徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

それは、あり得ない/第12節 大宮戦

2011-05-23 19:52:30 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
昨日は結局スカパーで大宮戦

前節の大敗を受けてセンターラインを変更してきたゴトビのアクションが功を奏し、望外の大勝利となった。
まずはタカのポストの存在が大きかった。清水のプレスを指して<カミカゼプレス>などという頓珍漢な表現をしたライターもいたわけだが、前節にしても要は前線でボールが収まらないために大きく開いたウイングのセカンドボールの処理もルーズ(カミカゼ)になり、自ら苦しい展開を招いていたわけで、わずか数秒であってもポストにボールに収まるという形は、それだけで中盤に余裕を生んだ。まあ、それでも前半は思うような形に持ち込むことができずに大宮のチャンスを幾度となく招いたのも事実で、<もしあのシュートが決まっていたら>という気持ちは判る。

しかし<清水は連続での大敗もあり得た>などということはあり得ない
なぜならゴールマウスをかすめたシュートやポストやバーに当たったシュートは、芥川和久氏がいくら<清水は連続での大敗もあり得た>とPCのキーボードを叩きつけるようにタイプしても、泣き喚こうともゴールにはカウントされないからである。

いくら惜しいシュートでもゴールに入らなければノーカウント。
これはフットボールの揺るぎない事実である。
入っていたら大宮大勝(清水大敗)――それは願望というのだ。ましてや負けた側(のライター)が書いちゃいけない。
事実、オレは書かなかった。翔のシュートが決まっていれば神戸戦もドローぐらいにはなったかもな、とか。
いや、本当はそう思ったけれども。
成長曲線を描いていた中での大敗、ケアレスミスとチームのゲームマネジメントの稚拙さから招いた大敗、(伸二、タカといった大駒を大事に使いながら)予想外の怪我人が出た中で新たなメンバーを試しつつ大敗してしまった神戸戦の評価に見解の違いはあるだろうが、それは書かないのが矜持というものだろう。
リーグ終盤の総力戦とは別の意味で、今、清水はゴトビの見極めのための総力戦を戦っている。
だから結果を恐れる必要はないんだよね。

ゴトビは前節大敗の要因になってしまった辻尾をあえて再びスタメンで起用した。台所事情があるとはいえ、大敗を受けてのアウエー戦でディフェンシヴな布陣で臨むことも考えられた中で、それでも辻尾をチョイスした。
そして辻尾は幾度となくチャンスの基点になっただけでなく、リーグ通算15000ゴールとなる、Jリーグ初ゴールを決めて見せた。
これはゴトビの素晴らしいマネジメントだったと思う。
大敗を受けて、いかにしてチームを立て直すのか。立て直すことができたのか。
チームにとっても、辻尾にとっても<ターニングポイント>というのは、そういうことである。

次節、28日は静岡ダービー。
ジュビロはともかく、清水が「好調」かどうかはまだわからないが、久々に両チーム共いい雰囲気で臨戦態勢が整った。
大一番にしたい。