いよいよアーロン・ネヴィルのビルボードライヴ東京公演が近づいてまいりました。言わずと知れた、ニューオーリンズの至宝、ゴールデンヴォイスのアーロン・ネヴィルです。当ブログといたしましては、ここで直前予習特集として代表作をピックアップしたいところなのですが、なんか今さらアーロン・ネヴィルの王道を追っても面白くないかな?と思いまして、今回は敢えて「アーロン・ネヴィルの課外活動」と題しまして、彼のオリジナル・アルバム以外に収録された楽曲を紹介してみたいと思います。ライヴの予習にはまったくならないと思いますのであしからず。
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CRY LIKE A RAINSTRM - HOWL LIKE THE WIND / LINDA RONSTADT (FEATURING AARON NEVILLE)
アーロン・ネヴィルの代表曲とも言える「Don't Know Much」を生んだリンダ・ロンシュタットの89年作。この「Don't Know Much」は世界中に数有る男女デュエット曲の中でも最上級に位置する名作の一つでしょうね。アーロンにとっては67年の「Tell It Like It Is」のヒット以来、思うに任せなかったソロ活動がこの曲の大ヒットによって新たな道へと進んだ記念すべき作品と言えるでしょう。リンダとアーロンのデュエットは、「Don't Know Much」、「All My Life」、「I Need You」、そしてサム&デイヴのカヴァー「When Something Is Wrong With My Baby」の4曲が収録され、どれも本当に素晴らしい。しかも「Don't Know Much」は89年度のグラミー賞『Best Pop Performance By A Duo Or Group With Vocal』部門を受賞。そして翌年にシングルカットされた「All My Life」が同部門において2人を2年連続のグラミー受賞に導いてます。
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VA / RHYTHM COUNTRY & BLUES
これはブルース/ソウル系シンガーとカントリー系シンガーとの共演によって米ルーツ・ミュージックの素晴らしさを愛情いっぱいに描いた94年の傑作企画盤。プロデュースはドン・ウォズ。BBキング&ジョージ・ジョーンズ、アラン・トゥーサン&チェット・アトキンス、ナタリー・コール&リーバ・マッキンタイヤ、グラディス・ナイト&ヴィンス・ギル、アル・グリーン&ライル・ラヴェットなどなど、数々の魅力的な共演が納められていますが、アーロン・ネヴィルはトリーシャ・イヤウッドとパッツィ・クラインのヒット曲「I Fall to Pieces」をデュエット。これも素晴らしいデュエット。特にトリーシャ・イヤウッドに優しく寄り添い包み込むようなアーロンの歌声に参ります。何度聴いてもトロットロです。この曲で94年度のグラミー賞『Best Country Vocal Collaboration』部門を受賞しています。
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MUSIC FROM THE MOTION PICTURE "PHENOMENON"
ジョン・トラボルタが主演した映画「フェノミナン」のサントラと言えば、やはりエリック・クラプトンの「Change The World」となるんでしょうが、ここにもアーロン・ネヴィルの名唱が収録されています。曲はヴァン・モリソンの名曲「Crazy Love」。ギターはロビー・ロバートソン。こんなの悪い訳がありません。ちなみにロビー・ロバートソンと言えば、アーロンは彼の2ndソロ作「STORYVILLE」にも参加し、印象的なバック・コーラスを披露していますね。そう言えばこの「Crazy Love」、09年にネヴィル・ブラザーズがフジロックに出演した時も、アーロンはこの曲を歌っていましたね。お気に入りの曲なのかもしれません。
