JAXAは現在、X線天文衛星「ひとみ」の電波を正常に受信できず、衛星の状態を確認できない状況が続いているが、次のような対策を行っている。
通信不良発生後、国内外のJAXA追跡局を優先的に割り当て、推定される「ひとみ」の軌道にアンテナを向けてコマンドを送信し続けるとともに、衛星からのテレメトリの受信を試みている。
現在まで4回の通信機会において、衛星からの電波を受信しているが、テレメトリの取得には至っておらず、衛星の状態は確認できていない。
なお、電波を受信した方向・時刻には、JAXAの把握する限り、他の衛星が存在しないことを軌道情報などから確認しており、この電波は「ひとみ」から発信された可能性が高いと考えている。
JAXAは現在までのところ2物体までの軌道を把握している。
両物体の軌道情報を元に時間をさかのぼると、3月26日10時37分頃に「ひとみ」の当初の軌道上のほぼ同位置にいたことが明した。これより、両物体のどちらかは「ひとみ」から分離した物体なのではないかと考えている。
衛星との通信復旧を最優先事項と考え、引き続き国内外のJAXA追跡局を使用した通信機会(1日約20回程度)において、衛星に向けて電波及びコマンドを送信して通信確立に最善を尽くしている。