海洋研究開発機構(JAMSTEC)と広島大学の研究グループは、母天体における衝突により高温高圧を経験した隕石中に、超高圧でしか形成されない特殊なガーネットを世界で初めて発見した。
同研究グループは、1879年にオーストラリアに落下した隕石に含まれる、衝撃で変成した部分を、JAMSTEC高知コア研究所が所有する超高空間分解能の透過電子顕微鏡を用いて詳細に解析した結果、MgSiO3組成に富む正方晶ガーネットを世界に先駆けて、同定し、その存在を明らかにした。
さらに、このガーネットの生成条件は圧力17-20万気圧、温度1,900-2,000°C、衝撃後の冷却速度は1,000°C/秒以上であると推定しした。
今回発見された正方晶ガーネットは、小天体の物性や相互の衝突速度など初期太陽系プロセスを探る重要な鍵をにぎるほか、地球内部のマントルにも存在する可能性があり、マントルの物性を解き明かす上で大きな役割を担うことが期待される。