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THE BODYGUARD ORIGINAL SOUNDTRACK ALBUM
もう一つ映画のサントラから。こちらはホイットニー・ヒューストン主演の「ボディガード」。「ボディガード」と言えば、ホイットニーの「I Will Always Love You」な訳ですが、このサントラにも我らがア-ロン・ネヴィルの素晴らしい歌声が収録されています。と言ってもホイットニーとのデュエットではないですよ。フュージョン・サックス奏者ケニー・Gとのコラボです。曲は「Even If My Heart Would Break」。これがまた良いんですよ。アーロンはどっぷりとした曲も良いですが、こういう爽やかな曲も最高ですね。この曲はケニー・Gのソロ・アルバム「BREATHLESS 」にも収録されています。
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JOHN SCOFIELD / THAT'S WHAT I SAY
ジョン・スコフィールドがレイ・チャールズをトリビュートした05年作。アーロンは、ドクター・ジョン、メイヴィス・ステイプルズ、ジョン・メイヤー、ウォーレン・ヘインズと共にゲスト参加し、このゲストと共に「What'd I Say」を歌い繋いでいきます。この豪華ヴォーカル・リレーが最高なのはもちろんですが、そのなかでアーロンの個性というのはやはり異質な程に輝いてます。そしてアーロンがソロで歌うスロー・ナンバー「You Don't Know Me」。ジョンスコのしっとりとして甘味なジャズ・ギター、そこにアーロンのゴールデンヴィス、まさに極上です。 またこのアルバムは、スティーヴ・ジョーダン&ウィリー・ウィークスのリズム隊、ラリー・ゴールディングスのオルガンなど、バック陣も充実ですし、もちろんジョンスコのギターも素晴らしく、かなりの名盤です。
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VA / HURRICANE RELIEF COME TOGETHER NOW
05年のハリケーン・カトリーナ被災におけるチャリティー・アルバム。大勢のアーティストが歌い継ぐタイトル曲「Come Together Now」や、ノラ・ジョーンズ&ワイクリフ・ジーンによる「Any Other Day」など話題曲を含む35曲収録の2枚組。ただし新録とは限らないんですけどね。で、アーロン・ネヴィルはジョン・メイヤーとのコラボで「Heart So Heavy」。リード・ヴォーカルはアーロンで、ジョンはバックに徹していますが、ジョン陣営にアーロンが客演した印象。ちなみにネヴィル・ブラザーズも今作に参加していまして、ライヴ録音による「Brothers」を提供しています。これも素晴らしい!
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VA / HIGHER GROUND HURRICANE RELIEF BENEFIT CONCERT
もう一つカトリーナ被災のチャリーティー・アルバムを。こちらはウィントン・マルサリスを中心にリンカーン・センターで行なわれたベネフィット・コンサートの模様を収録したライヴ盤。ダイアナ・クラール、ジェイムス・テイラー、ノラ・ジョーンズ、バックウィート・ザディコ、カサンドラ・ウィルソンなどが参加。アーロン・ネヴィルは、アート・ネヴィルとアラン・トゥーサンとの共演で「Go To The Mardi Gras」を歌っています。この3人が一緒に「Go To The Mardi Gras」をやるなんて嬉しいですよね。特にアート・ネヴィルのオルガンと、アラン・トゥーサンのピアノの絡みなんか、ちょっと感慨深かったり。
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WILLIE NELSON & FRIENDS / STARS & GUITARS
