ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

カンサス Kansas - All I Wanted(1987年の洋楽 Part1)

2023-01-12 22:01:44 | '87年洋楽
1987年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズに入りました、第1回目はKansasの”All I Wanted”。最高位は1月17日付の1週間の第19位。年間チャートは残念ながら圏外でした。

カンサスですが、活動を開始したのは1970年代前半、アメリカン・プログレッシブ・ロックを代表するバンドで、私のプログにも何度も登場しています。

ファーストアルバムのリリースは1974年。75年までに、3枚のアルバムを発表しますが、大ヒットまでには至りませんでした。

カンサスが世に出たのが、1976年にリリースしたバンド4枚目のアルバム『Leftoverture 永遠の序曲』。まずはシングル”Carry On Wayward Son”「伝承」がチャートを上昇、最高位11位を記録するヒットとなります。”Carry On Wayward Son”のヒットで、アルバムもチャートを上昇、最高位は5位とTop5に入り、年間チャートも1977年の17位、大ヒットアルバムとなりました。こちらが”Carry On Wayward Son”、懐かしいです→→→

この『Leftoverture 永遠の序曲』ですが、当時驚きました。それまで聞いたことがない衝撃的なアルバムでした。ボストンのファーストと並んで、アメリカン・プログレッシブ・ロックの名盤です。ドラマティックですが、難解ではない、聞きやすいプログレッシブ・ロック、バイオリンが効果的でした。チャート上昇とともに、すぐに購入したのですが、レコード屋の店頭で見たジャケットもまた強烈でした。

その後も、次の5枚目のアルバム『Point of Know Return』からシングルカットされたロックバラード"Dust in the Wind"が、バンド最高のヒットとなる最高位6位、年間チャート39位となるなど、ヒットを続けます。

80年代に入ると、リードボーカルのSteve Walshが脱退、代わりにJohn Elefanteが加入しましたが、違和感なく、"Play the Game Tonight"がヒットしますが、その後、バンドを支えてきた、キーボードでソングライターのKerry Livgrenと、カンサスの象徴でもあったバイオリンのRobby Steinhardtが相次いで脱退。この二人は、カンサスがプログレ・ハードロックバンドであったキーパーソンでした。

この曲”All I Wanted”ですが、彼らの10枚目となるアルバム『Power』からのファーストシングルカット曲。曲の作者はメンバーのSteve WalshとSteve Morseの共作。

このアルバムから、リードボーカルにオリジナルメンバーのSteve Walshが復帰していますが、前述のように、残念ながら、Kerry Livgrenと、バイオリンのRobby Steinhardtが欠けたままで、その影響でしょうか、プログレ色は随分と薄くなり、ポップロックバンドとしての再出発となりました。
曲は、ジャーニーや、サバイバーのようなメロディアス・ポップロック、残念ながらこの曲がカンサスの最後のTop40ヒットになってしまいました。

