いや、でもまだビーチ・ステージがあります。何だかんだで最近のサマソニはビーチが一番充実してますからね。ビーチの出演者が出揃わないとスケジュールは立てられないんですよね~。で、今回の発表で日曜のビーチへの出演がアナウンスされた WALK OFF THE EARTHって、最近YouTubeで動画が話題になっているというあのバンドですか?
Somebody That I Used to Know - Walk off the Earth (Gotye - Cover)
東京は武道館ですね。いやはや、まさに待望の来日公演でしょう。前回は「FEELS LIKE HOME」リリース後の05年ですからね。 その次のアルバム「NOT TOO LATE」をリリースした時は、早々にプロモ来日して抽選制のショーケース・ライヴを行ってくれたのは良かったのですが、その後、結局正式な来日公演は無し。さらにその次の「THE FALL」をリリースした時もプロモ来日時の抽選制ライヴのみ。そして今回、ようやく正式な来日公演が発表されました。実に7年振りです。アルバムを発表するごとに新たなノラ・ジョーンズ像を見せてきた彼女ですから、そのステージを観れなかったのは歯がゆかったですよね。ですが今回は観れます! 新作「LITTLE BROKEN HEARTS」を引っさげた彼女のステージを!
私はノラの1st作「COME AWAY WITH ME」や2nd作「FEELS LIKE HOME」には、その彼女の歌唱からどこか魔力的なトリップ感を感じさせられていました。しかし「NOT TOO LATE」以降はそれが薄まってきたかな?とも思っていました。具体的にどういう点か?と聞かれても答えられません。ほんの些細な印象です。ですが今作ではその魔力が戻ってきたように感じます。1曲目「Good Morning」でのかすれ気味な歌声から、その独特のフィーリングに五感を支配されていくような錯覚に陥り、その瞬間、うわ!これぞノラ・ジョーンズだ!と嬉しくなりました。落ち着いたトーンでありながら豊かなエモーションを湛えたノラの歌声。その響きはまるで微振動のようにジワジワと身体を侵してくる。この緩やかな刺激が心地良いんです。
CRY LIKE A RAINSTRM - HOWL LIKE THE WIND / LINDA RONSTADT (FEATURING AARON NEVILLE)
アーロン・ネヴィルの代表曲とも言える「Don't Know Much」を生んだリンダ・ロンシュタットの89年作。この「Don't Know Much」は世界中に数有る男女デュエット曲の中でも最上級に位置する名作の一つでしょうね。アーロンにとっては67年の「Tell It Like It Is」のヒット以来、思うに任せなかったソロ活動がこの曲の大ヒットによって新たな道へと進んだ記念すべき作品と言えるでしょう。リンダとアーロンのデュエットは、「Don't Know Much」、「All My Life」、「I Need You」、そしてサム&デイヴのカヴァー「When Something Is Wrong With My Baby」の4曲が収録され、どれも本当に素晴らしい。しかも「Don't Know Much」は89年度のグラミー賞『Best Pop Performance By A Duo Or Group With Vocal』部門を受賞。そして翌年にシングルカットされた「All My Life」が同部門において2人を2年連続のグラミー受賞に導いてます。
VA / RHYTHM COUNTRY & BLUES
これはブルース/ソウル系シンガーとカントリー系シンガーとの共演によって米ルーツ・ミュージックの素晴らしさを愛情いっぱいに描いた94年の傑作企画盤。プロデュースはドン・ウォズ。BBキング&ジョージ・ジョーンズ、アラン・トゥーサン&チェット・アトキンス、ナタリー・コール&リーバ・マッキンタイヤ、グラディス・ナイト&ヴィンス・ギル、アル・グリーン&ライル・ラヴェットなどなど、数々の魅力的な共演が納められていますが、アーロン・ネヴィルはトリーシャ・イヤウッドとパッツィ・クラインのヒット曲「I Fall to Pieces」をデュエット。これも素晴らしいデュエット。特にトリーシャ・イヤウッドに優しく寄り添い包み込むようなアーロンの歌声に参ります。何度聴いてもトロットロです。この曲で94年度のグラミー賞『Best Country Vocal Collaboration』部門を受賞しています。