アーロン・ネヴィルの歌う「Stardust」と言うと、映画「レインマン」に使われ、後にアーロンのベスト盤にも収録されたロブ・ワッサーマンとの録音が有名かもしれませんが、こちらはウィリー・ネルソン&フレンズによるライヴの一コマ。どういう企画なのかよく知らないんですが、シェリル・クロウ、ノラ・ジョーンズ、キース・リチャーズ、ライアン・アダムス、ヴィンス・ギル、エミルー・ハリスなど超豪華出演者が集まっています。そんなかアーロンはこのホーギー・カーマイケルの大スタンダード曲で完全に自分の世界を作りあげています。ソウルやカントリーを歌うアーロンも良いですが、こういう曲を歌うアーロンも素敵なのです。
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PAVAROTTI & FRIENDS
92年に、オペラ界の大家ルチアーノ・パヴァロッティがロック/ポップス界からゲストを招いて行なった「パヴァロッティ・インターナショナル・チャリティ・ガラ・コンサート」の模様を納めたライヴ盤。スティング、ブライアン・メイ、ズッケロ、スザンヌ・ベガなどが出演。ここでアーロン・ネヴィルは「Ave Maria」を披露。残念ながらパヴァロッティとのデュエットではありませんが、オーケストラをバックにゆったりと天へと昇るような歌唱を聴かせてくれます。本当に素晴らしい! ちなみにネヴィル・ブラザーズも出演していまして、シリルが歌う「One More Day」が収録されています。
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STAY AWAKE VARIOUS INTERPRETATIONS OF MUSIC FROM VINTAGE DISNEY FILMS
ディズニー物って意外と侮れませんよね。こちらは88年にハル・ウィルナーがプロデュースしたもので、ディズニー映画などの名曲を、リンゴ・スター、ボ二ー・レイット、トム・ウェイツ、ジェイムス・テイラー、ロス・ロボスなど魅力的な面子が歌ったアルバム。そもそも楽曲自体が名曲揃いなうえ、トム・ウェイツが「Heigh Ho」を歌ってたりでかなり面白い! で、アーロン・ネヴィルはドクター・ジョンの鍵盤をバックに「Mickey Mouse March」。これなんかも珍品の一種な感じですが、アーロンが歌えば可愛いミーキーのマーチも極上この上ない世界になるから堪りません。
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DANIEL LANOIS / ACADIE
ネヴィル・ブラザーズの「YWLLOW MOON」を大傑作へと導いたプロデューサー、ダニエル・ラノワ。彼が「YWLLOW MOON」と同時期にニューオーリンズで録音したソロ作。ラストを締めるアーロンの歌う「Amazing Grace」の素晴らしいこと! その歌唱はネヴィル・ブラザーズでお馴染みのアーロン節そのものでありながら、ここではまったく別次元の神秘性を秘めたトラックへと昇華されています。やはり恐るべしはダニエル・ラノワ。アーロンのベルベットヴォイスと、ダニエルの魔術的なサウンド・メイキングが織りなす悠久の美しさ。
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JOHNNY ADAMS / MAN OF MY WORD
ネヴィル・ブザーズ自伝の中で、アーロンが最も好きだった仕事の一つと語るのがジョニー・アダムスとのデュエット。この方もニューオーリンズを代表するソウル・シンガーの一人。そしてそのデュエットこそ、彼の最後のアルバムとなった98年のアルバムに収録された「Never Alone」。2人の共演は、アーロンが「サム・クックのいたソウル・スターラーズのスタイルで歌っている」と語る通り、クラシカルなゴスペル・スタイル。アーロンのファルセットを交えた黄金ヴォイスに、ジョニーの太くソウルフルな声が割って入ってくる瞬間、ゾクっときます。これも名演!
