徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

『鴉の肖像』通信販売開始

2008-07-16 02:31:32 | Documentary
ナカス7月号でも紹介した八本正幸さんが企画・制作・撮影・編集・脚本・監督…要するにほとんどひとりで手がけたドキュメンタリー『鴉の肖像~渡辺啓助の世界』が通信販売を開始されたそうです。大正から昭和の<探偵小説>の時代を生き、101歳で亡くなるまで、最後の探偵小説家と呼ばれた渡辺啓助先生の動く姿が観られます。

『鴉の肖像~渡辺啓助の世界』通信販売ページ
(収録時間:約1時間56分/定価:2000円※送料無料)

また八本さんに『鴉の肖像~渡辺啓助の世界』制作エピソードを執筆していただいた中洲通信7月号もまだまだ発売中

傍観者/終わりなき恐怖:ペルー、テロとの戦い

2008-07-16 02:14:24 | Documentary
ナショジオで「終わりなき恐怖:ペルー、テロとの戦い」(原題:No Borders: State Of Fear)
アビマエル・グスマンセンドロ・ルミノソからアルベルト・フジモリの独裁政治まで、リアルなテロ戦争と幻想のテロ戦争の間で朽ちていく20年間に渡るペルーの現代史を描く。貧困と差別が革命の土壌を育み、そして暴力は集団と時間の中で変質し、革命と暴力の記憶が悪党の飯の種になるという恐怖(State Of Fear)の二段ロケット。日本の裏側での出来事とはいえ、歴史は形を替えて繰り返し、程度とテクニックの差こそあれ同じような悪党はどの国にもいる恐怖。
が、しかし。白人のギャングの親玉は登場するけれども、メスティーソ、インディヘナの狂信者たちとアジア系独裁者は、ペルーの黒い歴史の表舞台を祀り上げられるが、傍観者の白人層は結局最後まで傍観者という、どうにもやるせない力作。
やっぱし終わりなき恐怖の根源は、終わりなき差別と貧困と、忘れっぽいだけではなくて、むしろ嫌なことは積極的に忘れたい傍観者。
「あのとき、どこで、何をしていたのか」と自責の念にかられる傍観者の言葉は重いと信じたい。