桜木紫乃の『蛇行する月』を読んだ。
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片思いの高校の教師にアタックして玉砕した順子。高校卒業後就職した和菓子屋の店主と関係して子供ができて、その店主とともに駆け落ち、いろんなところを転々として東京でラーメン屋として落ち着いている。
お話しは、高校時代に順子と同じ図書部に所属していた友人4人と和菓子屋店主の妻、順子の母親の物語。それぞれ年代を変えて語るのが巧いところ。6人の物語なのだが、お話しの中心にいるのは順子で、この小説は順子の物語。順子を通じてそれぞれを思い、葛藤を描く作品。意外なラストが切ない。
作者の巧さがよく出ていて読み応えあり。幸せとは何かを問いかける作品。
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