たぶん人生と同じように、サッカーは立ち止まってしまったら後から来た者に追い抜かれてしまうものです。私はサッカー選手として一度たりとも立ち止まったことはありませんでした。(中略)肉体の衰えを止めるのは不可能です。でも現実にはそれ以前に、精神が衰えていく選手が多いものです。そういう意味では、私とともに歩んだエスパルスの選手はみな若かったのです。(中略)96年に初めて見た清水の試合は、自殺したくなるようなレベルのものでしたが、しかしすでに何人かの選手はタレントにあふれ、興味深いものを持っていることがわかりました。森岡などがそのひとりで、プレー自体は評価のしようがないものでしたが、その中に相当の才能が眠っていることがわかりました。そういう未完成の選手たちが日々信じられないペースで成長していく姿を見るのは、監督として大きな喜びでした。(中略)
清水エスパルスは私に自信を取り戻させてくれたと言わなければなりません。(中略)私は清水エスパルスが持っていた純粋さをとても心地良く感じていたのです。チームの誰もが持っていた、もっと上手になりたい、もっと学びたい、もっと前に進みたいという純粋さを、私は肌で感じることができました。(中略)私のことを愛してくれ、尊敬してくれる人々がいる場所に自分から別れを告げるのは、本当に辛かった。(中略)その後の試合で私は、大袈裟に言っているのではなく、エスパルスのサポーター2万人のひとりひとりに手を差し伸べなければなりませんでした。どこへ行ってもみんなが「どうか行かないでくれ、どうか行かないでくれ」と言ってくれ、泣いてくれました。空の上まで飛んでいきそうな気分でした。
(『勝利の時も、敗北の時も』オスヴァルド・アルディレス/鍋田郁郎・構成/NHK出版)
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(『勝利の時も、敗北の時も』オスヴァルド・アルディレス/鍋田郁郎・構成/NHK出版)
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