さん、永田和宏さん、馬場あき子さん、佐佐木幸綱さんです。☆印は共選作です。
高野公彦選
☆マイナンバーカードが電子徴兵に使われるかもしれない未来(観音寺市)篠原 俊則
★国民を管理し易くする恐ろしい制度であることは確かだ。
有事には標的となる原発をゆつくり隠しゆく海霞(村上市)鈴木正芳
★一首目、物静かに詠みつつ、怖い歌だ。新潟県には柏崎刈羽原発がある。
暖房の無き地下壕に新生児抱きて暖め続けし看護師(観音寺市)篠原俊則
☆南京で何もなかったと言うようにロシアはブチャをフェイクだと言う(光市)松本進
虐殺と破壊の記事の新聞を桃源郷の里に届ける(甲州市)麻生孝
社員募集 高給賞与あり食事付き業務は簡単な戦闘 ワグネル(朝霞市)岩部博道
「剣呑(けんのん)」という字に思うウクライナまたやって来る二年目の夏(寝屋川市)今西富幸
★「剣呑(けんのん)」⇒ 危険だと思うさま
戦中の産めよ殖やせよ思ひ出づ少子化対策と呼称変はれど(志摩市)田畑実彦
馬場あき子選
戦争はこうして静かに忍び寄る学術会議への人事介入(観音寺市)篠原 俊則
砲弾にかわり鳥らがとぶ空を大きく描くウクライナの子(西宮市)澤瀉和子
★ウクライナの子供たちが描いた絵を見た。広い空に夢の明るさがあり、砲火のかわりに鳥が楽しそうに飛んでいる。言葉以上に心に沁(し)みる絵だ。
焼け焦げた軍用車両を縫い歩む老女の髪に四月の氷雨(堺市)芝田義勝
☆戦争は人を殺すと徴兵を拒否したモハメド・アリを思う日(石川県)瀧上裕幸
☆南京で何もなかったと言うようにロシアはブチャをフェイクだと言う(光市)松本進
「ブチャ虐殺」市民の遺体にまで地雷仕掛(しか)けしはプーチンの軍隊(京都市)森谷弘志
五〇円を恥じらいながら義援金まだ見ぬウクライナへ囚徒の列は続く(名古屋市)西垣進
空爆の瓦礫の道のぬいぐるみ撫でたであろう幼い両手(出雲市)塩田直也
石垣の無口なタクシー運転手指さす先に新設の基地(枚方市)細美 哲雄
★観光目的で行ったのかもしれない石垣島で、無言で指さす運転手の視線の彼方(かなた)には真新しい立派な基地。緊張が走る。
五キロで踏むと爆発する地雷ゆゑ四キロの犬ウクライナを救ふ(京都市)森谷 弘志
★地雷が爆発する重量が五キロであることに改めて感銘を覚える。残酷な爆薬がはかりしれないほど埋められているのだ。
佐佐木幸綱選
☆メールにて徴兵をする時代まで開いてしまったこの戦争は(東京都)十亀 弘史
★ロシアでは、電子化した招集令状の通知を合法化する法改正案を可決した、との報道があった。
若き日に訪ねしキエフいまいづこキーウの映像追慕拒みて(西東京市)森岡修一
★昔たずねたのはキエフ。現在、映像で見るキーウはまったく過去とつながらない。
陥落でなく奪還のニュース聞く呼び名がキーウに変わりし都(西条市)丹佳子
★正反対を意味する陥落と奪還。
同胞(はらから)を弔ふ人を狙ひしや遺体に地雷仕掛けし悪魔(東京都)佐藤幹夫
☆戦争は人を殺すと徴兵を拒否したモハメド・アリを思う日(石川県)瀧上裕幸
★モハメド・アリはベトナム戦争に反対し、徴兵拒否をしたヘビー級ボクサー。
永田和宏選
☆メールにて徴兵をする時代まで開いてしまったこの戦争は(東京都)十亀 弘史
★十亀さん、そんな時代がもうすぐそこまで迫っている気がする。
闘うも妻子をつれて逃げるのも生きる道なれ哀しウクライナ(江別市)海老澤基
ハリコフの市民であらばわれはいかに振舞い得るか考えてみた(東京都)野上卓
ハリコフって?ハルキウ⇔こちら
数秒にいのちをかけてあざやかにマリーナ・オフシャンニコワの反戦(新潟市)太田千鶴子
マリーナ・オフシャンニコワ⇔こちら
「ひどいことしやがる」父は戦争を知る者が持つ声でつぶやく(和泉市)星田美紀
戦争もコロナも地震もコメントするタレント族の不可思議テレビ(横浜市)森秀人
日本語を学ぶと避難民たちはまず片仮名で名前を書けり(札幌市)住吉和歌子
カチューシャも黒い瞳もトロイカもあくがれ遠き歌声喫茶(東京都)清水由美子
「戦争」と言ふ季語はなく何どきも季も場所さへ選ぶことなし(香取市)嶋田 武夫
★成程(なるほど)、戦争は季語にはなり得ない。
バフムトの塹壕(ざんごう)戦の攻防を見つつ今宵も晩酌をする(五所川原市)戸沢大二郎
★戸沢さん、生と死の現場を、毎晩晩酌と共に見ているこの平和とは一体何なのだ、と。
ロシアにもウクライナにもいるだろう教え子の死を知りし教師が(観音寺市)篠原俊則
☆マイナンバーいつかはきっと徴兵の手段に利用される日のくる(宮崎市)木許裕夫
朝日歌壇の舞台裏こちら
うっとおしいこの季節に「こんなん届いたよ」と、さわやかな絵手紙見せてくれはりました。
👆 キッカワさんのお友だちからキッカワさん宛に。
👆 裕美子さんから
白いモノが「花弁」か「総苞片」かはどっちでもいいんじゃないでしょうか?
『ラッキーどくだみ』を二つ見つけた!!
ソレですよ。
私は想像力を働かせて短歌を詠む能力はありませんが、NHKのニュース解説番組「持論、公論」をよく見ています。まさに現在の一般的な世論、意見等を公正、正当に解説していると思いました。
ハリコフ、バフムトの激戦地やマリーナ・オフシロニコワという女性反戦ジャーナリストなどが歌の題材になっています。
私の「持論」ですがビートルズのような世界に影響を与えた反戦グループの新しい歌が詠まれることを願っています。
・・私の御託ですが・・絵手紙のドクダミの花弁5枚ですが、花弁(かべん)と思われている白い花びらのようなものは・・・総苞片(そうほうへん)で、葉が変化したものです。
ドクダミには花弁(はなびら)も萼(がく)もありません。 真ん中にある筒状のものは、花穂(かすい・・・私はカホと発音していました)といい、その中に黄色い雄しべ3本と、白い雌しべ1本が集合体のように重なり花穂を形成しています。
私は「らんまん」の万太郎ではありませんが、花の「花びら」の形、色、などが多種多様であることが面白いと思いました・・短歌も同様ですか??・・・