組員さんに貰ったレモン牛乳キャラメル。絶品!
「鷹」
昔祖父が鷹か隼を飼っていた。祖父のポンポン船の名は隼号だった。母屋の玄関から中庭を抜け、土間にある外便所に行くのが冬は辛かった。つい中庭の溝にしゃがんで祖母に叱られた。便所の向かいの土間には動物の檻が並んで目が光っていた。五次元運動(タイムワープ)をしてここでは無いどこかへ、出来れば外国の町へ行けますように、毎晩月に拝んでいた。
「水仙」
逆しまに水仙食ぶる崖の鹿
山中湖村といっても山梨と静岡の県境に近い峠の山荘に九年暮した。あの頃の寒さを思うと、松山の寒さは全く暖かい。春になると蕗の薹と水仙が雪間から顔を出すのがたまらなく可愛かった。富士山麓の野生の鹿は水仙が大好物。もちろん蕗の薹も美味しいに決まっている。どれもこれもたちまち食べ尽くされてしまった。
「雑炊」
雑炊にカレーを入れて病みあがり
祖父が中風で寝たきりだった時期、私と同じ名前の祖母は毎朝人参白菜玉葱椎茸入りの雑炊を鍋一杯炊いて三食祖父に食べさせた。夜はそれに刺身とか付いた。常に家で遊んでいる小さないとこ達が祖父の雑炊を欲しがると、子供帰りをしていた祖父は取られるのが嫌で泣いていた。