日曜日。NACK5スタジアムで「
大宮対清水」戦。
スタジアムに到着したときには、雨こそ降っていたもののまだ空は明るく、何とかゲーム中は持つかとも思ったが、それはそれは甘かった。キックオフ直前になり、清水ゴール裏ではサンバ隊の刻むリズムに合わせていつもの手拍子が打ち鳴らされる。その最中に滝行のような猛烈な風雨がスタンドを打ちつける。
伝説の台風レポーター阿部祐二ならばどんなレポートするだろうというぐらいのリアルな嵐。さすがにすぐさま「屋根のある場所へ避難」するようアナウンスが入る。入るのだが、ちょいと雨宿りするような、そんな収容スペースはない。ビジターサイドに限って言えば、ほとんどの人がその後1時間以上をずぶ濡れになったまま、立ったままで待ち続けることになる。
あんまり他クラブの運営をガタガタ言うのは趣味ではないのだけれども、ビジターサイドを完全に清水に開放していれば、少なくともスタンディングでフジロックのような状態で待ち続けるようなことはなかったのではないか。ほとんど身動きが取れないような状況に詰め込まれ、スタッフの誘導もアナウンスもなく40分以上放置されたのも、きっと、その余裕のない頭の悪いレイアウトが要因になっているのだと思う。
それでもほとんどの静岡人は、そんな極悪な状況を受け入れて楽しんでいた。
前日の隅田川花火大会のように三連、四連で真っ黒な空に光る稲光に盛り上がり、それに合わせるように
雷神を歌い、
ロコロコを歌う。雨雲が流れて、空が明るくなると今度は虹が現れ、虹と雷の競演。トラブルが起こっているようすは感じられない。まあ、しかし、冷静になって考えてみれば、こうなってしまうと大宮のフロントは温和な静岡人とカミナリ様に感謝すべきだろう。いや、本当。
ただし、あれだけの雨に晒されながらほとんど影響を感じさせない芝は素晴らしい。
そして19時30分にようやくキックオフ。
その直後、淳吾が小林慶行に削られて負傷交代。ハーフライン周辺で、この時間帯で、このような
危険なタックルをする必要が一体どこにあるのか。
やられた方は迷惑千万だが、しかし大宮にはそうする必要が確かにあったのだ。
連敗中の上に、前節名古屋戦で4失点を喰らった大宮のホームゲームという、想像するだけでうんざりするようなゲーム前の状況を考えれば、こういう危険なタックルが繰り出されるような激しく、焦れた展開になることも容易に想像できる。しかし…。
樋口監督(大宮)「勝てなくて悔しい思いはありますが、連敗を止めたことは1つ前向きに捉えたい。球際の激しさ、セカンドボールを取る意識、前に行くアグレッシブさがいつも以上に出せた」
そんなことで「球際の激しさ」を表現されては困るのである。
前半の序盤はともかく、それ以外はかなり際どくゴール前まで迫っていたのは確かだが、非常に嫌な、燃焼度の低いドローで、いろんな面で大宮ペースに巻き込まれたという意味では課題が残る、とにかく疲れたゲームだった。
雷大会以外は。