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37 コメント

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汗の匂いのするプログレ (hannah)
2023-01-12 22:21:07
星船さん、こんばんは。
Kansas、アメリカンプログレバンドとして70年代後半に大活躍でした。
僕も後追いですが、♪Carry On Wayward Son♪を聴いた時は衝撃でした。(その前に♪Dust In The Wind♪は聴いていましたが)
プログレ嫌いの湯川れい子さんが、彼らのライヴアルバムを聴いて「汗の匂いのするプログレ」と絶賛していました。
S.Walshが脱退して80年代になって勢いがなくなりましたが、彼らの特徴のヴァイオリンも影が薄くなったんですね。
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Unknown (太ったボンジョビ ( ´^`))
2023-01-12 22:28:10
カンザス!ボストン!シカゴ!
いやー、このC.I.T.Y.が同じ週に!なんかイイすよね?ぁしまった、カンザスシティが正解だったか!無念です。
しかし「伝承」、私も大好きです、特にシングルバージョンがサイコー、AメロとBメロのやるせなさ感がとにかくジーンシモンズ!でもサビは飛ばしてるかな😫まるでグランドフォンクのアメリカンバンドみたいに。
では曲についてはまた明日、チャオ❗
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聴くだけではカンサスとはわからない (音時)
2023-01-13 06:29:33
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/35462331.html
アルバム「Power」のジャケットは鍛冶屋さんのイラスト?何か新しい音楽を作り出そうとしている?イメージでなかなか期待しました。が、作り出した音楽がカンサスの唯一無二の音楽という感じではなかったな〜(^_^;)。この曲、単純に好きなのですが、カンサスと思うと残念感が…。“All I Wanted was to love you”...心のすれ違いから離れていく歌詞ですね。PVにはa-ha“take on me”の影響が見られますね?
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Unknown (太ったボンジョビ ( ・3・))
2023-01-13 12:45:42
すもません、あの……82年の「おしゃべりビニール」を買いました。シングルの「今晩はムフフ…」がジーンシモンズなので衝動的に…。いや他とも迷った末に。
で、聴いてみてくださいよB②の「ウィンドウズ」!
チープな作りでしょうが、メロディと発語がスゴくヨクて、歌詞が分からなくてもノリノリになります。伝承よりも頻繁に聴きますよ。
そしてビデオ、バイオリンの人が自身の番になるまでスゴく盛り上げています、こういうの好きですよー。
それにそのバイオリンこそがカンザスの曲をよくしているように思います。
あれ?ファイトファイヤーwithファイヤーはどうだったかな?あれも売れなかったけどカッコ良かったんだけどなあ…ブリティッシュインベイジョン②の真っ只中、市場は厳しかったんですよねえ。
( ω-、)ヒンヒン
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Unknown (blackmore1207)
2023-01-13 16:22:48
こんにちは。
YES等のプログレバンドの影響を濃厚に受けつつ、アメリカのバンドらしいロック風味が混じるドラマティックなサウンドが魅力のバンドですね。
本作は一旦の活動停止の後に、脱退していた中心メンバーの一人スティーヴ・ウォルシュを中心に、新たにスティーヴ・モーズ(元ディープ・パープルのギター)を加えたラインナップでの復活作となりスマッシュヒットでした。
モーズの加入でテクニカルでハードなギタープレイが加わったことにより、メロディアスなハードロックバンド的側面が強調されたサウンドが展開されて良質なアルバムでした。
そういえばジェフベック亡くなってしまいましたね。かなりショックでした。
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Unknown (ローリングウエスト)
2023-01-13 16:55:17
カンサス大好きです!3rd名盤「永遠の序曲」からのシングル「伝承」を初めて聴いた時はまさに衝撃的な感動を覚えたものです。「Carry On My Wayward Son ~!」という冒頭コーラスから始まり、キレのいいギターリフへと繋がる鳥肌の立つような恰好いい曲は、メロディアスなヴォーカルと変拍子を織り交ぜた美しい旋律が膨大なストーリーを感じさせてくれましたね!名盤「暗黒からの曳航」からの代表曲「帰らざる航海」も最高!そういえばカンサス記事は 「すべては風の中に」(Dust in the Wind)を2014年に公開して以来、8年間も全く続編を書いていない!やばい・・反省!
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Unknown (かんた)
2023-01-13 20:45:16
皆さん『伝承(Carry On Wayward Son)』のインパクトが、かなり強そうですね。

ところでこの曲、イングヴェイ・マルムスティーンのカバー・アルバム『インスピレーション』でも取り上げていて、同アルバムのOPを飾っています。
ちなみにこのカバーアルバムでは、ディープ・パープルやレインボーといった。彼が崇拝するリッチー・ブラックモア関連の楽曲が中心になっております。
まあ、彼らしいっちゃらしいんですけれど。
その他としては、ジミ・ヘンドリックスの『マニック・デプレッション』、UK『イン・ザ・デッド・オブ・ナイト』、スコーピオンズの『カロンの渡し守』、ラッシュの『アンセム』などが収録。
アルバム全体の印象としては、どの曲のギタープレイのどこをとっても"イングヴェイ"といったような、ほとんど金太郎飴状態なアルバムとなっております。
それだけに、このアルバムは彼のファンしか聞いてはいけないアルバムとなっております。
もし時間があればですけれど、カンサスとイングヴェイの『伝承』を聞き比べてみるのも、いかがでしょうか。
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それまで聞いたことがない音楽 (星船)
2023-01-13 21:34:08
Hannahさんこんばんは。
「汗の匂いのするプログレ」ですか!さすが湯川さん、うまいこと言いますね。
私も、プログレの中でも、難解で大仰なプログレは、どうにもこうにも苦手なのですが、ボストン、カンサス、スティックスの3つのバンド、アメリカン・プログレ・ハードの中心バンドのこの3つのバンドは大ファンで、今でもよくアルバムを聞き、古さを感じさせないロックですね。私も、”Carry On Wayward Son”を初めて聞いた時には、それまで聞いたことがない音楽に驚きました。
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他に類似の曲がない (星船)
2023-01-13 21:37:04
太ったボンジョビさんこんばんは。
そうか、シティ名バンドが三つとものチャート入りでしたか。70年代にもそんなことあったかしらん?
やっぱり”Carry On Wayward Son”、皆さんファンが多いですね。この曲は、他に類似の曲がない、名曲でしたよ。
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聞きやすいポップロック (星船)
2023-01-13 21:43:04
音時さんこんばんは。
やっぱり音時さんもそうなんですか、私も、本文にサラッと書きましたが、この曲、聞きやすいポップロックのいい曲で、カンサスじゃなかったら大ファンになったところですが、ジャーニーやサバイバーのよう、「カンサじゃなくってもいいじゃん」、という曲ではありました。
創設メンバーのKerry Livgrenと、バイオリンのRobby Steinhardtの相次ぐ脱退は痛かったです。

a-haの"Take On Me"のPVと見比べてみました、ホント影響というか、パクリとまでは言わないけれど、参考にしていますよね。
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