思いつくままに挙げてみましたが、もちろんまだまだありますよ。TAKE 6 の「STANDARD」にも客演していますし、私は未聴ですがジミー・ロジャーズやドク・ポーマスのトリビュート盤にも参加しているそうですし。さらにバック・コーラスで参加したものまで堀り起したらそれこそ切りがないですからね。という訳で今日のところはこの辺で。
Aaron Neville - Who Dat? (The History Of The Saints)
最後におまけ。とは言え、アーロン・ネヴィルの課外活動と言って一番しっくりくるのはこれかもしれません。ニョーオーリンズのフットボール・チーム、ニューオーリンズ・セインツの応援歌。80年代の録音。この曲、聴きたかったんですよ~。まだ iTunes も YouTube も無い時代、レコードコレクターズ誌のネヴィル・ブラザーズ特集でこの曲の存在を知って以来、日本じゃ絶対買えないし、聴けないんだろうな、と思ってましたが、今ではこうやって簡単にYouTubeで聴けちゃいますし、 iTunesで1曲買いすることも出来ちゃう。ただいくつかヴァージョンがあるようで、私が iTunes で買ったものと、このYouTubeで聴けるものとはちょっと違うんですけどね。 ちなみに、この曲は2010年にも新たにリリースされているようで、それも iTunesで買うことが出来ます。良い時代になりましたね。
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CRY LIKE A RAINSTRM - HOWL LIKE THE WIND / LINDA RONSTADT (FEATURING AARON NEVILLE)
アーロン・ネヴィルの代表曲とも言える「Don't Know Much」を生んだリンダ・ロンシュタットの89年作。この「Don't Know Much」は世界中に数有る男女デュエット曲の中でも最上級に位置する名作の一つでしょうね。アーロンにとっては67年の「Tell It Like It Is」のヒット以来、思うに任せなかったソロ活動がこの曲の大ヒットによって新たな道へと進んだ記念すべき作品と言えるでしょう。リンダとアーロンのデュエットは、「Don't Know Much」、「All My Life」、「I Need You」、そしてサム&デイヴのカヴァー「When Something Is Wrong With My Baby」の4曲が収録され、どれも本当に素晴らしい。しかも「Don't Know Much」は89年度のグラミー賞『Best Pop Performance By A Duo Or Group With Vocal』部門を受賞。そして翌年にシングルカットされた「All My Life」が同部門において2人を2年連続のグラミー受賞に導いてます。
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VA / RHYTHM COUNTRY & BLUES
これはブルース/ソウル系シンガーとカントリー系シンガーとの共演によって米ルーツ・ミュージックの素晴らしさを愛情いっぱいに描いた94年の傑作企画盤。プロデュースはドン・ウォズ。BBキング&ジョージ・ジョーンズ、アラン・トゥーサン&チェット・アトキンス、ナタリー・コール&リーバ・マッキンタイヤ、グラディス・ナイト&ヴィンス・ギル、アル・グリーン&ライル・ラヴェットなどなど、数々の魅力的な共演が納められていますが、アーロン・ネヴィルはトリーシャ・イヤウッドとパッツィ・クラインのヒット曲「I Fall to Pieces」をデュエット。これも素晴らしいデュエット。特にトリーシャ・イヤウッドに優しく寄り添い包み込むようなアーロンの歌声に参ります。何度聴いてもトロットロです。この曲で94年度のグラミー賞『Best Country Vocal Collaboration』部門を受賞しています。
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MUSIC FROM THE MOTION PICTURE "PHENOMENON"
ジョン・トラボルタが主演した映画「フェノミナン」のサントラと言えば、やはりエリック・クラプトンの「Change The World」となるんでしょうが、ここにもアーロン・ネヴィルの名唱が収録されています。曲はヴァン・モリソンの名曲「Crazy Love」。ギターはロビー・ロバートソン。こんなの悪い訳がありません。ちなみにロビー・ロバートソンと言えば、アーロンは彼の2ndソロ作「STORYVILLE」にも参加し、印象的なバック・コーラスを披露していますね。そう言えばこの「Crazy Love」、09年にネヴィル・ブラザーズがフジロックに出演した時も、アーロンはこの曲を歌っていましたね。お気に入りの曲なのかもしれません。
