二日続きの雨で鬱陶しいことです。
せめて気持ちの晴れる和歌など一つ、
と言っても私などが詠めるはずもなく、
花にまつわる一句を紹介します。
忘れ草 我が紐に付く 香具山の
故(ふ)りにし里を 忘れむがため
万葉集 大伴旅人
散歩をしていると、
オレンジ色のこんな花にも出会います。
ワスレグサともヤブカンゾウとも言われます。
和歌から推し量っても古くから日本で見られた花であることはわかるのですが、
原産は中国です。
カンゾウは漢名「萱草」に由来する名前です。
花の事を調べていると、
そこら辺のどこででも見られる草花が、
どれも帰化植物であることに驚きます。
日本古来のものではないのですね。
でもこの度、この花が万葉集で詠われていることもあり、もしやこれこそは日本由来のものかと思ったものの、原産は中国とのことで、ちょっとがっかりでしたが、
新しい言葉にも出会いました。
「史前帰化植物」
有史以前に稲や麦などの栽培植物とともに日本にもたらされた物をいい、この忘れ草もそれに当たります。
また江戸時代末期を境に「旧帰化植物」「新帰化植物」と区別するようです。
稲や麦までそれでは
日本固有の植物はあるの?と心配になりますが、
もちろんあるのですね。
でもそこまで調べ始めると混迷を深めるだけなので、この辺でやめます。
興味のある方は調べてみて下さいね。
この元気をくれる鮮やかなオレンジ色の花はまた、金針菜(きんしんさい)という名前で生薬にもなるそうです。
散歩をしていて目に飛び込んできたこの花で、
いろんなことを知ることができました。