MUSIC FROM THE MOTION PICTURE "PHENOMENON"
ジョン・トラボルタが主演した映画「フェノミナン」のサントラと言えば、やはりエリック・クラプトンの「Change The World」となるんでしょうが、ここにもアーロン・ネヴィルの名唱が収録されています。曲はヴァン・モリソンの名曲「Crazy Love」。ギターはロビー・ロバートソン。こんなの悪い訳がありません。ちなみにロビー・ロバートソンと言えば、アーロンは彼の2ndソロ作「STORYVILLE」にも参加し、印象的なバック・コーラスを披露していますね。そう言えばこの「Crazy Love」、09年にネヴィル・ブラザーズがフジロックに出演した時も、アーロンはこの曲を歌っていましたね。お気に入りの曲なのかもしれません。
THE BODYGUARD ORIGINAL SOUNDTRACK ALBUM
もう一つ映画のサントラから。こちらはホイットニー・ヒューストン主演の「ボディガード」。「ボディガード」と言えば、ホイットニーの「I Will Always Love You」な訳ですが、このサントラにも我らがア-ロン・ネヴィルの素晴らしい歌声が収録されています。と言ってもホイットニーとのデュエットではないですよ。フュージョン・サックス奏者ケニー・Gとのコラボです。曲は「Even If My Heart Would Break」。これがまた良いんですよ。アーロンはどっぷりとした曲も良いですが、こういう爽やかな曲も最高ですね。この曲はケニー・Gのソロ・アルバム「BREATHLESS 」にも収録されています。
JOHN SCOFIELD / THAT'S WHAT I SAY
ジョン・スコフィールドがレイ・チャールズをトリビュートした05年作。アーロンは、ドクター・ジョン、メイヴィス・ステイプルズ、ジョン・メイヤー、ウォーレン・ヘインズと共にゲスト参加し、このゲストと共に「What'd I Say」を歌い繋いでいきます。この豪華ヴォーカル・リレーが最高なのはもちろんですが、そのなかでアーロンの個性というのはやはり異質な程に輝いてます。そしてアーロンがソロで歌うスロー・ナンバー「You Don't Know Me」。ジョンスコのしっとりとして甘味なジャズ・ギター、そこにアーロンのゴールデンヴィス、まさに極上です。 またこのアルバムは、スティーヴ・ジョーダン&ウィリー・ウィークスのリズム隊、ラリー・ゴールディングスのオルガンなど、バック陣も充実ですし、もちろんジョンスコのギターも素晴らしく、かなりの名盤です。
VA / HURRICANE RELIEF COME TOGETHER NOW
05年のハリケーン・カトリーナ被災におけるチャリティー・アルバム。大勢のアーティストが歌い継ぐタイトル曲「Come Together Now」や、ノラ・ジョーンズ&ワイクリフ・ジーンによる「Any Other Day」など話題曲を含む35曲収録の2枚組。ただし新録とは限らないんですけどね。で、アーロン・ネヴィルはジョン・メイヤーとのコラボで「Heart So Heavy」。リード・ヴォーカルはアーロンで、ジョンはバックに徹していますが、ジョン陣営にアーロンが客演した印象。ちなみにネヴィル・ブラザーズも今作に参加していまして、ライヴ録音による「Brothers」を提供しています。これも素晴らしい!
VA / HIGHER GROUND HURRICANE RELIEF BENEFIT CONCERT
