徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

伝説の猥雑/「ザ・スターリン伝説」

2004-11-02 22:08:47 | Books
一週間ぶりに事務所へ行くと、マガジン・ファイブさんから新刊『ザ・スターリン伝説』が届いていた。
これが「スキャンダル★スクラップ集」のサブタイ通り、81年から85年にかけて様々な媒体に載ったザ・スターリンの記事をスクラップしまくり、そのまま貼りつけ、それにミチロウさんのコメントを交えたカーツさとう氏のレポートが踊りまくるという、凄まじく読みにくそうな一冊。しかしこの猥雑さが、またいかにもスターリンぽい。最初に開いたとき、担当編集者の名前がオレの好きな作家と同性同名で驚いたが。テレビ埼玉出演時のライブ映像を収めたDVDの付録付き。

これまでミチロウさんと組んで、3冊刊行された同社のdigital diskブックシリーズの付録としてつくディスク(CD、DVD)は、レコード会社からリリースされる作品よりも内容に関する規制が少ないという(レコ倫通さなくてもいいから? だったかな)。つまり基本的に表現としては自由だから、このシリーズは結構充実している。とりあえずDVDだけでも買う価値あり(注釈等、ちょっと無理矢理で笑えない箇所もあるが…て逆に無理矢理過ぎて笑えたりもする)。

昨年ミチロウさんを取材した時のテーマは「恐い人」だった。勿論ミチロウさん自身はまったく温和でシニカルな人だったが、その時、自分は恐くはない(客が恐かった)と前置きした上で、「オレたちは変態って呼ばれていたんだから」と言っていた。当時、雑誌で「変態」と呼んでいたのはまだ良い方で、一方では「ステージでは変態に見えるけれど、普段は普通の男の子♪」と呼んだメディアもあった(ミチロウさん当時ドント・トラスト・オーバー・サーティー)。結局メディアはわけわかんなかったのだ。そんな日本のロック史、メディア史的な一面も読み取れる……なんて分析は必要ないか。
ただ玉石混合な素材を一気に詰め込んだという意味で、スクラップ的、ファンジン的なデザインをコンセプトにしたのだろうけれど、編集的にはもう少し整理できたんじゃないかなとも思う。次号で改めて紹介予定。

12月号完成

2004-11-02 19:45:41 | LB中洲通信2004~2010
12月号も無事納品された。ツー・スリーからは昨日送本されたので、定期購読者の皆さんには明日明後日にはお手元に届くことと思います。姜尚中さん、宮崎学さん、田邉伸明さん、知野二郎さんを始め、ご協力者の皆さんありがとうございました。
モノクロ(風)表紙は昨年12月号(「恐い人」特集)以来か。あの号もかなり高いポテンシャルで作ることができたけれども、今回もそれに匹敵するくらい内容もデザインも満足している(なんつっていきなり誤表記を見つけたりもしたのだが)。
実は次号の企画が難航しているのだが、改めてこれ見てテンション上がってきたー!