6月13日(水) いちじ
弱い雨は、早朝まで続いたようだ。日が高くなるにつれ、薄日ほどは射すぐらいに回復するが、北東の冷たい風が、強く降る。草刈などの重労働には、ちょうどよい天気。午前中は、田んぼの草刈。午後は、畑の片付け。エンドウの支柱のアーチを取り片付け、マルチフィルムも撤去する。夕方作業は、ハウス内のタマネギの調整。葉と根を切り取る。
午前中の草刈の時。田んぼは5枚の棚田。法面は高く広い大土手の田んぼだ。4枚目と5枚目の間の土手はとりわけ大きい。高低差があるので、中間付近に平らな面を取っている。草は下から刈り下ろすように刈ることになる。上から始めると、刈られた草が下のまだ刈っていない草の上にかぶさり、次の作業がやりにくくなるからだ。下の法面の草を刈り払いながら進んでゆくと、突然、バタバタと羽音を立てて、鳩ほどの鳥が羽ばたいていった。驚いて、良く見ると、二羽の鴨が数mほど先の草むらから、飛び立ったのだった。草むらで、休んでいたのに、刈払機のエンジン音に驚き、逃げて行ったのだろう、思うぐらいで、作業を続けた。下の法面を刈り終わり、中断の平ら面に移り、刈り続ける。ちょうど先ほど、鴨が飛び立ったあたりの草を刈り払った時、すぐ先に白いものが見える。何だろうと気を付けながら、少しづつ刈ると、白い卵が6個。草を寄せ集めた巣の中に並んでいた。
先ほどの鴨は、ここで卵を抱いていたのか。でも、もうどうにもならない。かわいそうだが、こうなっては、、周りの草を刈り払われて、周囲にさらされた巣では、二度と抱卵することはないだろう。生まれ出ることが無いまま、6個の命が消えてしまった。思いながら、刈り進んでゆくと、数メートル先で、刈り払った刃先が黄色に変わった。黄身だった。今度は7つの卵が並び、その1つが刈払機の刃で割られていた。
10年以上作り続けている田んぼだが、全く初めてのことだった。