もう一つカトリーナ被災のチャリーティー・アルバムを。こちらはウィントン・マルサリスを中心にリンカーン・センターで行なわれたベネフィット・コンサートの模様を収録したライヴ盤。ダイアナ・クラール、ジェイムス・テイラー、ノラ・ジョーンズ、バックウィート・ザディコ、カサンドラ・ウィルソンなどが参加。アーロン・ネヴィルは、アート・ネヴィルとアラン・トゥーサンとの共演で「Go To The Mardi Gras」を歌っています。この3人が一緒に「Go To The Mardi Gras」をやるなんて嬉しいですよね。特にアート・ネヴィルのオルガンと、アラン・トゥーサンのピアノの絡みなんか、ちょっと感慨深かったり。
WILLIE NELSON & FRIENDS / STARS & GUITARS
アーロン・ネヴィルの歌う「Stardust」と言うと、映画「レインマン」に使われ、後にアーロンのベスト盤にも収録されたロブ・ワッサーマンとの録音が有名かもしれませんが、こちらはウィリー・ネルソン&フレンズによるライヴの一コマ。どういう企画なのかよく知らないんですが、シェリル・クロウ、ノラ・ジョーンズ、キース・リチャーズ、ライアン・アダムス、ヴィンス・ギル、エミルー・ハリスなど超豪華出演者が集まっています。そんなかアーロンはこのホーギー・カーマイケルの大スタンダード曲で完全に自分の世界を作りあげています。ソウルやカントリーを歌うアーロンも良いですが、こういう曲を歌うアーロンも素敵なのです。
PAVAROTTI & FRIENDS
92年に、オペラ界の大家ルチアーノ・パヴァロッティがロック/ポップス界からゲストを招いて行なった「パヴァロッティ・インターナショナル・チャリティ・ガラ・コンサート」の模様を納めたライヴ盤。スティング、ブライアン・メイ、ズッケロ、スザンヌ・ベガなどが出演。ここでアーロン・ネヴィルは「Ave Maria」を披露。残念ながらパヴァロッティとのデュエットではありませんが、オーケストラをバックにゆったりと天へと昇るような歌唱を聴かせてくれます。本当に素晴らしい! ちなみにネヴィル・ブラザーズも出演していまして、シリルが歌う「One More Day」が収録されています。
STAY AWAKE VARIOUS INTERPRETATIONS OF MUSIC FROM VINTAGE DISNEY FILMS
ディズニー物って意外と侮れませんよね。こちらは88年にハル・ウィルナーがプロデュースしたもので、ディズニー映画などの名曲を、リンゴ・スター、ボ二ー・レイット、トム・ウェイツ、ジェイムス・テイラー、ロス・ロボスなど魅力的な面子が歌ったアルバム。そもそも楽曲自体が名曲揃いなうえ、トム・ウェイツが「Heigh Ho」を歌ってたりでかなり面白い! で、アーロン・ネヴィルはドクター・ジョンの鍵盤をバックに「Mickey Mouse March」。これなんかも珍品の一種な感じですが、アーロンが歌えば可愛いミーキーのマーチも極上この上ない世界になるから堪りません。
DANIEL LANOIS / ACADIE
ネヴィル・ブラザーズの「YWLLOW MOON」を大傑作へと導いたプロデューサー、ダニエル・ラノワ。彼が「YWLLOW MOON」と同時期にニューオーリンズで録音したソロ作。ラストを締めるアーロンの歌う「Amazing Grace」の素晴らしいこと! その歌唱はネヴィル・ブラザーズでお馴染みのアーロン節そのものでありながら、ここではまったく別次元の神秘性を秘めたトラックへと昇華されています。やはり恐るべしはダニエル・ラノワ。アーロンのベルベットヴォイスと、ダニエルの魔術的なサウンド・メイキングが織りなす悠久の美しさ。
JOHNNY ADAMS / MAN OF MY WORD
ネヴィル・ブザーズ自伝の中で、アーロンが最も好きだった仕事の一つと語るのがジョニー・アダムスとのデュエット。この方もニューオーリンズを代表するソウル・シンガーの一人。そしてそのデュエットこそ、彼の最後のアルバムとなった98年のアルバムに収録された「Never Alone」。2人の共演は、アーロンが「サム・クックのいたソウル・スターラーズのスタイルで歌っている」と語る通り、クラシカルなゴスペル・スタイル。アーロンのファルセットを交えた黄金ヴォイスに、ジョニーの太くソウルフルな声が割って入ってくる瞬間、ゾクっときます。これも名演!
