徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

その「場」は誰が作ったものなのか?/7.6首相官邸前抗議~NO NUKES! ALL ST★R DEMO 5

2012-07-08 14:58:41 | News


昨日は渋谷・原宿で行われたNO NUKES MORE HEARTSNO NUKES! ALL ST★R DEMO 5に参加。事前・事後の集会には参加できず、原宿駅前で途中離脱するという形にはなってしまったけれども、参加できて良かったと思う。
抗議とデモはやはり「両輪」で、抗議で声を叩きつけるのも、街中で声を届けるのも必要なアクションだ。今、官邸前抗議に参加している皆さんも是非、抗議で上げた声を街中でも上げてみることをお勧めする(だから抗議が終了したあとも、「持ち帰る」という意味でコールしながら帰って欲しいと思う)。

NO NUKES MORE HEARTSは、TwitNoNukesと同じく「金曜日の官邸前抗議」を運営する首都圏反原発連合の中核的な組織であり、またTwitNoNukesと同じように3.11以降、継続的なデモを呼びかけ、実際に続けてきたグループである。TwitNoNukesは極めて自主的でサポーター的なスタッフによって構成された集団だと思うけれども、NO NUKES MORE HEARTSはMisao Redwolfさんを中心にした、トライブともいえるようなグループに見える。
しかしTwitterでの彼女の呼びかけを読み続けていれば、NO NUKES MORE HEARTSが「閉じたトライブ」ではないことがわかる。閉じたトライブ――閉じた組織(個人含む)というのは残念ながら運動周辺には存在していて、自分勝手な利害関係を作り出す。これまでの運動界隈が「普通の人たち」から遊離し、忌避されてきたのはどうしたって、つまらない利害関係を見透かされるからだ。
「普通の人たち」は鼻が利く。ただ「正しいから」というだけでは行動しない。正しい上に、その主張が混じりっ気なしに、シンプルに、クリアになっているから、それに共感し、同調し、身体を動かし、声を上げるのだ。
補償問題も避難問題も汚染(瓦礫)問題もあまりにもグレーな部分が多過ぎる。確かに議論が必要だし、それぞれに「場」を作る必要もあるだろう。実際に毎週のように各省庁前で活動している人たちもいる
だからこそ抗議するために、議論するために、対話するために、まず再稼動を「止める」こと。
今、金曜日の官邸前抗議はその一点に尽きる。

大飯原発再稼動を前後して官邸前の抗議行動は燃え拡がった。それぞれが大事な「イシュー」だとはいえ、利害(主張)関係を越えてまずは誰もが集まれる「シングルイシュー」という方法論の下、「3.11前」から活動するNO NUKES MORE HEARTSと「3.11後」の受け皿を形成したTwitNoNukesが中心となり「運営」する金曜日の官邸前抗議が、かつてないほどの拡がりを見せるのも当然といえば当然なのだと思う。
そこへ古くから反原発運動を続ける皆さんや去年の春以降のデモブームを形成した諸グループ、さらに針谷大輔議長率いる第一戦線義勇軍の右から考える脱原発ネットワークなどが加われば(彼らが継続するアフター5デモはもっと注目されてもいいはずだ)、思想信条を越えた「普通の人々」が集まれる「場」ができる。
そして、それは「できた」のだと思う。そのために続けてきたのだから。

しかし先週、今週と参加者激増と同時に、ある程度予想されていたとはいえキナ臭い話題が「金曜日の官邸前抗議の運営」周辺に湧き出している。あえてここでは「主催」ではなく「運営」と書いておきたい。
たとえ官邸に「突入」したところで、時間を無制限にしたところで何が起こるのかは明白だ。抗議行動をなかなか報道しなかったメディアが次に何を待ち構えていると思っているのだろうか。そんなメディアが期待する「ベタなストーリー」になぜ乗らなければならないのか(本当にフリーライダーってのは「乗る」のが大好きだね)。
運営批判として<もはや主催の手を離れた>というのは一面では事実だと思うけれども、それでも運営がいなければ「場」は絶対に保たれない。<手を離れた>からと言って、だから何をしてもいいというのは、あまりにも「場」や他の参加者へのリスペクトがなさ過ぎるというものである。誰も「おまえ」のために集まっているんじゃない。
現場での罵詈雑言は論外として、その「場」で参加者を名乗って、お客さん気分でストレス解消したり、手前勝手な戦術や戦略を他の参加者に押し付けるのはいい加減にしていただきたい。

もはや揺るぎようがない戦略で「場」は作られた。
この後、自分たちの「場」を育てるのは、当事者意識を持った参加者ひとりひとりである。

勝てなかった≠負けなかった/第17節 川崎戦

2012-07-08 13:22:54 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


アフシン「カリフォルニアにいるかのように感じました。夏になり、太陽が出て来て、雨もあまり降らずに日照りが続いてしまって乾いてしまうようなものが、それが我々のゴールにもあると思います。(中略)日照りが続いた後、そして雨が降り出すとそれがどんどん続いて行くと思います。そのように雨が降り出したかのように、我々がゴールが決まり出したら、そして後半戦は多くのゴールを決めて行ければと良いと思います」(Sの極み 7月7日付)

リーグ折り返しの17節川崎戦をスカパーで観戦。このゲームは7月4日を「誕生日」とするクラブ創設20周年のバースデイ・ゲームでもある。
しかしこの日も勝てなかった(≠負けなかった)。

去年の0-4の3連敗という怪記録を彷彿とさせるような苦しい状況が続いている。乾坤一擲の戦いであったアウエイ仙台戦に勝って以来、これでリーグ戦7戦勝ちなし。ここのところの傾向ならば連勝中の仙台を清水が止めて、以降仙台はズルズルと順位を落とすというパターンなのに、皮肉にも勝った清水の方が勝ち点を伸ばせずズルズルと後退している。前半戦、ドローが極めて少なく勝ちか負けという「結果」を出してきたチームがまるで結果を出せなくなってしまっている。順位も一気に2ケタ順位に落ち、上位との勝ち点差もそれなりに離されてしまった(17節終了時点では9位に上昇…!)。
さらに連勝中だったナビスコ予選も、予選通過が決定したクラブ同士の消化ゲームともいえる最終節でわけのわからないジャッジで逆転負けを食らう。これで公式戦8戦勝ちなしである。先週は鹿島戦、大宮戦で完全に喉が潰れた。



ゴール裏のブーイングは、まあ、当然である。オレらは「熱い」のだからその熱さを表明せずにはいられない。
だからと言って内容が悪いのかといえば必ずしもそうとは思えないところが悩ましい。
未勝利ロード序盤のセレッソ、浦和戦あたりはゲームの組み立てのレベルで対策を打たれた印象はあるものの、それ以降のゲームはむしろ内容的には圧倒したゲームの方が多かったと思う。この日、川崎の風間監督が「面白くなかった」とコメントしているのも、チームの出来の悪さと共に清水が川崎に「自分たちのゲーム」をやらせなかったことも大きいのではないか。前半戦から続く失点の少なさはもっと評価されてもいい。途中交替したとはいえ、この日ようやく復帰した岩下の存在も心強い。

ゴールが決まればチームは動く。もはやリーグ戦1000ゴールなんてどうでもいい。とにかくゴールを、なのである。
次節はまたもやホームで柏戦。リーグは後半戦に入る。次は行く。何が何でも勝つ。