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THE BODYGUARD ORIGINAL SOUNDTRACK ALBUM
もう一つ映画のサントラから。こちらはホイットニー・ヒューストン主演の「ボディガード」。「ボディガード」と言えば、ホイットニーの「I Will Always Love You」な訳ですが、このサントラにも我らがア-ロン・ネヴィルの素晴らしい歌声が収録されています。と言ってもホイットニーとのデュエットではないですよ。フュージョン・サックス奏者ケニー・Gとのコラボです。曲は「Even If My Heart Would Break」。これがまた良いんですよ。アーロンはどっぷりとした曲も良いですが、こういう爽やかな曲も最高ですね。この曲はケニー・Gのソロ・アルバム「BREATHLESS 」にも収録されています。
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JOHN SCOFIELD / THAT'S WHAT I SAY
ジョン・スコフィールドがレイ・チャールズをトリビュートした05年作。アーロンは、ドクター・ジョン、メイヴィス・ステイプルズ、ジョン・メイヤー、ウォーレン・ヘインズと共にゲスト参加し、このゲストと共に「What'd I Say」を歌い繋いでいきます。この豪華ヴォーカル・リレーが最高なのはもちろんですが、そのなかでアーロンの個性というのはやはり異質な程に輝いてます。そしてアーロンがソロで歌うスロー・ナンバー「You Don't Know Me」。ジョンスコのしっとりとして甘味なジャズ・ギター、そこにアーロンのゴールデンヴィス、まさに極上です。 またこのアルバムは、スティーヴ・ジョーダン&ウィリー・ウィークスのリズム隊、ラリー・ゴールディングスのオルガンなど、バック陣も充実ですし、もちろんジョンスコのギターも素晴らしく、かなりの名盤です。
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VA / HURRICANE RELIEF COME TOGETHER NOW
05年のハリケーン・カトリーナ被災におけるチャリティー・アルバム。大勢のアーティストが歌い継ぐタイトル曲「Come Together Now」や、ノラ・ジョーンズ&ワイクリフ・ジーンによる「Any Other Day」など話題曲を含む35曲収録の2枚組。ただし新録とは限らないんですけどね。で、アーロン・ネヴィルはジョン・メイヤーとのコラボで「Heart So Heavy」。リード・ヴォーカルはアーロンで、ジョンはバックに徹していますが、ジョン陣営にアーロンが客演した印象。ちなみにネヴィル・ブラザーズも今作に参加していまして、ライヴ録音による「Brothers」を提供しています。これも素晴らしい!
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VA / HIGHER GROUND HURRICANE RELIEF BENEFIT CONCERT
もう一つカトリーナ被災のチャリーティー・アルバムを。こちらはウィントン・マルサリスを中心にリンカーン・センターで行なわれたベネフィット・コンサートの模様を収録したライヴ盤。ダイアナ・クラール、ジェイムス・テイラー、ノラ・ジョーンズ、バックウィート・ザディコ、カサンドラ・ウィルソンなどが参加。アーロン・ネヴィルは、アート・ネヴィルとアラン・トゥーサンとの共演で「Go To The Mardi Gras」を歌っています。この3人が一緒に「Go To The Mardi Gras」をやるなんて嬉しいですよね。特にアート・ネヴィルのオルガンと、アラン・トゥーサンのピアノの絡みなんか、ちょっと感慨深かったり。
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WILLIE NELSON & FRIENDS / STARS & GUITARS
アーロン・ネヴィルの歌う「Stardust」と言うと、映画「レインマン」に使われ、後にアーロンのベスト盤にも収録されたロブ・ワッサーマンとの録音が有名かもしれませんが、こちらはウィリー・ネルソン&フレンズによるライヴの一コマ。どういう企画なのかよく知らないんですが、シェリル・クロウ、ノラ・ジョーンズ、キース・リチャーズ、ライアン・アダムス、ヴィンス・ギル、エミルー・ハリスなど超豪華出演者が集まっています。そんなかアーロンはこのホーギー・カーマイケルの大スタンダード曲で完全に自分の世界を作りあげています。ソウルやカントリーを歌うアーロンも良いですが、こういう曲を歌うアーロンも素敵なのです。