ご存知、BOOKER T.&THE MG‘Sでサザン・ソウルの一時代を築いたギタリスト、スティーヴ・クロッパー。近年もフェリックス・キャヴァリエとのコラボ作など話題作を残している彼ですが、こちらは50年代に活躍したドゥー・ワップ・グループ、ザ・ファイヴ・ロイヤルズをトリビュートした作品。R&Bチャートに何曲もヒット曲を送り込む一方、レイ・チャールズの「Tell The Truth」、ザ・シレルズの「Dedicated to the One I Love」、そしてジェイムス・ブラウンで有名な「Think」のオリジネーターとしても知られるグループです。
確かにオリジナル「Think」のイントロを含めたソリッドなギターは格好良いですよ! まさにクロッパーの原点と言われて納得のギター・リックです。またローマン・ポーリングは作曲者としても有能で、この「Think」はもちろん、「Dedicated to the One I Love」、「Tell The Truth」を含む多くの楽曲を書いています。このスティーヴ・クロッパーの新作に納められた曲もほとんどがローマン・ポーリングにより書かれた曲です。
さて、その1曲目、「Thirty Second Lover」。まずイントロのギター! 切れ味と粒立ちの良いその音色にやられます。歌うはスティーヴ・ウィンウッド。ホーン隊を含めたジャンプ・サウンドに渋いフィーリングのウィンウッドの歌がよく合います。そしてそこに絡むクロッパーのギター。格好良いですね~! 続く「Don't Be Ashamed」を歌うのはベティ・ラヴェット! 彼女のしゃがれたソウルフル・ヴォイスと、それに切れ込んでいくようなクロッパーのギターがやはり素晴らしい。「Thirty Second Lover」にしろ、「Don't Be Ashamed」にしろ、原曲もギターの存在感が際立った曲ですが、ここではゲストの個性を際立たせながら、ローマン・ポーリングからの影響と彼への愛情を感じさせるクロッパーのギター、やはり流石です。
B.B.キングとシェメキア・コープランドのデュエットで聴かせる「Baby Don't Do It」。BBの抑え気味なリード・ギターが味わい深いです。ルシンダ・ウィリアムスが歌いダン・ペンも参加した名曲「Dedicated To The One I Love」。ここではクロッパーの職人的なバッキングが素晴らしい! バディー・ミラーが参加した「The Slummer The Slum」はバディー独特のオルタナ・カントリー感に痺れます。またクロッパーとバディ・ミラーによるギター・バトルにはちょっと興奮。そしてダン・ペンが歌うスロー・ナンバー「Someone Made You For Me」。この哀愁! グッときますね~。
そしてゲスト・シンガーなしでインスト曲として録音された「Think」。この曲を敢えてインストで録音したところにクロッパーのこだわりを感じさせられます。ま、インストと言ってもバック・コーラスは入ってますけどね。クロッパーの渋くもギラっと光るギター・プレイがたっぷり楽しめます。インストと言えば、クロッパーのセンチメンタル且つブルージーなギターが味わえる「Help Me Somebody」も秀逸。
THE 5 RYALES / SING FOR YOU
こちらはザ・ファイヴ・ロイヤルズのキング時代の録音。クロッパーが「DEDICATED」で取り上げた「When I Get Like This」、「The Slummer The Slum」を収録している他、レイ・チャールズで知られる「Tell The Truth」も入ってます。
前作「YA-KA-MAY」は新旧のニューオーリンズ・ミュージックをシッシー・バウンスまで含めてギャラクティック流のファンクネスでごった煮にしたような作品でしたが、今作はニューオーリンズが誇る巨大カーニヴァル“マルディグラ”をテーマにしたアルバム。1曲目「Ha Di Ka」の冒頭、太鼓のイントロからBig Chief Juan Pardoの雄叫びが入ればもうマルディグラ・モード。しかも単なるマルディグラではなく、何やら得体のしれないエネルギーが充満している。スタントン・ムーアの推進力抜群かつ切れ味鋭いドラム、それに絡むロバート・マーキュリオのベース・ラインも格好良い! さらにリッチ・ヴォーゲルの鍵盤とベン・イールマンのサックスがドロドロとした怪しいファンクネスを醸す。ちなみにゲストのBig Chief Juan Pardoの“Big Chief”とは、マルディグラ・インディアンの部族長のこと。マルディグラ・インディアンは、世界的に有名なカーニバルとは別に、古くから土着した儀式として彼らだけで裏道をパレードするそうです。
ファズが効いたジェフ・レインズのギターがリードする2曲目「Hey Na Na」。このアッパーなファンク曲も超格好良い!個人的には「Ha Di Ka」と「Hey Na Na」の2曲でノックアウトでしたね。まあ、何はともあれこの血湧き肉踊るようなグルーヴ感、堪りませんね。そしてゲストのMaggie Koernerの瑞々しい歌声が良い! 南部の白人女性シンガーのようですが、この方は今後注目しましょう。
他にもザディコを取り入れた「Voyage Ton Flag」、シリル・ネヴィルがヴォーカルをとり、アイヴァン・ネヴィルも参加した「Out in the Street」、ミスティカル、マニー・フレッシュという2人のニューオーリンズ出身の強力ラッパーが暴れる「Move Fast」、マーチング・バンドとの共演で伝統のブラス・アンサンブルとフューチャリスティックなファンクネスを融合したような「Karate」、そして「Carnival Time」のヒットで知られるアル・ジョンソンを招き、まさにその曲をカヴァーして陽気なマルディグラの空気を捉えた「Carnival Time」などなど。ニューオーリンズ・ファンクをベースに、ザディコ、ブラスバンド、ヒップホップ、さらにジプシーも、サンバすら血肉と化していくギャラクティックのファンクネスにはホント恐れ入ります。この自由度の高さは、スタントン以外のメンバーがニューオーリンズ出身ではないという要素も良い方向へ作用してるのかもしれませんね。5人のメンバーが一丸となって次々にグルーヴをアップデートしていく、まさに現在進行形ニューオーリンズ・ファンクです!!
