徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

やりすぎタイジ/THE GROOVERS TAIBAN 2 DAYS

2008-07-23 01:20:46 | Music
月曜日。
吉祥寺のROCK JOINT GBで、ROCK JOINT GB PRESENTS『JOINT THEATER 1』~THE GROOVERS TAIBAN 2 DAYS~。THE GROOVERSSION佐藤タイジという、現在のニッポンロック界で極上といえるラインナップである。さすがにオープニングぎりぎりに入ったら、もうスペースなし。

最初に登場したのはタイジ。ソロアルバムから「砂漠の悪い鳥」「銀の鳥」というハードなブルーズチューンをぶちかましたあと、「Every Little Step」、そして何と「Ol'55」。ここでタイジが言った。
「ボビー・ブラウンよりトム・ウェイツがウケる現場ということか…」
タイジ、アウエーの洗礼を受けているわけである。レスポンスの弱さを自虐的に嘆く、嘆く。しかし「健康な変態が好き。つまり知性ですわ」「オレが言いたいことは、自分の気持ちでいうと叛逆? 要は叛逆好きですわ、簡単に言えば反体制です」と、その後のMCはいつものタイジ節で、あんまし伝わってるようには思えなかったけれども、やっぱしタイジは日本最高のナチュラルボーン・ロッカーのひとりである。
<佐藤タイジ>
①砂漠の悪い鳥
②銀の鳥
③Every Little Step(Bobby Brown)
④Ol'55(Tom Waits)
⑤ソノラ砂漠のドレッドライダー
⑥旅人のアトリエ



続いてThe Cat Scratch ComboをバックにSIONさん登場。SION行くところには必ずSIONオヤジが集結するので、ここでも磐石の盛り上がり(だからタイジがアウエーになるんだよなあ…)。今年は野音に行けなかったので久しぶりのSIONさんだ。昨年の「20th milestone」が名作すぎたので、ニューアルバムの「住人~jyunin~」はちと取っつき難いかと思っていたのだけれども、これ、ライブ映えしまくり。反省した。オレ、年食った振りしてた。至近距離で叫んでいるSIONさんはどんどん若返ってるってのになあ…。藤井一彦率いるThe Cat Scratch Comboのプレイもソリッドで気合いが入っていた。それにしても、あの雰囲気で「蛍」をしつこくリクエストする輩は一体何なのか。「静かなSIONが聴きたいなァ…」とぼやいた所で、今のSIONは紛うことなきロックである。SIONに置いて行かれるぞ。
<SION & The Cat Scratch Combo>
①住人
②光へ
③当たり前
④Happy
⑤薄紫
⑥ジョニーデップ以外は
⑦一瞬
⑧ちょっとでいいんだ
⑨新宿の片隅で
⑩マイナスを脱ぎ捨てる



最後は今晩の主役THE GROOVERS登場。残念ながら初日には参戦できなかったのだけれども、一彦は終始ご機嫌で「またやる?」みたいなことを言っていたので期待しましょう。THE GROOVERSを観るのもずいぶん久しぶりだけれども、あれだけ轟音でハードに弾いているのにメロディアス。楽曲の良さを再確認した。横浜でやった花田裕之との弾き語りライブも行きたかったなァとちと後悔。同世代であれだけロックンロールしている一彦はやはり心強い存在なのであります。
<THE GROOVERS>
①乱気流ガール
②暗闇の中で
③放浪の運命~mona
④遥かなる
⑤ロザリー
⑥ウェイティング・マン
⑦ミスター・デザイア

⑨最後の煙草に火を点ける
(enc)
⑩Sweet Heart of My Soul



⑪Knockin'on Heaven's Door(Bob Dylan)
(w/SION vo、佐藤タイジ g)

そしてオーラスはタイジ、SION、THE GROOVERSで何とディランの「Knockin'on Heaven's Door」。SIONさんを真ん中に一彦とタイジのふたりがギターを持つと、ステージ上は「ゴジラ対キングギドラ」か(もちろんタイジがキングギドラだ、一彦は正統派)、「王と長島」か(もちろんタイジが長島だ、一彦は正統派)という感じで、それだけで盛り上がる。
THE GROOVERSのメンバーは「Slow Train Coming」のTシャツで登場。そしてタイジの胸には「Blowin' In The Weed」の文字。意外と3人の共通点ってディランだったりするのかもね。そしてエレクトリックヴァージョンになったタイジはハイボジションでソロを弾きまくり、ほとんど野に放たれた獣状態でねちっこく弾き続け、Bob Dylan meets Princeと言った感じで異様な盛り上がりを見せた。さすがにSIONさん、一彦苦笑いの図。

そして、外に出てブログのタイトルが即座に浮かんできたのだった。
タイジ、やりすぎ。
ホント、最高ですね。