ももすけの日記

品良きは背筋伸びたる夏帽子
ああ面白かったと言って死ねたらいいな

『松風』

2008年12月10日 01時03分00秒 | 日記
小説『櫂』が話題になったころ、おかあさんと同じ名前だというだけで興味を持った宮尾登美子さん。
とても親しくしてくださった方から随筆集をいただいたことがあったのだけれど、それもあまり熱心には読まなかったと記憶しています。

先日、テレビで鉄瓶のことを話していました。鉄瓶で沸かした湯でお茶やコーヒーを淹れるととても美味しいのだと。うん、それって、想像しただけでわかる。
それに、あの湯の沸く音『松風』がたまらなく、いいのです、と言っていました。
そのとき、ぼくんちの石油ストーブの上のアルミのやかんは”しゅん、しゅん、ぼこぼこ”とうるさくいっていました。にぎやかで、ぼくはそれも好きですが。

その翌日、ぼくが敬愛するWEB友、Rさんがブログで宮尾登美子『松風の家』という小説を絶賛なさっているのに出合いました。

ぼくのおかあさんは、もう、いてもたっもいられなくなって、和室の隅っこで埃をかぶっていた電気式の風炉の茶釜を引っ張りだしてきたのです。

なるほど、、、とてもひそやかに規則正しく音をたてています。
お茶を、と思いましたが、茶釜には注ぎ口がありません。
また、柄杓を引っ張り出してきてきれいに洗いました。柄杓置きの上にそっと柄杓をのせてみました。懐かしい感触です。

でも、ステンレスの調理台にある柄杓にぷっと笑いがこみ上げてくるのでした*(ウインク)*