08年のフジロックではチャリ・ツナ(Jurassic 5)やブーツ・ライリー(The Coup)を引き連れて、その前年にリリースされたヒップホップ接近作「FROM THE CORNER TO THE BLOCK」の世界そのままにホワイト・ステージを興奮の坩堝へと叩き込みました。そして「YA-KA-MAY」リリース後の単独来日ツアーではシリル・ネヴィル(The Neville Brothers)とコーリー・ヘンリー(Rebirth Brass Band)を招き、ニューオーリンズど真ん中のステージを見せてくれました。そして今回のフジロックには、引き続きのコーリー・ヘンリーと、あのリヴィング・カラーのリード・シンガー、コーリー・グローヴァーを帯同する予定とのこと。間違いなく鉄板のライヴを見せてくれることでしょうし、「CARNIVALE ELECTRICOS」のカラーをどう反映してくるかも興味深いところ。もちろんスタントンのドラミングにも注目ですし、同じ日に出演するダンプスタファンクとダーティ・ダズンとのニューオーリンズ勢同士の共演はあるのか?も気になるところですよね~。
GALACTIC / YA-KA-MAY
セリル・デクロウの脱退、アンタイへの移籍を挟み、ヒップホップへ接近した「FROM THE CORNER TO THE BLOCK」を経た通算7作目のスタジオ作。2010年のリリース。豪華ゲストもさることながら、それらも含めた強烈なごった煮感に胸が躍る!そしてリズムの強度が半端無い。これまでの野心的かつ冒険的な音楽創造の全てがこのニューオーリンズをテーマにした作品に結実した感じ。間違いなく最高傑作!! そしてこのアルバムを引っさげて、シリル・ネヴィル、コーリー・ヘンリーと共に繰り広げた来日公演も最高でした! この写真はその時のライヴでギャラクティックのメンバーにサインを頂いたもの。
REBIRTH BRASS BAND / REBIRTH OF NEW ORLEANS
「CARNIVALE ELECTRICOS」「YA-KA-MAY」両作品にゲスト参加しているコーリー・ヘンリーが、ギャラクティックと共にフジロックにやって来ます。彼はニューオーリンズを代表するブラス・バンドの一つ、リバース・ブラス・バンドのトロンボーン奏者。そのリバース・ブラス・バンドが昨年リリースした最新作「REBIRTH OF NEW ORLEANS」は今年のグラミー賞で『Best Regional Roots Music Album』部門を受賞しましたが、彼ももちろん参加しています。09年にはギャラクティックと共に来日していますが、もうほとんど彼が主役と言っても良いぐらいに目立ちまくってました。どんどん前へ出て来て高らかにトロンボーンを吹き上げる。そしてその音色のハリと音圧たるや半端無い。まさにブラス・バンドの音。まさにストリートの音です。風貌もやんちゃそうですしね。おそらくフジロックでも暴れてくれることでしょう。
LIVING COLOUR / VIVID
88年にこの「VIVID」でアルバム・デビューし、ブラック・ロック、ミクスチャー・ロックの先駆けとなったリヴィング・カラー。そのヴォーカリストであるコーリー・グローヴァーが現在ギャラクティックのライヴにおけるゲスト・シンガーを務めています。これ凄いことですよ! このリヴィング・カラーというバンドは、デビュー当時、そりゃ大変な話題になったもんですからね。黒人のロック・グループという時点で型破りでしたし、ファンキーなヘヴィ・メタルといった感じのサウンドも当時は凄まじく斬新でした。とは言え、私もその頃から特別リヴィング・カラーが好きという訳でもなかったので、昨年辺りに「ギャラクティックのライヴにコーリー・グローヴァーというシンガーが参加している」と聞いてもしばらくピンと来ませんでした。後々それがリヴィング・カラーのヴォーカリストと知って、また凄い人とやってるな~と嬉しくなったものです。
The Very Soulful Galactic Performs "Hey Na Na" - CONAN on TBS
最新作「CARNIVALE ELECTRICOS」から「Hey Na Na」のテレビ収録ライヴ。コーリー・グローヴァーとソウル・レベルズ・ブラス・バンドがゲスト参加してます。