リハーサルは夢のように美しい音響だったけれど、夜には満員のお客様が音を吸い込んだ。ニックが弓もビブラートもいつもの三倍汗をかいてやっているのを、仏様が微笑みながら見守って下さった。
「なにいつもの事、想定の範囲内だよ。客無しのコンサートホールは最高だが、客無しのコンサートは最低だ。」と、ニックはジョークを飛ばしていた。
「こんな素晴らしい仏様の前でブラームスやバッハを演奏できるのは最高の経験です。歳を取っても新しい経験はできますが、こんな初体験は滅多にできないでしょう。」とも、終演後の新聞取材で語っていた。
宝厳寺の素晴らしい仏様とご住職ご一家、檀家の皆様に心より感謝を申し上げます。
「季語の結球」
子規博の公式配信で2023年の道後俳句塾をシェアして下さっている。私は杏子先生を偲ぶ会へ参列していたので、やっと見ることが出来た。組長が「季語の結球」について語っているのを聞いたその夜のコンサート。虫の声がチェロの響きに集まって、美しい球のように、りんりんと鳴っていた。杏子先生が一緒にニックを聴いて下さっているような嬉しさだった。
「おまけ」
日本語の先生とクラスメートと組長。滅多に見られない組み合わせ。♡
もう一言。
イスラエルのニュースに打ちひしがれている我が家です。お隣の宝厳寺にお詣りしてただ祈る他ありません。この写真みたいに、音楽や詩や友情に繋がって平和に笑い合うことが世界中で出来ないのかと、心が痛みます。