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PAVAROTTI & FRIENDS
92年に、オペラ界の大家ルチアーノ・パヴァロッティがロック/ポップス界からゲストを招いて行なった「パヴァロッティ・インターナショナル・チャリティ・ガラ・コンサート」の模様を納めたライヴ盤。スティング、ブライアン・メイ、ズッケロ、スザンヌ・ベガなどが出演。ここでアーロン・ネヴィルは「Ave Maria」を披露。残念ながらパヴァロッティとのデュエットではありませんが、オーケストラをバックにゆったりと天へと昇るような歌唱を聴かせてくれます。本当に素晴らしい! ちなみにネヴィル・ブラザーズも出演していまして、シリルが歌う「One More Day」が収録されています。
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STAY AWAKE VARIOUS INTERPRETATIONS OF MUSIC FROM VINTAGE DISNEY FILMS
ディズニー物って意外と侮れませんよね。こちらは88年にハル・ウィルナーがプロデュースしたもので、ディズニー映画などの名曲を、リンゴ・スター、ボ二ー・レイット、トム・ウェイツ、ジェイムス・テイラー、ロス・ロボスなど魅力的な面子が歌ったアルバム。そもそも楽曲自体が名曲揃いなうえ、トム・ウェイツが「Heigh Ho」を歌ってたりでかなり面白い! で、アーロン・ネヴィルはドクター・ジョンの鍵盤をバックに「Mickey Mouse March」。これなんかも珍品の一種な感じですが、アーロンが歌えば可愛いミーキーのマーチも極上この上ない世界になるから堪りません。
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DANIEL LANOIS / ACADIE
ネヴィル・ブラザーズの「YWLLOW MOON」を大傑作へと導いたプロデューサー、ダニエル・ラノワ。彼が「YWLLOW MOON」と同時期にニューオーリンズで録音したソロ作。ラストを締めるアーロンの歌う「Amazing Grace」の素晴らしいこと! その歌唱はネヴィル・ブラザーズでお馴染みのアーロン節そのものでありながら、ここではまったく別次元の神秘性を秘めたトラックへと昇華されています。やはり恐るべしはダニエル・ラノワ。アーロンのベルベットヴォイスと、ダニエルの魔術的なサウンド・メイキングが織りなす悠久の美しさ。
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JOHNNY ADAMS / MAN OF MY WORD
ネヴィル・ブザーズ自伝の中で、アーロンが最も好きだった仕事の一つと語るのがジョニー・アダムスとのデュエット。この方もニューオーリンズを代表するソウル・シンガーの一人。そしてそのデュエットこそ、彼の最後のアルバムとなった98年のアルバムに収録された「Never Alone」。2人の共演は、アーロンが「サム・クックのいたソウル・スターラーズのスタイルで歌っている」と語る通り、クラシカルなゴスペル・スタイル。アーロンのファルセットを交えた黄金ヴォイスに、ジョニーの太くソウルフルな声が割って入ってくる瞬間、ゾクっときます。これも名演!
思いつくままに挙げてみましたが、もちろんまだまだありますよ。TAKE 6 の「STANDARD」にも客演していますし、私は未聴ですがジミー・ロジャーズやドク・ポーマスのトリビュート盤にも参加しているそうですし。さらにバック・コーラスで参加したものまで堀り起したらそれこそ切りがないですからね。という訳で今日のところはこの辺で。
Aaron Neville - Who Dat? (The History Of The Saints)
最後におまけ。とは言え、アーロン・ネヴィルの課外活動と言って一番しっくりくるのはこれかもしれません。ニョーオーリンズのフットボール・チーム、ニューオーリンズ・セインツの応援歌。80年代の録音。この曲、聴きたかったんですよ~。まだ iTunes も YouTube も無い時代、レコードコレクターズ誌のネヴィル・ブラザーズ特集でこの曲の存在を知って以来、日本じゃ絶対買えないし、聴けないんだろうな、と思ってましたが、今ではこうやって簡単にYouTubeで聴けちゃいますし、 iTunesで1曲買いすることも出来ちゃう。ただいくつかヴァージョンがあるようで、私が iTunes で買ったものと、このYouTubeで聴けるものとはちょっと違うんですけどね。 ちなみに、この曲は2010年にも新たにリリースされているようで、それも iTunesで買うことが出来ます。良い時代になりましたね。